窓際日記・福島原発

窓際という仕事の雑感

電王戦FINAL・第3局はやねうら王の勝ち

2015-03-29 13:49:34 | Weblog
これで人類軍は2勝1敗です。

COM君、最後のふんばりが効きました。


ところで「やねうら王」の作者のやねさん。

対局開始直前まで本気で「負けたかな」と思っていた様子です。

「電王戦FINALへの道」という動画で「飛車を呼び込まれて仕留められた」という映像の影響ですね。

乱数を使った研究対策をしていない「やねうら王」でしたので、かなりの確率でその筋に呼び込まれる可能性があったのでした。

でも「戦運のつよいやねうら王」ですから、今回も将棋の神さまが味方してくれたようです。

序盤から「研究ではあまり現れなかった力戦形」を引き当てました。


さて対局者の稲葉さん、そこで最初の衝撃を受けます。

それでもめげずに「飛車呼び込み作戦」を敢行しました。

でもこれはタイミングが早すぎましたね。

このミスは「本戦というプレッシャーに稲葉さんが負けた結果」の様であります。

そうして結局は呼び込んだ飛車も仕留めることはできませんでした。


さて事前に公開されていたPVでは「棋士のプライドを捨てなくても勝てそうだ」とのご発言。

「これは勝ったな」と早合点の理事さん御一行、勝利の酒盛りのあとで函館山に登っての夜景見物のご予定でした。

まあでも勝負というものはいつの時代でも「相手をなめた方が負ける」のであります。

そうして今回の対局も結局そうなりましたね。


こうして「人類軍対COM君」という団体戦の決着はつぎの第4局に持ち越されたのでありました。


PS
>対局開始直前まで本気で「負けたかな」と思っていた様子です。

対局直前の朝インタビューでそう語っていますね。
そうして、それを聞いた時は少々驚きでした。

大抵の人は心の中で「負けるかな」と思っていてもインタビューでは「勝ちに行きます」とかなんとか言って「お茶を濁します」ね。

でもやねさんはそうしません。
「どんなお気持ちですか?」と聞かれれば本当に思っている事を口から出します。

そうしてそれが誤解のもとになるのです。
「また負けた時の逃げを作っている」とか「本当は勝ちたいくせに」とかね。

まあでも「世の中は広く」て、そうして「思っている事をそのまま口に出す お・と・な」の存在もどうやら認めなくてはならない様であります。


PS
「やねうら王の1三角」関連記事を2つほど

電王戦 第三局の感想<--リンク

電王戦FINAL第3局観戦記 船江恒平五段<--リンク

やねうら王トラップが一枚上手だった模様です。


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電王戦FINAL・五稜郭の戦いは天王山

2015-03-25 10:58:42 | Weblog
やねさんの「お騒がせインタビュー」を大人にまとめた佐藤映像のPVがようやくリリースされた今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか?<--リンク

