磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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96.人類、月に立つ

2005年09月16日 | 【作成中】小説・メリー!地蔵盆



八、それでも地球はまわる

96.人類、月に立つ





 夏休みがはじまった。雄二はまた病気で寝込んでいる。息をするのも苦しい。でも相変わらず、母は貧乏暇なしだった。

 内職にはいついつまでに完成させておかねばならないノルマというのがある。だから、狭苦しい六畳一間で暑苦しい内職のミシンの音がうっとおしく、がなりたてている。その上、病気なのである。

 日も暮れたころ。
「やっと、内職が終わり。すまないねー、病気なのに」
 母はタオルで汗を拭いていた。

 夕食を食べる気もしない雄二は、入口の横のカーテンをながめていた。このカーテンは窓につけられているのではない。雄二のアパートの部屋は、むかし料亭の玄関だった。

 コンクリートで塗り固められた土間の右に六畳がある。土間と六畳を仕切る木とガラスでできた目隠しがある。その目隠しだけでは落ちつかないので、カーテンをしている。

 そうそう、今日は大ニュースがある。いくら病気でも、これは見逃すことはできない。人類がはじめて月に立つのだ。

 アメリカのアポロ十一号が“静かの海”という月の赤道近くに着陸するのだ。“静かの海”といっても月には水はなく陸地である。

 母は食事をしながら、姉に話しかける。
「ついに、月で餅がつけなくなったわ」

「そんなのしていた人がいたの」
 姉は驚いていた。

「人じゃなくって、兎さんよ」
 母は笑った。

「アポロが月に着陸して、兎がいないと証明されるからね」
 姉も笑っていた。アポロの特番までは時間があるので、一眠りしようと、雄二は目隠しとカーテンのすきまに頭をいれて、眠ろうと努力している。

 ガチャガチャと戸を開ける鍵の音が聞こえる。母は立ち上がる。
「おかえり、早かったな」
「お得意さんも、月面着陸の特番を見るから早く帰れたんやあー」

 呉服屋の営業の仕事をしている父の帰りは、ふだんは遅い。ビールを飲んでいる父は、アポロの特別番組を見ている。

 ガーガーガービービービー。宇宙からの交信は雑音がいっぱいだ。

 気分がすぐれないので寝ようと努力していたが、暑苦しくって、雄二はカーテンから頭をだす。

「こちら、ヒューストン、ヒューストン」
 外国人の言葉といっしょに、日本人の声がする。ヒューストンとはアメリカのテキサス州にある地名で飛行管制室がある。

 部屋の奥にテレビがあり、テレビの前の父は話す。
「雄二、雄二が大人になるころには、観光で月旅行ができるかもな」

 雄二は月旅行かと思うと、自然にまぶたが開いた。

「月で兎が餅をつく時代がくるかもしれんな。月旅行ができるようになったら、観光地になるやろ。そうしたら、観光名物がいるようになる。それに、旅行したら、おみやげを買って帰らなくっちゃいけない。月兎の十五夜餅なんて売りだしたら、儲かるぞ」

 父はのん気なことをいっていると思った。

 父の食事が終わり電灯を消す。テレビの明かりで部屋は明るくなったり暗くなったりしている。やっぱり月には兎はいないのだと雄二はカーテンのほうを見た。カーテンのしみがいくつも見える。しみが動物のかたちに見える。そう言えば、昔の人は月の黒っぽい部分をみて、兎が餅をついていると思ったらしい。

 日本のスタジオで日本人のアナウンサーが模型を見せ、天動説の説明をしはじめた。
「天文学、天文学は何千年も昔からはじまりました。紀元前四世紀、古代ギリシアのアリストテレスは、宇宙は地球が中心で、すべての天体は地球のまわりをまわっていると考えました」

 アナウンサーの顔がズームインしてアップになった。
「ポーランドのコペルニクスは太陽のまわりを地球がまわっている地動説をとなえました。しかし、星座はまだ地動説のままでした。これを、改めたのがガリレオとコペルニクスでした」

 地動説を説明しているのだ。ガリレオの肖像画がテレビの画面に大きく映しだされる。

「ガリレオの生きた時代、地動説をとなえることは、たいへん危険なことでした。地動説を唱えたブルーノがローマで火あぶりにされました。ガリレオもまた裁判でこれ以上、天動説に反対すれば死刑と宣告されました。しかし、ガリレオは『それでも、地球は動いている』と言ったという逸話が伝わっています」

