映画鑑賞感想文

濫観っていうか、乱観っていうか・・・ポリシーないですけど(^^;

『SPL/狼よ静かに死ね』 ’05 香港

2007-03-30 17:00:54 | Weblog
【スタッフ】
監督 : ウィルソン・イップ
脚本 : ウィルソン・イップ 、セット・カムイェン 、ン・ワイラン
音楽 : チャン・クォンウィン
アクション監督 : ドニー・イェン
【キャスト】
ドニー・イェン 、サモ・ハン 、サイモン・ヤム 、ウー・ジン 、リウ・カイチー 、ダニー・サマー 、ケン・チャン 、ティミー・ハン 、谷垣健治
【ストーリー】
特別重犯罪捜査班のチーフのチャン捜査官(サイモン・ヤム)は、黒社会のボスのポー(サモ・ハン)を有罪にする為の証人を、ポーの放った刺客によって殺害される。その時、唯一生き残った証人の娘を引き取り、我が子として育てつつ、ポーの逮捕に執念を燃やしていた。が、脳に悪性の腫瘍があることが判明、自分に残された時間がないことを知る。彼の部下たちも、そのことを知らされ、なんとかチャンの思いを遂げさせと力を尽くしていた。そんなチャンの後任としてマー捜査官(ドニー・イェン)がやってくる。チャンは、ますます追い詰められ、強引な捜査に手を染める。マーは、そのことに気付き、彼らを諫めようとするが止めきれず、むしろ彼らの違法捜査に巻き込まれていく・・・。

【個人的感想】
いやぁ~ん、めちゃくちゃカッコいいっ!! なんてキャスティングをするんだろう!! 香港映画ファン泣かせ、もちろん嬉し涙を流させるキャスティングだよぉ~(感涙)。どうも、一般の映画ファンの人の感想は、もうちょいシビアーな感じだけど、香港映画は、そんな細かいことを気にしちゃダメなの(爆)。確かに、ちょいとアザトイ部分とか、ちょいとオザナリな部分とか、スタイリッシュを目指してコケテル部分はあるけど、香港映画にしては、そういうのが少ない方だし(大爆)。
けど、ある意味、細かいところにこそ、見所があったよね。だって、サモハン(洪 金寶 サモ・ハン・キンポー)だよ、ドニー(甄子丹 ドニー・イェン)だよ、それに期待の若手のウー・ジン(呉京)だよ・・・アクション関連は、細かい見所だらけだったね。なんでも、今回はワイヤーを使わずに、足のシーンを手で撮ったり(手にズボンや靴下や靴を履かせて、足に見せかけるんだって)、手足や床に粉を仕込んで迫力を出すとか、あえてアナログな手法を使ったらしいんだけど、そういうのも本物のアクションの出来る三人だから、かえって良かったよねぇ~。
おっと、カンフーアクションの話をすると、サイモン君が外れちゃう(爆)。けど、チャン捜査官のサイモン君、あいかわらず素敵(^^)。サモハンさん相手に、迫力負けしないもの。サモハンさんが、どうしても好漢なイメージを引きずる中、サイモン君が映画の世界に狂気を持ち込んでくれてるでしょ。やっぱ違うのよ、彼は(爆)。
最近、ハリウッドが、香港のノアールなストーリーを、やたらリメイクしたがっているけど、それは正しいセンスなのだ。黒社会もので、男たちを描かせたら、香港映画は世界一なんだから!!いろんな問題点があっても、それでも世界一なんだから!! しかも、その色んな問題点をクリアーして作ったハリウッド物を見れば分かると思うけど、一流映画は、きれいに撮れているのに何か物足りない・・・・そう!!作りの拙ささえ、香港ノアールの場合、なくてはならない味になってるんだから!! 不思議だねぇ~。
みんなそれぞれ、背負っているものがあって、だから別の顔ももっていて、でも戦いの場では非情な鬼になる・・・だからこそ、そこに芽生える彼らにしか分からない感情もある
・・・って、この世界は、香港映画じゃなくっちゃダメなんだよぉ!!
最後に、ちょい解説っぽいものを付け足しておきます。原題の『殺破狼』は、七殺星・破軍星・貪狼星、三つの星のことで、それぞれ毀滅、闘争、貪婪の意味があるんだって。これらの星は中国占星術では凶星なんだけど、時に人に素晴らしい未来を与えもするもので、要するに運命を大きく左右する物なんだそうです。で、そんな三つ星に、主役三人を当てはめたということ。SPLは七殺星・破軍星・貪狼星の頭文字をとったものですって。
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