それにしてもまさかこんな日がこようとは。

人類軍の2連勝でCOM君追い込まれての、次の「五稜郭の戦い」が天王山です。


第1局、第2局ともにCOM君側にいろいろと問題はありましたが、それにしてもここは「弱点をみごとに突いて勝ちきったプロ棋士側の努力」を称賛すべきでしょうね。

電王戦FINALでは若手の選抜・登用とそれから電王戦経験者をアドバイザーとして対局者に付けています。

前回はコール君、今度のアドバイザーは船江君の様でありますし、心強いものがありますね。

対局者が一人孤独な準備作業を強いられるのではないので、これは精神的に有効な援助だと思われます。

そうしてそれらの事が良い結果をもたらしつつあるように見えますね。


さて、やねさん準備の「おもてなし定跡」、稲葉七段には不評の様であります。

そうしてやねうら王に対しても「尋常ではない強さだが、稲葉流で勝てる」と勝利宣言でありました。

これは単なるブラフではありますまい。

森下リベンジマッチでも条件が良ければプロ棋士の読みはまだ十分にCOM君と戦えることを見せてくれました。<--リンク

加えて電王戦FINALでは、それまで完璧に近いと思われていたCOM君の全幅探索にも割と穴があることが発覚しつつありますし。

ここはよほど気を引き締めてかからないとCOM君側3連敗もありそうです。


やねさん、「勝たせてあげたい」などと油断していると足をすくわれますよ。

ここは塚田九段を見習って「最低限でも引き分け」と行きたいものであります。


PS
事前貸し出しルールは開発者側からは「 お・も・て・な・し ルールあるいは接待強要ルールであって、それは八百長ルールである」として忌み嫌われています。

ちなみにここでいう「八百長」とは「囲碁上手の八百屋の長兵衛さんが商売出入りを許されていた関取の御機嫌を取る為に接待碁をやっていたことに由来する」という原意によっています。

