● prologue
毎年お互いの誕生日を祝い合っている、友人ルナちゃんのバースデーが近づいてきました。
いつも都心のすてきなホテルにご招待してくれる彼女。
前回は、ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町のラグジュアリーフロアでした。
ゴージャスな夢の中にいるかのよう!
都会のホテルをほぼ網羅している彼女を案内するなんて、私にはとてもできません。
ということで、いつも郊外に連れ出すことにしています。
前回はひなびた感じの四万温泉(群馬)で、とてもいいお湯でしたが、外は一面すっぽりと深い雪に覆われており、旅館から一歩も外に出られませんでした。
今回は雪のないところにしようと思い、奥多摩を選びました。
● 電車を3本乗り継いで
出発地点は武蔵小杉。まずはJR南武線で終点立川まで向かいます。
車内は結構混んでいましたが、溝の口、登戸と大きな駅を超えていくごとに次第に空き、途中から座っていきました。
ぽかぽか日和なので、2人で眠って行きます。
終点まで行くので、寝過ごす心配がなくて気楽です。
立川駅に着くと、次はJR青梅線に乗り換えて、終点青梅駅に向かいます。
この辺りから、一気に自然が増えてきます。
青梅(おうめ)駅と青海(あおうみ)駅って、漢字で書くと紛らわしいですよね。
時々Zepp Tokyo(最寄は青海駅)へ行こうとして、青梅駅に来てしまう人がいるんだとか。
かたや都心の海沿い、かたや郊外の山の中。
環境があまりにも違うし、距離も離れているので、間違えた人は真っ蒼になることでしょう。
● 青梅駅レトロ
青梅駅で、次の電車を待ちました。
ホームとホームを結ぶ地下連絡通路の両壁に、昭和を代表するようなレトロな映画看板がかかっていました。
ヘップバーンとか、
鉄道員とか、
快傑黒頭巾とか、
ぽっぽやとか。
洋画と邦画が3点ずつ。どれも有名な作品ばかり。
映画館の上に飾られるものをすぐ側で見ると、かなり大きいものだと実感します。
青梅は映画看板で街おこしをしているんですね。
赤塚不二夫の漫画キャラクターのポスターも貼られていました。
赤塚氏は青梅出身ではありませんが、漫画家になる前は映画の看板を描いていたそうです。
そのため青梅市に協力しており、この町には彼の美術館があるそうです。
ホームには、木造のレトロな待合室がありました。
反対側のホームに、東京行の電車がやってきました。
東京駅から一本で、ここまで来られるのね~。
● 東京アドベンチャーライン
やってきたJR青梅線に乗り込みました。
去年の秋から、青梅~奥多摩間を走るこの線は「東京アドベンチャーライン」という愛称が付けられたそうです。
確かにこの辺りはもう、アドベンチャーゾーンだわ。
乗客は、登山スタイルの人が目立ちます。
みんな奥多摩の山を登りに行くんでしょう。
窓の外には、ダイナミックな山景色が広がっています。
● 鳩ノ巣駅
終点の奥多摩駅からふたつ手前の、鳩ノ巣駅で降りました。
一緒に降りた人たちは、割とふわっとした服装の人ばかり。
登山者ではなく、宿泊者たちだからですね。
おそらくみんな、一緒の宿に泊まるんでしょう。
駅に降りたとたん、ルナちゃんのくしゃみが止まらなくなりました。
「花粉がたくさん飛んでるみたい」
一気に木々に囲まれた自然の中に来たからですね。
● はとのす荘
そこで、とりあえずは落ち着かねばと、まっすぐ宿に向かい、チェックインしました。
駅から数分で着く、至近距離です。
自分の好きな柄と帯の浴衣を選び、館内では浴衣姿で歩き回って大丈夫。
楽ちんです。
今回やってきたのは、はとのす荘。
2015年に開業した時に訪れて、すっかり気に入ったところです。
和洋室の部屋に入り、荷物を置いて、脚を投げ出す私たち。
「わあ、のんびりできるねー」
バルコニーから外を眺めると、目の前には山が、眼下には渓谷が流れる、ワイルドな地形。
この自然しかない環境で、週末を過ごします。
● 渓谷さんぽ
お茶を飲んで落ち着いてから、宿の近くの散策に繰り出しました。
ホテルの横から続く細い一本道をどんどん下っていくと、吊り橋にさしかかります。
橋を渡ると、ダイナミックな鳩ノ巣渓谷が目の前に広がります。
ほかに人はおらず、水の音しか聞こえません。
ここを訪れるのは渓谷をハイキングする人と、宿泊客くらいでしょう。
橋の上から見下ろした渓谷。迫力満点で絶景です。
春や秋には自然が華やかでしょうけれど、冬の寒さの残るこのシーズンは、人が少なくて落ち着きます。
こちらは逆方面。流れは多摩川です。
橋を境に、川の様子もがらりと変わります。
渓谷の上に建っているのが、はとのす荘です。
ゴロゴロと転がる巨岩づたいに水際の方まで行けますが、ルナちゃんは華奢なおしゃれ靴なので、それ以上ワイルドは目指しません。
橋を渡った辺りでUターンして、戻ります。
● 崖の上の水神社
吊り橋から見える白い建物。その右側のこんもりとせり出した崖に向かいます。
山からの湧き水が、あちこちで流れています。
水の豊かな場所です。
緑がうっそうと茂る小山に祀られている水神社をお参りします。
足元の悪い階段を昇り切ったところに、小さな祠があり、お参りしてきました。
祠がある場所は、断崖絶壁。
明かりも柵もない、夜には絶対に来たらダメな場所です。
今しがた渡ってきた吊り橋が見えました。
ギリギリ踏み込んで眺めてみると、すぐ下を渓流が流れていました。
● 静かな駅前
坂を上り、先ほど降りた駅に行きました。
駅には「東京アドベンチャーライン」の上り旗がかかっていました。
旗のそばに、近隣が描かれた木製の地図があります。
閑散とした駅前で営業中なのは、釜めし屋さんくらい。
バス停もありますが、数時間に1本という少なさです。
● 吊り橋巡り
別の道を下って、先ほどとは違う吊り橋を渡りました。
前回来た時にも、この橋の上から見える、小さな人専用の吊り橋が気になっていました。
あそこまで行けないかしら?
