映画鑑賞感想文

濫観っていうか、乱観っていうか・・・ポリシーないですけど(^^;

『PLAN 75』

2023-06-06 10:45:09 | Weblog

2022年 日本&フランス&フィリピン&カタール

監督:早川千絵

出演:倍賞千恵子、磯村勇斗、たかお鷹、河合優実、ステファニー・アリアン、大方斐紗子、串田和美

 

少子化&超高齢化の社会になり若者たちへの負担が増え不満が噴出、凄惨な事件も引き起こされるに至り、政府は「75歳以上が自ら生死を選択できる制度=プラン75」を施行する。78歳一人暮らしの角谷ミチは、ホテルの客室清掃員として働いていたが、高齢を理由に解雇されてしまう。次の仕事は見つからず、アパートからも出なければならなくなりそうになり、ついにプラン75の申請をする。そして、申請した高齢者を精神的にサポートするコールセンターのスタッフの瑶子と知り合い、二人は心を通わせる。また、プラン75の申請窓口で働くヒロムは、ある日、申請に来た高齢者が疎遠だった叔父であることに気付く。近親者なので担当はできないが、その日が来るまで叔父に寄り添おうと考えたがヒロムは、次第に自分の仕事の先に何があるかを考え始める・・・

 

もっとSFっぽい話なのかと思ったら、めちゃくちゃ今の話ですよね。プラン75がないだけで、めちゃくちゃ今の話です。『おらおらでひとりいぐも』も、一人暮らしの高齢者のお話ですが、主人公は金銭的に困窮していないし、別に住んではいても息子も娘も孫もいる。高齢になってからの充実した生き方の模索といった感じのお話でしたが、この映画の場合は、もっと基本的な生物学的に生きるということが苦しい人たちの存在を取り上げてるわけで・・・

 

死の選択は、あっていいと、わたしは思っているのだけど、それは回復不可能な病の場合など、延命することが本人にとって何の救いにもならない場合のことで・・・社会のお荷物になるものを処分しようみたいな制度は論外ですよね。本人が望んでいるというのが免罪符になっているけど、そこまで追い込んでいるわけですから、それは本人の意思とは言えませんからね。けど、それはもう、あらためて議論することでもないでしょ。問題はそこじゃない。少子高齢化が進んでいく中で、プラン75なんて不要であるといえる現実的対策があるのかと、そこなんですよね・・・

 

とまあ、ほんと、考えされられる映画でありました。それにしても、倍賞千恵子さん、お年を召しても、こういう役を演じておられても、芯に一本しっかりしたものが通っている品格みたいなオーラか凄いです。それが、この役の邪魔にはなっていなくて・・・見る者の背筋を伸ばさせる力のようなものにっている気がします。わたしたち、ちゃんと考えなきゃだめだぞって、そういわれている気分になりました。

 

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