まあでもそうはいうものの皆さん、「電王トーナメント、そうして電王戦に出場する為のコスト」として受け入れているのが現状の様でありますね。


そうそう、それからこのルールを許容できない開発者は始めからこのイベントには参加しない。

だからそういう開発者たちの意見が公になる事もない、、、と言えそうであります。


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電王戦FINAL・第2局は必殺技「角不成」炸裂

2015-03-22 14:44:04 | Weblog
いやまあ驚きました。

最後はオーバーキルで永瀬君の勝ち。

初戦の紳士的な斎藤君とは対称的な戦闘スタイルでしたね。

「軍曹」の異名をお持ちだそうですが、これからは「鬼軍曹」と呼ばれることになります。


その永瀬君、Seleneとの研究対戦中に偶然「角不成ー>10分後投了」のバグを発見してしまいます。

見つけた時はきっと驚いたことでしょうね。

でもさすがは鬼軍曹、すぐに気を取り直して「再現性の確認」をします。

そうして不敵な笑みを浮かべながらその必殺技をふところにしまい込みます。

これで「角があればいつでも勝てる」という訳ですね。


研究対戦では本戦と同じ持ち時間での勝率は1割程度とか。

とはいえ、開戦後数手目で必殺技を炸裂させるのはさすがに気がひけます。

それでは興行としての電王戦が成立しませんからね。

それに棋士のプライドというものもあります。

ですから炸裂させるとしても「時と場所の選択」が重要であります。


さて前回の電王戦ではソフトに致命的なフリーズバグがあって、ひと騒動ありました。<--リンク

その為に「これからはソフト提出後はどのようなバグであっても修正不可」が厳密に守られることになりましたね。

そうして今回は「開発者ではなくプロ棋士」が「致命的なバグ」を見つけてしまったのです。

このような可能性は想定可能でしたが、実際に棋士が発見して、しかもそれを最後に使って勝負を終わらせるとは、、、。

その衝撃は塚田九段の勝負に対する執念を見せた対局に匹敵するものがありました。<--リンク


実際の本戦では開始そうそうSeleneが研究手番から外れていきました。

永瀬君「いやだなあ」と思いながらそれについていきます。

「やねうら王」の評価値では次第にマイナスの値が大きくなりますので、見ている方では「永瀬君、不利か」と思ってしまいますね。

その上それまで有利を保ってきた持ち時間の差もなくなってきました。

でもそこで永瀬君「角不成」での王手をかけます。

この「不成り」は解説者も理解できず「(不成りに)何の意味があるのでしょうね」と怪訝な表情をうかべます。

そうして一人鬼軍曹のみ「これで終了」と確信の表情でありました。


さて、驚いたのは開発者の西海枝さん。

「角不成」での王手を入力したのにSeleneはそれを理解しません。

そうしてSeleneは王手を無視して別の手を「電王手さん」に送りますが、途中で「将棋所」に「合法手ではない」としてブロックされてしまいます。

そしてSelene、最後は永瀬君の読み通りの「投了」でギヴアップでした。


その後で永瀬くん、「角不成王手」で「Seleneが詰みである事」を大盤解説しています。

実際「角不成王手」の後で時間が経つにつれて、それまでマイナスになっていた「やねうら王」の評価値がプラス1000を越えた値に飛び上がっていきます。<--リンク

つまり「角不成王手」をかけられるまで「Seleneもやねうら王もこの詰み筋を読んでいなかった」ということになりますね。

こうして「将棋の内容」でも勝ち、その上で「Seleneを必殺技で破壊する」というオーバーキルまでやって見せたのです。


こうやって「まっこと恐るべきは鬼軍曹、永瀬君」という新たな伝説が誕生したのでありました。


PS
必殺技の件、続報です。<--リンク

PS
本局についてのプロの解説です。<--リンク

PS
永瀬、恐ろしや<--リンク

PS
塚田九段の「勝負に対する執念を見せた対局」の別解説はこちら。<--リンク


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電王戦FINAL・初戦は斎藤君の勝ち。

2015-03-16 11:49:17 | Weblog
21歳とか。

とにかく若い。

でも驚くほどの紳士だ。

トシに似合わない。


まあそれはさておき、そういう斎藤君、きっちりと勝ちました。

そうしてこの戦いは中盤からの急戦になりましたね。

急戦といえば昨年の豊島君を思い出します。

彼は大阪で、斎藤くんは京都で、いずれも先手番の急戦勝利でした。

しかも豊島君は今回、斎藤君と一緒に研究をした模様です。

ふーむ、これにもなにやら不思議な因縁を感じてしまいますね。


さて対戦あいてのApery。

囲いを完成させないで途中から急戦に突入です。

でもこれは多分序盤にリードを奪った斎藤くんの作戦勝ち。

COM君、序盤リードを許した為にその後の読みに狂いが生じた模様です。

そうしてこのことは「水平線効果」とまではいいませんが、現在の評価関数の限界を示している様にもみえますね。

作者の平岡さんは「Aperyの読みを外された」と言いました。

平岡さんいわく「囲いの完成は常に選択肢の中にあった」そうですが結局Aperyは「それを選択しなかった」とのこと。

そうして結局それが今回の将棋の勝敗を分けました。


それで今回の将棋、外から見ている分にはCOM君いいとこなしの将棋でした。

流れたコメントでも、恒例の「COM君すごい」の声が全く聞かれませんでしたものね。

でもそれは斎藤くんが明らかに状況をコントロールした結果であります。

そうして米長さんが言うように「棋士が勝つ将棋はつまらない将棋になる。」の代表例になりました。

そういえばもう一人の対COM君戦勝利者のコール君も確か「急戦に誘い込んでの勝ち」でしたっけ。

こうしてみると勝ちをもぎ取ったパターンにはやっぱり共通点がありますね。


さて、その斎藤くんの事前準備。

序盤重視(30手あたりまで)で500局、終局までで100局程度とか。

そうやって編み出した対応策が20~30あるそうです。

山口さんでさえ5つですから、プロがつぼにはまるとやはりすごいものがあります。<--リンク

そうして、それだけの準備をしないと「(勝つための)つまらない将棋」にはならないのでしょう。

多分一手でも手を緩めれば「面白い将棋」にはなるやもしれませんが、負けてしまうのでしょうね。


次は作者の平岡さん。

会社をやめてCOM君将棋一筋の生活をしていました。

そして、勝利への思いも強いものをお持ちでしたね。

でも、残念ながら負けてしまいました。

それも平岡さんみずから認める様に今回は明らかに実力差で負けましたね。

でも記者会見の最後に「Aperyのソースコードを公開する。」の爆弾発言を投下しました。

ふーむ、「負けてもタダでは起きない」とそういう訳でありますね。

なかなかの策士ですねえ、平岡さんも。


さて評価が割れたのがAperyが最後に見せた「王手ラッシュ」。

そうして「頭金まで勝負を投げない」というCOM君将棋の在り方。

「棋譜汚しだ」というコメントから「電王戦の棋譜はこうしたもの」という意見まで流れていました。<--リンク

ざっとみだいたい半々というところでしょうか?

