CLASSIC ROCKを聴こう! PLUS

1960年から1980年代のロックを紹介していきます。またPLUSと言うことで、ロック以外の話題も!

LOOK AT YOUR CAR’S BODY!

2015年09月07日 | 特になし
助手:ビー・ジーズのスローなバラードに添えられるファルセットのコーラスは美しく響きますね。

博士:そうじゃのう。同じようにファルセットのコーラスを多用するロック・バンドでは、ユーライア・ヒープなんかも有名じゃのう。ケン・ヘンズレーのキーボードにミック・ボックスの泣きのギターが炸裂、時折高音のボーカルやコーラスが絡むプログレ・ハードロックと言えるのではなかろうか?

助手:ビー・ジーズと違っておどろおどろしいコーラスが曲に不気味さ醸し出していますね。

博士:これがユーライア・ヒープのヒットの方程式じゃよ。 特に1971年に出した3枚目のアルバムLOOK AT YOUR SELFは、全英チャートに初めてランクインされ39位まで上がった。この方程式は、次作のにも採用され更なるヒットを生み出したのじゃよ。日本では、この3枚目のアルバムがデビュー作となり、邦題を”対自核”と名付けたのじゃ。

助手:対自核の意味ってなんですか?

博士:ジャケットに反射ホイルを貼り、鏡を模していることから、素直に、”鏡に映る自身を見てごらんなさい”ということじゃろう。実際、この曲の訳は、“何慌てて走り周っているの? 誰も追いかけてこないよ。恐れることはないよ。振り返って戻って、そして自身を見直して見なさい。”と元気づけるシンプルな内容。

対自とは、哲学用語で、辞書を見ると“存在者が自己自身を対象化する自覚的在り方”となっておる。多分、“自身を客観視し、他の存在と比較できる自覚を持つこと?”。また核とは“中心(重要なもの)”という意味かのう? しかし、二つの意味をを合わせると訳のわからぬことになる。

助手:あの~、このジャケットの鏡に自身を写しても歪んで見えるし、ジャケ裏のメンバーの写真も歪んでいるのですけれど。


博士:鏡に自身を映しても、偽りの姿がそこにあるだけで、 心の中にある鏡に自身を投影し真実の姿を見なさいということじゃないかな?

確かに、カメラを構えた偽りの姿が映っておるわい。

助手:ああー そうなんですか。よかった! 先日博士の車を車庫入れした時、何かに擦れたような気がして、サイド・ミラーを見ると少し傷があったような。あれは、なんかの錯覚で偽りの姿だったんですよね?

博士:なな~ 何と! 

アメリカ盤のジャケット、反射ホイルが貼られていない。これでは偽りの姿どころか何も映らんわい。