窓際日記・福島原発

窓際という仕事の雑感

新型インフルエンザ・高齢者の優先接種は本当に必要?

2009-10-17 02:06:20 | Weblog
少し前から気にはなっていたのですが、死亡年齢、まとめてみました。

それぞれの期間は基本的に5つの死亡例を含む区切り。最後のみ8例。

8月15~26日  29日~9月1日  2~10日  15~23日 10月1~15日
   65歳       57歳       75歳     36.6歳    19.6歳

明らかに9月中旬以降は死亡年齢が下がってきています。

当初は、いつものインフルエンザと同様に、高齢者の死亡がそれなりに多いのかとの
予想でしたが、状況は随分と変化してきています。

9月の中頃に検討会をやって、当初の死亡例だけを元に「高齢者の優先接種」を
決めたようですが、どうやら見直す必要がありそうですね。


1週間に発生した患者数と入院者数、重症化などを最新の感染動向週報(第38週)と
9月25日発表の「入院患者報告」を元にまとめました。

                                年齢別     年齢別                               
 年齢      患者数  入院者数  入院率%  入院割合%  重症化予想割合%
 0-4     21330    24    0.113    15.8        11.6
 5-9     69120    55    0.080    36.2        35.3
 10-14  109350    44    0.040    28.9        42.3
 15-19   41850    11    0.026     7.2         3.4
 20-39   17280     2    0.012     1.3         1.0
 40-59    8910     6    0.067     3.9         3.3
 60-      1890    10    0.529     6.6         3.1

 合計     270000   152              100         100

発生した患者のうちどれだけの人が入院になったかを見る「入院率」では、確かに
高齢者の率が0.529%と高いのですが、発生する患者数が少ないため
入院患者全体に占める高齢者患者の割合は6.6%と小さな値になっています。

むしろ入院患者数では、19歳までの若年層でほぼ90%を占めています。

ちなみに、この「若年化集中」の傾向は週を追うごとにだんだん強くなってきています。


入院患者のうち7%程度の方が重症化しているのが現状ですが、
累積の入院患者数と重症化患者数の年齢分布から、年齢別に入院患者の
どれぐらいが重症化するか予想します。

重症化予想割合%がその予想結果です。

高齢者層は入院患者から重症患者に移行する割合が相対的に小さい為
重症化患者の中で占める割合は3.1%にとどまります。


世界でも日本でも重症化したかたのほぼ20%の方がなくなるようですので、
死亡数をへらすには重症患者数を減らすことがとても大切です。

その観点からすると、14歳までの「若年層」に優先的にワクチンを接種するのは
とても必要なことです。


しかしながら高齢者の方は、この分析でも特に優先接種される理由になるほど、
重症化患者全体の中で占める割合は3.1%と、特別高い訳ではありません。

ですから、ワクチン接種の扱いも20歳以上の方と同等の扱いで良いかと思われます。


以上のように、2番目のまとめも最初の「死亡年齢」のまとめも、「高齢者の方の
優先接種は不要。」という結論になるかと思います。

厚生省の発表資料でまとめていますので、厚生省の専門家の先生がたは
当然ながらこの状況は理解しているものと思われますが、どうでしょう?

「高齢者優先接種」をやめますかね?

それとも、一度決めたことは「決定に間違いなし」の「神話」で押し通すのでしょうか?

皆さんはどう思われます?



コメント
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