作者の平岡さんは事前に「(開発者権限での)投了はしません。」と宣言されていたそうです。

ある開発者は「投了」を選択し、あるものは「頭金」を選択する。<--リンク

電王戦とはそういうルールですのでそれでいいと思います。

但しコメントで流れていた「開発者のエゴだ」というのは個人攻撃の様でいやな感じです。


PS
今回、若手を中心に棋士を集めたのは2つの意味で正解ですね。

まずは「勝ちにこだわる」という姿勢です。
対COM戦はやはり人との勝負とはちがいます。

それをきっちり認識するのは若い人の方が有利でしょうね。<--リンク


それからもう一つは「有望な若手の研修」という意味でも効果がありそうです。

なにせそれまでの常識では対応できないCOM君ですから、まじめに向き合えば必ず得るところがあるはずです。<--リンク

そうしてこのことは将棋界全体とすれば「ウエルカムな事だ」と思われますよ、連盟さん。


PS
プロの解説記事、やねさんのブログでみつけました。<-ーリンク

PS
策士(平岡さん)は策におぼれたか?

どうやらそうなってしまった様です。

今回の電王戦ルールもCOM君の貸し出しによる事前研究ありでした。

そうして開発者のみなさんは前回同様に「事前研究対策」をせまられた訳です。


さて、この「事前研究への対策方法」は前回の経験値(知?)があるだけで、まだまだ定説までいたっていません。

そうして「平岡流事前研究対策はあまり有効ではなかった」というのが今回の結論の様であります。

以上詳細はやねブログを参照願います。<--りんく

PS
もう一つのプロ棋士の解説記事です。<--りんく


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電王戦・プエラα名誉回復なる。.

2015-03-15 11:34:23 | Weblog
第二回電王戦の副将・プエラαの作者の伊藤さんの名誉が回復されました。<--リンク

伊藤さんといえば「COM君はすでに名人を越えた」発言で将棋界に衝撃を与えた人でしたね。

そうして、ついには内館記事について連盟を相手に名誉毀損で裁判を起こすことにまでなりました。


今まではプロ棋士の強さを盾に連盟は将棋村に君臨する絶対的な存在でしたね。<--リンク

それがCOM君の登場で「絶対的に強い」という立場が揺らぎ始めました。

これまでは連盟が「良い」と言えば「良いもの」だったし、「悪い」と言えば「悪いもの」だったのですからこれは大変なことなのでした。

そうしてついにはその危機感のあまりにあの「個人攻撃の記事が誕生した」と見るのが妥当でしょう。


さて、連盟はいままでは批判的な事を言われてもその政治力で握りつぶしてこれました。

「将棋の世界で生きて行くなら俺の言うことを聞け」という訳です。

この構図、会社でも世間でもよくあるものですよね。

そうしてヒエラルキーが安定していれば効果的であります。


でも伊藤さんややねさんは別に「将棋村の住人」ではありませんでした。

ですので今まで通用していた「連盟の政治圧力」もききません。

そういう訳でこのお二人は「一般常識に従って連盟に対しても対応できる」のでした。

とうとつにやねさんが出てきましたが、「やねうら騒動」もつまるところ「連盟の常識とプログラマーの常識のぶつかり合い」と見ることもできます。<--リンク

そうして、将棋についてはいままでは全て「連盟の常識」が通ってきましたが時代はもはやそれを許さないかのようであります。


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電王戦・ボナメソの弱点発覚か?

2015-03-13 11:52:43 | Weblog
電王AWAKEに勝てたら100万円!でみごとに100万円をゲットしたのは山口さん。<--リンク

「将棋倶楽部24のレートは3000くらいです。」というのだからもうプロなみ。

以下記事からの引用です。


対局後の山口氏にお話をうかがったところ、今回の作戦は、スマホアプリ「将棋ウォーズ」で対局できるponanzaやツツカナ相手に200回ほど試して見つけた5種類くらいある有力な作戦の内のひとつとのこと

同じ形に誘導できる可能性も高く、そうなればだいたい勝てていたという

おそるべき研究だ。


ponanzaやツツカナ、そうして今回のAWAKEにも通用した、、、ということはボナメソ評価関数が持っている弱点を見つけてしまった、、、ということか。

うーん、山口氏恐るべき!

「COM君ごろし」誕生でありますね。


さて、このCOM君共通の弱点についてはやねさんや山本さんも気がついておられる様です。<--リンク

しかしながら今のところは決定的な対応策はなさそうですね。

さあそういう訳で電王戦Final、棋士さん達が「COM君将棋攻略」をどれだけまじめに研究したかが問われているのでありました。


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