そのまま歩いていくと、犬を散歩していたおばさんが「こんにちは」と声をかけてくれました。
「こんにちは。下に見える小さな橋のところまで、行けるものでしょうか?」と尋ねてみました。
「行けるけれど、あそこは私有地なんですよ」とおばさん。
「夏には、キャンプをしに来る人が使っているけれど、普段は誰も通っていないみたい」
「そうなんですか。じゃあ行かないことにします」
公道でないのなら、行っても迷惑になるだけなので、あっさりあきらめます。
渓谷なので、どの道も起伏が大きく、なかなかのアップダウン。
ふんだんに飛び交っているだろう花粉も気になるので、散歩はそのくらいにして、あとはゆっくりしようと宿に戻りました。
その2に続きます。
毎年お互いの誕生日を祝い合っている、友人ルナちゃんのバースデーが近づいてきました。
いつも都心のすてきなホテルにご招待してくれる彼女。
前回は、ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町のラグジュアリーフロアでした。
ゴージャスな夢の中にいるかのよう!
都会のホテルをほぼ網羅している彼女を案内するなんて、私にはとてもできません。
ということで、いつも郊外に連れ出すことにしています。
前回はひなびた感じの四万温泉(群馬)で、とてもいいお湯でしたが、外は一面すっぽりと深い雪に覆われており、旅館から一歩も外に出られませんでした。
今回は雪のないところにしようと思い、奥多摩を選びました。
● 電車を3本乗り継いで
出発地点は武蔵小杉。まずはJR南武線で終点立川まで向かいます。
車内は結構混んでいましたが、溝の口、登戸と大きな駅を超えていくごとに次第に空き、途中から座っていきました。
ぽかぽか日和なので、2人で眠って行きます。
終点まで行くので、寝過ごす心配がなくて気楽です。
立川駅に着くと、次はJR青梅線に乗り換えて、終点青梅駅に向かいます。
この辺りから、一気に自然が増えてきます。
青梅(おうめ)駅と青海(あおうみ)駅って、漢字で書くと紛らわしいですよね。
時々Zepp Tokyo(最寄は青海駅)へ行こうとして、青梅駅に来てしまう人がいるんだとか。
かたや都心の海沿い、かたや郊外の山の中。
環境があまりにも違うし、距離も離れているので、間違えた人は真っ蒼になることでしょう。
● 青梅駅レトロ
青梅駅で、次の電車を待ちました。
ホームとホームを結ぶ地下連絡通路の両壁に、昭和を代表するようなレトロな映画看板がかかっていました。
ヘップバーンとか、
鉄道員とか、
快傑黒頭巾とか、
ぽっぽやとか。
洋画と邦画が3点ずつ。どれも有名な作品ばかり。
映画館の上に飾られるものをすぐ側で見ると、かなり大きいものだと実感します。
青梅は映画看板で街おこしをしているんですね。
赤塚不二夫の漫画キャラクターのポスターも貼られていました。
赤塚氏は青梅出身ではありませんが、漫画家になる前は映画の看板を描いていたそうです。
そのため青梅市に協力しており、この町には彼の美術館があるそうです。
ホームには、木造のレトロな待合室がありました。
反対側のホームに、東京行の電車がやってきました。
東京駅から一本で、ここまで来られるのね~。
● 東京アドベンチャーライン
やってきたJR青梅線に乗り込みました。
去年の秋から、青梅~奥多摩間を走るこの線は「東京アドベンチャーライン」という愛称が付けられたそうです。
確かにこの辺りはもう、アドベンチャーゾーンだわ。
乗客は、登山スタイルの人が目立ちます。
みんな奥多摩の山を登りに行くんでしょう。
窓の外には、ダイナミックな山景色が広がっています。
● 鳩ノ巣駅
終点の奥多摩駅からふたつ手前の、鳩ノ巣駅で降りました。
一緒に降りた人たちは、割とふわっとした服装の人ばかり。
登山者ではなく、宿泊者たちだからですね。
おそらくみんな、一緒の宿に泊まるんでしょう。
駅に降りたとたん、ルナちゃんのくしゃみが止まらなくなりました。
「花粉がたくさん飛んでるみたい」
