大阪龍馬会

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思想家・横井小楠の書簡発見 朝廷・幕府・藩の団結訴え

2010-10-09 00:01:00 | 幕末ニュース
 坂本龍馬に影響を与えた幕末の思想家、横井小楠(しょうなん)(1809~69)。小楠が国のあり方の基本を書いた「国是」は、後の「五箇(か)条の御誓文」などに影響を与えたとされる。「国是」は複数書かれたが、そのうちで集大成とされるのが「国是十二条」。実物の所在が不明だったが、このたび東京都内で確認された。未確認の書簡2通も見つかり、研究者は混乱期を解明するのに役立つ貴重な資料群とみている。

 小楠は熊本藩士だったが、藩政改革を進める元福井藩主の松平慶永(春嶽)に重用された。1860年以降、「国是三論」「国是七条」と立て続けに提唱した。今回、実物が確認された「国是十二条」は67年、福井藩に提出された。公共性と交易の重要性を説き、坂本龍馬によるといわれる「船中八策」や、後の「五箇条の御誓文」に影響を与えたとされる。

 「十二条」は「正月十一日」付で、春嶽への進言を主眼に福井藩の重臣、松平源太郎(正直)あてに出された書簡だ。自然の天理に則(のっと)ることを説く「不関天下之治乱、一国以独立為本」や「尊天朝敬幕府」「富国」「強兵」「親列藩」「交外国」など、漢文表記で個条書きされ、簡単な注釈をつけた項目もある。

 最新遺稿集の編集を中心的に進めている猪飼隆明大阪大名誉教授(日本近代史)は、「ようやく実物に巡り合えた。小楠は維新後、まもなく暗殺されるので、彼が最後にまとめた国家思想ともいえる。新遺稿集には欠かせない」と話す。

 また、新出の書簡2通は正直あてで、「十二条」と同時期の書簡とみられる。1通は幕府が長州に戦争をしかけようとしているが、控えた方がいいという意見に同調。もう1通は、幕府と長州の緊迫した状況下、情勢が刻々と移り変わり、善悪がはっきりしない世の中の大波に揺られているだけだ、と嘆じている。

 これまで「十二条」は「親列藩」や「尊天朝敬幕府」などの文言が、従来の小楠の思想に合わないことなどから、執筆した年も含めて、評価が定まらなかった。

 しかし、今回、新出の2通を分析した猪飼名誉教授は「一連の書簡から『国是十二条』は朝廷、徳川幕府も共に敬い、各藩も和解し一丸となって新国家の建設に向かうべきだという強い主張がこめられている。公共性の概念が一歩進んだ形で、極めて重要な内容と位置づけることができる」と説明する。

 「国是十二条」は11月28日まで、兵庫県川西市の大阪青山歴史文学博物館で展示されている。

9/28 朝日新聞



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