気楽にとり(鳥&撮り)歩き

近場で身近な野鳥たちを観察しながら撮影しています。

波間を漂うウミスズメ

2016年07月22日 | ウミスズメ
先週、冬鳥のウミスズメが真夏の神戸の港に泳いできたと話題を呼んでいました。


ふだんは洋上を泳ぐことの多いウミスズメが、こうして岸の近くまでやってくるのは珍しいようです。


大きな台風の時など、港に避難した珍鳥が観察されるケースもあるそうですが、このウミスズメはどうしたのでしょうか。


最初に見つけた時は、岸から離れた海面を漂うように泳いでいました。

ウミネコの体長は46㎝ほど。ウミスズメは25㎝ほどですが、ウミネコの半分以下の大きさに見えました。
近くの別の港にウミスズメが入っているという情報を知らなければ、存在に気づかなかったと思います。


出港していく漁船の波を上手に乗り越えて泳いでいるウミスズメ。
遠目には海の藻屑のように小さな鳥ですが、泳ぎは達者なのだと実感できました。

別の日に再び港を訪ねると、私のカメラとレンズでも写せるほど岸の近くに泳いできました。
暑さに弱いので両日とも短時間で発見&撮影できたのは幸運でした(^^)


『日本の野鳥650』(平凡社)によると…
ウミスズメ ~チドリ目 ウミスズメ科
北海道天売島、友知島、ハボマイモシリトウで少数が繁殖し、冬は全国の海上で見られる。九州以南では少ない。
雌雄同色。夏羽は頭部から喉が黒く、眼の上から後方に白い飾り羽がある。
上面は灰褐色で、上背は黒く、白色の細い班羽がある。体下面と下雨覆は白い。
嘴は太めで、淡いピンク色。足は青白色。…


いままでウミスズメと縁がなく、野鳥図鑑のウミスズメ科の項目を熱心に読んだことはありませんでしたが、
実際にこの目で近くから観察できたことで、ウミスズメに対する親しみと興味が湧いてきました。

天売島の魅力を発信するウェッブサイト=TEURI Island
では天売島に暮らすウミスズメたちの様子が紹介されています。
http://www.teuri.jp/seabird/umisuzume.html
「天売島では海岸線から数百メートルの沿岸で見られることが多い」そうです。

ウミスズメやウミガラスなど天売島で繁殖する8種類の海鳥の情報も紹介されています。
http://www.teuri.jp/seabird/index.html

さらに天売島は、日本海側の離島を結ぶ野鳥の渡りのコースにあるためこれまでに274種が観察されている野鳥の島とのこと。
渡りの季節に訪れてみたい憧れの島のひとつですね。
http://www.teuri.jp/nature.html

ざっと調べてみましたが、今の時季、神戸の海水温は26℃前後。
天売島のある北海道留萌地方の海水温は18~19℃でした。
どんな理由から冬鳥のウミスズメが夏の盛りに神戸の港に身を寄せたのか、理由は定かではありませんが、
数日間、港で羽を休めたウミスズメたちが、無事に大海原で生き抜いてくれることを願っています。

いつか海面近くを元気に飛翔するウミスズメの姿を見たいものです。


ウミスズメ(海雀)
コメント (7)
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