 雄二はいつのまにか、熱心にテレビを見ていた。こういう偉い人たちがいたからこそ、今日、人類は月に立つことができたのだろうと思った。

 日本時間21日午前11時56分20秒、アームストロング船長は左足から月の大地を踏みしめた。今はその録画を放送している。

 宇宙飛行士が跳び上がった。月では地球とくらべ重力が弱く、宇宙飛行士は大きな背箱をせおっているのに、高く跳び上がっているし、落ちるときにもゆっくり落ちていく。

 月に兎はいないけれど、まっ白な宇宙服を着て跳んでいる人は、まるで月兎のようだ。待てよ、家のテレビは白黒テレビだったから、まっ白かどうかわからない。幸江の家はカラーテレビだから、何色かわかるやろうなあー。






閑話休題



アポロ計画。
人類月に立つ、人類の歴史上初のことであった。
世界中がこのニュースに沸いたといってもいいのではないでしょうか。

小学校では、
アポロのプラモデルがはやった。
ぼくも安いプラモデルをつくって遊んだ。

この後、アメリカの宇宙計画が、
STAR WARS計画というのに、
結びついていくなんて、当時はまったく思わなかった。

知ったときは、驚いた。
何でも、戦争に結びつけて、
彼らは考えるんだと思った。

まるでSFの世界だと思ったが、
同時に、悪夢としか僕には思えなかった。

10ccの「Windows In The Jungle」というアルバムに
Americana Panorama というのがありまして、
よくアメリカを表現していると思います。
ぼくは辞書をひきひき訳したものです。

昨日の曲はBlogでできた曲みたいです。
BLOGで作った曲「UNDERSTANDING」がついに完成!?
Blogって、おもしろいものだなあーと再確認しました。









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ありがとうございます。





もくじ[メリー!地蔵盆]



【画像一枚で】クリックで拡大画像にする方法

2005年09月16日 | 読書日記など
【画像一枚で】クリックすると拡大画像にする方法

↓クリックすると大きくなります。



上の画像の画像を出すのには、下のように入力します。




元からある画像もクリックして大きく見える画像も同じ画像です。
同じ画像なので画像のURLは同じです。

二枚の画像を使用する方法もありますが、一枚の方が容量もとられないと思います。
無料の私はこっちがいいと思いました。



前半部でリンクして画像そのままで、後半部はBlogページに最初にある画像ですが、小さくなるのは、
後ろで幅と高さを指定しているからです。
その数字を10分の1にします。320→32、220→22に変更します。

↓クリックすると大きくなります。


これも同じ画像を使用しています。写真は一枚だけです。



大きな画像をつくる方法
画像に圧縮をかけて、小さくします。

無料のソフトもあります。
使用される場合は、ウィルスに注意をはらってください。
そうでないと、ひどい目にあう場合があると思います。

また、Macでは、PixelCatで別名で保存を指定して、
圧縮する方法もあります。
でも、これはOS9以下でないと無理です。
OSXではダメです。

また、EXCITEでは有料では大きな写真を掲載できると書いてあります。
ここをクリック。
コムコムはんの写真はたぶん、それでしょう。
画像をクリックすると、ずいぶん大きくなるし、きれいです。
壁紙にも使用可能です。


プロ的なものもありますが、Blogが有料でないと無理かもしれません。
僕はまだ試みていませんので、何とも言えませんが、すごいテクニックもあるようです。

質問:画像をクリックすると別ウインドウに拡大画像を表示する。

よくわからない部分もありますし、間違っている部分もあるやもしれません。またもっといい方法をお知りでしたら教えてくださいませ。

もくじ[インターネット関連]





アメリカは模範になるか?

2005年09月16日 | 読書日記など

『アメリカ憲法は民主的か』ロバート・A・ダール・著/
              杉田敦・訳/岩波書店2003年1刷
という本があります。





アメリカは模範になるのでしょうか。
アメリカをやたらに模範にしたがる人たちがいるので気になります。

この本は、アメリカ人がアメリカのことを思って
書いた本と思われます。

『アメリカ憲法は民主的か』の138-139ページに、データが書かれた表があります。
アメリカで唯一いいのは、経済成長のみです。


とても民主的とはいえない、
古くさいシステムと思いました。