香が散る

本を読むのが大好き、少し前からノロノロですが走るのも好き
そんな、代わり映えのしない、でも大切な日々を書き綴っています

コンビニたそがれ堂 星に願いを

2011-07-31 19:18:52 | 本のこと
村山早紀さんの
『コンビニたそがれ堂』3シリーズ本・・・星に願いを

 大事な探しものがある人だけがたどり付ける。
 不思議なコンビニたそがれ堂。今回のお客様は、
 お隣のお兄ちゃんに告白したくて頑張る少女、
 街角で長くコーヒーをいれてきた喫茶店のマスター、
 子供の頃、変身ヒーローになりたかった青年・・・。
 夜空の星に切なる願いをかけた時、やさしい奇跡が起こる。
 つまずきがちな毎日に涙と笑いを運んでくれる、
 好評シリーズ第3弾。

Webサイトがありました →こちら

3編のうち、「本物の変身ベルト」は
大学を卒業して新卒の男の子が上司の女性に
告白する前に失恋をしたことをきっかけに
今までの自分の人とのつながりや、生き方が
いやになってしまうところから始まるのだけど
心に残り、共感し、泣きたくなる言葉がたくさん
「一生懸命生きていても、誰に目をとめてもらえることもなく、
 ほめてもらうことも、応援してもらうこともない。
 好きだった人にも愛してもらえなかった。」

なんて、落ち込んだりするんだけど、
正直、わかるわかると思ってしまう
でもね、
「世界はこんなに美しい。まだ俺の知らない見たことのないものが
 たくさんあって、新しく作り出してくれるひとがいるんだな。
 だから俺は頑張ろうとか思っちゃう。もう少しだけ、
 少しだけでも長く、この世界にいたいと思えるわけ。」

なんていう、Twitterで知り合った、人からのDMに
思ってもいない程、心を癒されていく
物語全体は、奇跡というにはあり得ないことだけど、
何故か元気が出て、やさしい気持ちになる
このお話が、わたしにとってのDMだったかもしれない

解説はライターで星占いをされている石井ゆかりさん
この解説もとてもよかったのです
 誤解を恐れず,思い切って言ってしまおう。
 人を未来に進ませてくれるのは、「過去」と「思い出」なのだ。
 ポジティブシンキングやら、切り替えの良さやら、ではない。
 ー略ー 「ここから先」に向かっていくためにまず、
 必要としたのは、「思い出」をちゃんと作り上げることだった。
 ー略ー 思い出や過去は、人を裏切らない。
 それは事実で、何よりも真実だからだ。

少し疲弊気味だった気持ちが、すーっと軽くなる言葉でした

おとつい、豊平川花火大会があり、
何人かで宴会をする予定だったのだけど
予定があって集まれない人たちがいたので宴会は中止し
Puーちゃんと二人で、ごはんを食べながら
うちで花火大会を見ていました
あ、いや、ちょっとだけです 見たのは・・・
殆どおしゃべり
その時、Puーちゃんが手みやげに持ってきてくれた
わたしの大好物

そして、昨日はMさんがを持ってきてくれた
うちの中にがたくさん 幸せ~

昨日は涼しくって、朝8時くらいから9時過ぎまで
桑園~市立病院~函館本線高架下~北大構内をランニング
とっても気持ちよかったのだけど、今日はなんだか疲れちゃって
30分位のランニングで、あとはお散歩

今日は石山通から北大構内に入れる道を通ってみたのだけど
肥料の芳しい香りが・・・ぷ~ん
お昼近く、気温も上がっていたので、匂いもキツかった
体も、疲れたなぁ
今日はゆっくりと読書の休日でした

萩を揺らす雨

2011-07-28 21:00:12 | 本のこと
吉永南央さんの
『萩を揺らす雨』 紅雲町 珈琲屋こよみ

本屋さんで少しづつ売れていった本だそうです
表装が好きで、手に取ってしまいました

紅雲町で、和食器と珈琲のお店を開く杉浦草(スギウラソウ)さんは
不幸な結婚をして、自分の子供も亡くしてしまって
ひとりぼっちのおばあさん
気丈でやさしく、おだやかな人
近所で起きている事件に、すばやく気付いて
でしゃばらず、なんとか解決しようとする姿が
おばあさんであって、格好いい
でも、巡回の警察官に、惚けて徘徊していると勘違いされ
廻りの人たちにも誤解されてしまったりする
そこは、切なく、泣きたくなったけど
素直に年を取るってこういうことだなと思ったし
わたしも、草さんのように頑張りたいなと思っちゃった