一気に木々に囲まれた自然の中に来たからですね。
● はとのす荘
そこで、とりあえずは落ち着かねばと、まっすぐ宿に向かい、チェックインしました。
駅から数分で着く、至近距離です。
自分の好きな柄と帯の浴衣を選び、館内では浴衣姿で歩き回って大丈夫。
楽ちんです。
今回やってきたのは、はとのす荘。
2015年に開業した時に訪れて、すっかり気に入ったところです。
和洋室の部屋に入り、荷物を置いて、脚を投げ出す私たち。
「わあ、のんびりできるねー」
バルコニーから外を眺めると、目の前には山が、眼下には渓谷が流れる、ワイルドな地形。
この自然しかない環境で、週末を過ごします。
● 渓谷さんぽ
お茶を飲んで落ち着いてから、宿の近くの散策に繰り出しました。
ホテルの横から続く細い一本道をどんどん下っていくと、吊り橋にさしかかります。
橋を渡ると、ダイナミックな鳩ノ巣渓谷が目の前に広がります。
ほかに人はおらず、水の音しか聞こえません。
ここを訪れるのは渓谷をハイキングする人と、宿泊客くらいでしょう。
橋の上から見下ろした渓谷。迫力満点で絶景です。
春や秋には自然が華やかでしょうけれど、冬の寒さの残るこのシーズンは、人が少なくて落ち着きます。
こちらは逆方面。流れは多摩川です。
橋を境に、川の様子もがらりと変わります。
渓谷の上に建っているのが、はとのす荘です。
ゴロゴロと転がる巨岩づたいに水際の方まで行けますが、ルナちゃんは華奢なおしゃれ靴なので、それ以上ワイルドは目指しません。
橋を渡った辺りでUターンして、戻ります。
● 崖の上の水神社
吊り橋から見える白い建物。その右側のこんもりとせり出した崖に向かいます。
山からの湧き水が、あちこちで流れています。
水の豊かな場所です。
緑がうっそうと茂る小山に祀られている水神社をお参りします。
足元の悪い階段を昇り切ったところに、小さな祠があり、お参りしてきました。
祠がある場所は、断崖絶壁。
明かりも柵もない、夜には絶対に来たらダメな場所です。
今しがた渡ってきた吊り橋が見えました。
ギリギリ踏み込んで眺めてみると、すぐ下を渓流が流れていました。
● 静かな駅前
坂を上り、先ほど降りた駅に行きました。
駅には「東京アドベンチャーライン」の上り旗がかかっていました。
旗のそばに、近隣が描かれた木製の地図があります。
閑散とした駅前で営業中なのは、釜めし屋さんくらい。
バス停もありますが、数時間に1本という少なさです。
● 吊り橋巡り
別の道を下って、先ほどとは違う吊り橋を渡りました。
前回来た時にも、この橋の上から見える、小さな人専用の吊り橋が気になっていました。
あそこまで行けないかしら?
そのまま歩いていくと、犬を散歩していたおばさんが「こんにちは」と声をかけてくれました。
「こんにちは。下に見える小さな橋のところまで、行けるものでしょうか?」と尋ねてみました。
「行けるけれど、あそこは私有地なんですよ」とおばさん。
「夏には、キャンプをしに来る人が使っているけれど、普段は誰も通っていないみたい」
「そうなんですか。じゃあ行かないことにします」
公道でないのなら、行っても迷惑になるだけなので、あっさりあきらめます。
渓谷なので、どの道も起伏が大きく、なかなかのアップダウン。
ふんだんに飛び交っているだろう花粉も気になるので、散歩はそのくらいにして、あとはゆっくりしようと宿に戻りました。
その2に続きます。
ここも東京なんですね。
景色が東京じゃないですもんね。
JRを3本乗り継いだら
大阪じゃどこまで行っちゃうんだろう?
近畿を離れるだろうな。
あ! 鹿児島まで行ってしまう!!
溝の口! 去年使った駅名だ! 懐かしい。
次回の東京行は今からどこへ行こうか
計画中です。
なのでとっても参考になります、
野毛。
そうか、去年は南武線に乗られたんですよね。私は明日、アネッティさんが過ごされた二子玉川に行ってきます~♬
なんと、3本乗り継いだら大阪から鹿児島に行けちゃうんですか!
なんてダイナミックな移動😲❣