磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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終わりに

2005年09月22日 | 【作成中】小説・メリー!地蔵盆



終わりに




 あれから、もうずいぶんたったのである。

 今では、東洋山荘というアパートは本館、新館、別館ともども跡かたもなく、かわりにきれいなおそらく学生寮だと思う建物がたっている。もう三十年以上前の話なのだから、それも時代の流れなのだろう。そう思い続けてきた。だけれど、その思いを変えることがあった。それは司馬遼太郎が書いた『竜馬がゆく』を読んだときである。

 坂本龍馬(竜馬)とお田鶴さまが、智福院という禅寺で密会したという。智福院は維新後、「料亭東洋花壇」と名のったという。その料亭を改造してつくられたのが東洋山荘だったという。

 坂本龍馬、この幕末のヒーロー、人間的にも魅力がある好男子がいたということを知ると、あのボロ・アパートが光り輝くものに思えてきた。今でも多くの人に夢と希望と本当の勇気を与える龍馬がいた場所を、壊してしまったことは残念で仕方がない。

 司馬遼太郎の作品からいけば、坂本龍馬とお田鶴さまがいた部屋は、おそらく曽我のおばあさんの住んでいた部屋だろうと思う。見晴らしがよく、料亭東洋花壇という名前にあるとおり、花壇が売り物の料亭で、年中何かの花が咲いていたという。

 別館たつ前には、池があり花壇もあった場所だったときいていた。司馬遼太郎といえば資料に詳しい作家であり、足で歴史の現場だったところを歩くことも好きな人であったときく。歴史家からも信頼をおかれていた小説家であるという。しかし、料亭東洋花壇を発見することはできなかったと作品に書いておられる。

 あの司馬遼太郎が発見できないというのは、もしかしたら私の勘違いかもしれないとも思うのだが、住所と名前が同じなのでたぶんあっていると思っている。

 そして、京都の町家に脚光があたっている。文化財としても、すぐれたものと見直されてきたのである。

 しかし、建物はなくなっても、ぼくの心の中には、素敵な思い出になって残っている。


 大人になり、東京に住むようになった私は、ある創作教室に通っているときに、この作品の原形を書いた。そのとき、私の住む近辺では地蔵盆がないことに気づく。それまで、そんなことさえも気にしていられなかった。

 地蔵盆が京都を中心にした行事であることを知る。小学生のとき引っ越した新しく建てられた団地も京都府下であったが、一年目には地蔵盆はなかった。それで寂しい思いをしたものだ。しかし、二年目には地蔵盆がはじまった。

 東京には地蔵盆がないなんて、とても寂しいし、子どもたちがかわいそうに思えた。とても楽しかった地蔵盆。特に、ジョンさんのいた地蔵盆は、それは楽しいものだった。それは曽我のおばあさんや、ジョンさんたち大人のおかげだったと今では思える。そう、お地蔵様は彼らだったのだろうと、今ぼくは考えている。

 また、明治時代には『廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)』といって、お地蔵様が迫害にあったけれど、京都の人たちは子ども時代に楽しい思い出があるので、お地蔵様を守ったときく。また、地蔵盆も禁止されていた時期があったという。

 今では京都市内では人口が減少し、地蔵盆は寂しくなっているときく。若い人たちはベッドタウンであるまわりの街に移り住んだからだろう。むしろ、ベッドタウンの方が地蔵盆は華やかに行われているともきく。

 これからも、京都では地蔵盆には、お地蔵様のまわりで、子どもたちのお祭りが行なわれることだろう。威張りもしない、怒りもしない、お地蔵様が、みんなの輪の中で、笑っていらっしゃることだろう。どこか、子どもに対されるときのイエズス・キリストにも、お地蔵様は似てらっしゃる。




『メリー!地蔵盆』。
イエズスもお地蔵様も楽しいと思われることでしょう。








閑話休題


京都の町家は見直されていますね。
町家がレストランになったりもしています。

外国人の芸術家の方も町家に住まわれています。

町家倶楽部ネットワークというのがあって、
町家の情報を教えてくださるようです。
ここをクリックしてくださいませ。

また、ご旅行される方には、
古い京都の町家で食べる・遊ぶ・泊まるという記事があります。
ここをクリックしてくださいませ。

旅行費用もない僕のような人で、町家で遊びたい人には、
京都新聞のペーパークラフトがあります。昔はWebで無料だったのですが、
今は販売してはるようです。
ここをクリックしてくださいませ。

無料は町家ではないですが、
無料サンプルというのがあるようです。
ここをクリックしてくださいませ。

でも、お地蔵さんはないようですね。
お地蔵さんがあったらええのにね。




--関連記事京町家 スローライフを学ぶ生活術--

【追加2010年1月9日】

お田鶴さんというのは、架空の人物であるという……。

しかし、司馬遼太郎の小説にでてきたことには変わらないが……。

少し寂しい気もする……。

龍馬と晋作-維新回天に命を賭けた二人の英傑の交遊と生涯-










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もくじ[メリー!地蔵盆]


【気軽5】

2005年09月22日 | 短編など



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太陽はひとりぼっちだね
うそもつけないし
だまされることもない
だけど太陽は毎日昇っている。
太陽まぶしいね



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