軽めですぐ読めてしまったけど
こういう本に巡り合えるから
本屋通いはやめられない

トリオ2ツアー@札幌

2011-07-27 23:34:54 | 好きな音
今日、大通公園ホワイトテントで行われた
大橋トリオ「トリオ2」ツアー@札幌に行って来ました

ホワイトテントを北側道路から見た写真
なんだか可愛い
5時半から開場、7時半開演だったので
6時過ぎに到着したところ、席はちょっと後ろの方でした




それぞれの席にはテーブルがあり、お酒や食べ物を頂きながら
ライブを見る形で、落ち着いていい感じ
ひとりだったので、食べ物はそんなに頼めなかったけど
隣の女性たちは、ピザやたくさんの料理を頼んで飲んで
結構おいしそうでした
わたしは、待っている間はざくろレモネード
ライブ中は赤ワインを飲んでまったり


ライブは、もうもう、とってもよかったです
今回は大橋トリオさん一人ではなく
ドラムとベースに神谷洵平さんと須長和弘さんのトリオ
ホワイトジャズだからと、しっとり系の曲が多かったです
大橋トリオさんは、ギターをひいたりピアノをひいたりで
トークは、おとぼけっぽいおもしろさ満載でしたが、少なめで
いつの間にか体がリズムをとるように動いていました
アンコール最後の大橋トリオさんのピアノソロは涙がでそうでした

大満足でテントを出たあとのホワイトテントとテレビ塔(さん)

あっという間の2時間、
音楽っていいなぁ 幸せだったなぁ

日輪の遺産

2011-07-26 21:38:28 | 本のこと
浅田次郎さんの『日輪の遺産』


堺雅人さん主演で映画化され、
8月27日から公開と知り
大好きな小説なので、是非観に行きたい
その前に再読しておこうと思ったのでした

終戦の昭和20年8月10日の夜から
玉音放送直後までの事件と
平成の時代に、バブルの後遺症で破産しそうな男と
福祉のボランティアの悪循環につかまり
自分の家庭が崩壊している男が
事件の生き残りの老人との偶然の出会いから
事件を追っていく形は
同じく浅田次郎さんの『シェエラザード』と似ている
浅田さんの戦争ものは、本当に切なくてつらい
映画のHP(→こちら)を見てからの再読で
真柴少佐は堺雅人さんに、小泉中尉は福士誠治さんに
無骨な軍曹は中村獅童さんに思えて、
頭の中が具体的に絵が浮かぶようだった
特に堺さんはぴったりなんじゃないかな
映画、楽しみ

今朝のランニング途中に通った中学校のグランドで
「ラジオ体操の会」というのをやっていて
多くの人たちがラジオ体操をやっていました

今日から小学校は夏休みが始まったのだなぁと
思いながら、イヤホンから流れてきたラジオでは
TUBEの「ああ、夏休み」
いいなぁ、長い夏休み

ビアガーデン

2011-07-25 21:52:13 | おいしいぃ
昨日、おなじみE師匠たちと
さっぽろ大通公園ビアガーデンに行って来ました
6丁目アサヒビールでエクストラコールドBARで乾杯

冷え冷えで、ドライで、美味しくって、
くいーーっといきました
相変わらず楽しい夫婦プラスみいちゃんと4人で
大爆笑して、たくさんお喋りして飲みました

ビアガーデンは夕方に待ち合わせだったので
早めに家を出て、北大植物園まで歩きました
札幌の町中にある植物園は、小学生の頃に行った以来です
広い敷地の中は、むっとするくらいの緑の匂いに囲まれ
色々な鳥の鳴き声が聞こえ、多くの虫がいましした


入り口の横にある宮部金吾記念館
こういう建物は札幌市内、歩くと結構見つけられるかも

花の終わったライラック並木や、
見上げて驚く程大きい灌木園は、空が見えないほど緑が茂っていて
涼しい小径を歩いているとふっと広がった広場

ハルニレの林という看板がたっていました
そして、その中でひときわ目立っていた大木

ムラサキセイヨウギクというそうで
葉っぱが紫がかった色の、堂々として安心感のある樹でした

バラ園のバラも季節が終わっていて、廻りの紫陽花が花盛りでしたが
ライラック、桜の季節に着たらどんなにきれいかなと思いました
今時期は虫も多いし・・・ちょっと失敗
紅葉の季節もきれいだろうから、今度は秋に行ってみようかな


