CLASSIC ROCKを聴こう! PLUS

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フェイス・バリューって? フィル・コリンズ

2015年09月21日 | BRITISH ROCK
今日レコード棚から取り出したのが、フィル・コリンズの1981年発売のファースト・ソロ、FACE VALUEです。

米アトランチック盤、オンタイムで購入したと思うのだが、買った当時の記憶なし。情けない。

1974年 プログレ・バンドであったGENESISは、THE LAMS LIES DOWN ON THE BROADWAY発売後、ボーカルのピーター・ガブリエルが脱退、そして1976年に出した 2枚のアルバムA TRICK OF THE TAILと WIND & WUTHERINGを出した後に、ギターのスティーブ・ハケットの脱退で3人組となり、折からのパンクやディスコ・ブームなど時代の嗜好の変化もあり、彼らのサウンドにも変化が現れた。

プログレ色を薄めポップ度を高めた、所謂、RADIO FRIENDLY、ラジオでかかり易い楽曲を含むアルバム2枚(1978年の…AND THEN THERE WERE THREE…と1980年のDUKE)を続けて出した。

それをフォローする形でフィルのソロFACE VALUEも出された。

サウンドは、基本的にGENESISのDUKEのラインを引き継いでいるように思える。ただし、バンド・サウンドとの違いを出すためにいろいろ工夫が見受けられる。

例えば、AORサウンドで有名なスティーブン・ビショップやエリック・クラプトンをゲストに加え、マイルドなサウンドに仕上げたり、従来シンセサイザーで出していたサウンドをアース・ウィンド・アンド・ファイヤーのホーン・ユニットによる生のホーン・サウンドに置き変えたり、ドラムのビートも少し抑え気味にするなど色々と試みている。

初めてこれを聴くと地味に感じるかもしれないが、チャート的には英国1位/米国7位と、大ヒットとなる。このアルバムの大成功を足がかりとし、フィルのソロとGENESISでのバンド活動において、このプログレポップ(ネオポップ)路線にさらなる磨きがかかり、80年代を快進撃で駆け抜けることなった。

FACE VALUE とは額面の価値という意味で、マニアの間で高値取引されている記念切手やコインなどの表面に記載されている実質価格のこと。

“見てくれはこんな感じだけど、中身ちょっと聴いてくれる?”という意味のタイトルなのか、FACE VALUEのフェイスに掛けたフィルの顔が、どアップで迫ってくるジャケとなっている。

我々一般人にはとても出来ない芸当である。もし見てくれだけでなく中身も大したことがないと言われるとひどく傷つく。お世辞でも、どちらかを少しは褒めて欲しいのである。

Phil Collins - Tomorrow Never Knows