走ることについて語るときに僕の語ること

2011-07-23 20:48:13 | 本のこと
4年前に出版された村上春樹さんの
『走ることについて語るときに僕の語ること』
久し振りに再読しました


春樹さんは、フルマラソンにも出場されるランナー
走っているときのことや、その前の準備
ほかもろもろと、春樹さんの考え方や正確が
とても凝縮されていると思う
「自分の感じていること、考えていることを、
頭からそのまま素直に、僕なりの文章にしていよう。
とにかくそこから始まるしかあるまい。」
と前書きに書いています

春樹さんは「一人でいることをそれほど苦痛としない正確である」
ことが、マラソンを続けていることのひとつとしていますが
また、走ることはつらいことで、それでも走り続けることが
好きなんだというようなことが書いていました
淡々と走り込んでゆく春樹さんの姿が見えるようで
いま、再読してよかったなと思います
まだ途中なのですが、少しづつ読んでいくつもり

そんな春樹さんの本を読んでいたら、
今日は少し長い時間を走りたくなって
自宅から、エルムトンネル、北大の中を通って札幌駅西側まで
往復してみましたが・・・疲れました
途中、3回くらい歩きましたが、なんとか帰って来れた
いつもなんだけど、走り始めはきつくて止めようかと思うのだけど
最後まで走り続けたあとのシャワーが本当に気持ちいい
もう少し早く長く走れたら、また楽しいのだろうけど
驚く程ゆっくりしか走れない・・・あわててはいないけど
もう少し、走り続けていこうと思うのです

ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2

2011-07-21 22:46:41 | 映画のこと
レディスデイの今日、見てきました
『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』


初めてハリー・ポッターの映画を見た時に
小説を読んで、映像にならなかった部分が
見事な映像となり、ストーリーを知っていても
面白くってワクワクしたことを思い出した
今回は、今までの映画の中で
わたしの中では一番面白かった
そして、わかってはいるけど
たくさんの大好きな仲間たちが死んじゃって
マクゴナガル先生の決意に、ロンのお母さんの勇気に
シリウスのやさしい顔に、セルブスの最後の言葉に
ロンに、ハーマイオニーに、ダンブルドアに、
そして、ハリーに、たくさんたくさん泣いてしまった
今日は、ちょっと興奮して眠れないかも

氷菓

2011-07-20 21:54:34 | 本のこと
米澤穂信さんのデビュー作『氷菓』

伝統ある高校の、高校生4人が
はるか昔にあった学園祭の時の謎
その時、伯父さんは何故退学になったのか
また、学校での不可解な事件を解いていく
ミステリー小説です
4人が個性的で、それぞれの役目を担い
そして、主人公ホータローくんの成長も書かれている
米澤穂信さん、気になる作家さんだったのだけど
そうか、こういう感じか・・・という印象

この頃の朝活では、50分~1時間くらいは走れるようになりました
ま、疲れたら歩いているし、とてもゆっくりだけど
今朝も北大の中まで走ってきてから、現場に直行し、
お昼前に会社について、夕方また外出したりしていたら
歩数計の文字が2万歩を超えました
お風呂からあがって、足には湿布な夜

死ぬ気まんまん

2011-07-18 19:41:19 | 本のこと
昨年11月に亡くなってしまった
佐野洋子さんの最後のエッセイ
 『死ぬ気まんまん』

佐野さんの元気が伝染します
骨に癌が転移して、余命2年と言われ
その気になって、お金を使い、廻りの人間にも言って
準備していたけど、2年たっても大丈夫だった佐野さん
自分の姿も、他人の姿も、冷静に分析する語り口が巧妙
 この間、鏡で顔を見て、「あんた、その顔でずっと生きてきたんだね。
健気だったね。偉かったね」と言ってたら涙が出てきた。自分の健気さに。

 今のジュリーも好きである。なりふりかまわず食いまくっているように
デブになった。デブになっても平然としているところが、人間が大きい。

 そして、死んでも許せない人など誰もいない。
 そして世界はだんだん淋しくなる。

エッセイは佐野節でまんまんだ

その次には佐野洋子さんと平井達夫さんという
築地神経科クリニック理事長との対談があり
次に、ホスピスに入っていた時のエッセイとなります
 私にとっては通りすぎるだけの人が永遠に失われたことが、
この世の大切なものが消え失せてしまった取り返しのつかない
淋しさを私に与えたことにショックを受けた。

なんだか、色々なことを考えてしまいましたが
佐野さん流に、思い込まず、わたしらしく生きるしかないな
なんて考えながら、一気に読んでしまいました

最後に関川夏央さんがこの本のことと
佐野洋子さんとの思い出を語っています
その中で、佐野さんに勧められた北軽井沢の別荘が
格安だったのは、母子心中があったせいで
母親はシライシカヨコみたいで
息子はヌクミズヨウイチのようだったと聞いて
熟考の末、あきらめたのは残念には爆笑

72歳という年齢で亡くなるのは、女性として早かったのか
佐野さんが書いている通り、ちょうどいいのか
もしも肉親だったらと思うと、早いと思うし
自分だったらと思うと、遅いくらいだと思う
でも、人は必ず死ぬのだから,おそれることはないのだよね

今朝の女子ワールドカップサッカー、素晴らしかった
珍しく気になって、2時間くらいで目が覚めて
キックオフから見たのだけど、
前半が終わったところで落ちてしまい
はっと気付いたら1-0で負けていてがっかり
でもでも、ねえ、すごかったですねぇ

3連休、毎日雨降りだったので
午前中、小雨の中だったけど、農試公園までぐるっと走って
夕方には、新川通りをずっと奥までサイクリング

遠くにJRタワーが見える新川です
いつか、ここまで走ってこれるようになりたいな

チヨ子

2011-07-17 22:21:11 | 本のこと
宮部みゆきさんの『チヨ子』

1999年から2010年までの個人短編集に未収録の
ホラー&ファンタジー5編を収録し
文庫本で発売されました
いきなり文庫本発売というのは『R.P.G.』以来

ホラーという文字で、実はちょっと腰が引けたのだけど
大丈夫と思い込んで読みました

「雪子」は、読み終わって、こわかった
小学生の頃、幼なじみ5人組のうちのひとりの女の子が殺され
犯人は見つからず,20数年の時が経っての同窓会の夜
亡くなった女の子の幽霊が見えるものと、見えないもの
どちらがこわいか・・・

「おもちゃ」は、宮部さんらしい人の悲しさがあふれていた
小学生のクミコが流す涙が、亡くなった人を救ってくれた気がした

「チヨ子」は、ちょっとこわいファンタジーかな
不思議な話だけれども、自分だったらと考えると
すこしこわいような気がする

「いしまくら」は、直木賞受賞後第1作目だそうで
わたしは、この話が一番心に残って好きだと思う
人は己の見たいものを見る。見るのは心の内側ばかりだ。
良いことも、良くないことも、美しいものも、醜いものも。

お父さんとお母さんの若い時のお話は、微笑ましく
最後はなんだかほっとして読み終えることができる

「聖痕」は、宮部さんの小説を読んでいて出会う
やるせない気持ちがつのる、ちょっとつらいお話

宮部さんの本はやっぱり読みやすくって、
昨日の夜から、今日の移動中と帰宅後少しで読み終えました
短編も、いいですね

今日は、近代美術館でやっている北京・故宮博物院展を見てきました
すっごく混んでてびっくり
音声ガイドを聞きながら、人ごみの中
それでもマイペースで廻ってきましたが
最初に入ってドーンと置いてある、皇后の座椅子に圧倒され
皇后たちの衣装には、目を見張り
西太后の肖像画の前で、しばしぼーぜん
衣装や置物、絵にたくさん描かれている龍や寅が
ユーモラスな顔で意外に感じたりした。
また、たくさんの国宝級の絵は、チャイニーズカラーというか
中国っぽい色使いで、奥行きがあまりないにもかかわらず
今にも物語が動き出しそうなものが多く、見応えあり
もう少し、人が少ないところで、ゆっくり見たかった

用事があって行った三越では
『レオナール・フジタとエコール・ド・パリ作品展』が
開催されていて、見ることが出来ました
フジタといえば、猫の絵
たくさんの表情豊かな猫の絵と、独特な肖像画は見応えありました
少しですが、シャガール、デュフィ、ヴラマンクの絵も
見ることが出来て、大満足でした