その1からの続きです。
● だんかずら
鶴岡八幡宮の参道、若宮大路には、段葛(だんかずら)という歩行者用の遊歩道があります。
その長さ、465メートル。
ここの桜の古木は圧巻でしたが、改修工事を経て、全て若木に変わってしまいました。
(しばらく桜は見られないのかな)と思っていましたが、なかなかどうして、きれいに咲いています。
まっすぐ伸びる参道は、桜の通り道になっていました。
途中で道をそれて、細道に入ります。
紅白両方の花が咲く梅、思いのままに。
● 大仏茶房
訪れたのは、大仏茶房。
前に訪れた時には、門は閉まっていました。
休日の午後しか開いていないようです。
大仏といっても、長谷の大仏ではありません。
作家、大仏次郎(おさらぎじろう)が1929年(昭和4)から晩年まで住んでいた、大正8年建立の邸宅です。
つまり「おさらぎさろう」と読みます。
表札の野尻さんというのは、彼の本名です。
玄関は開いていますが、しーんとしています。
「ごめんください」と声をかけると、奥から女性が出てきて、「どうぞおあがり下さい」と言ってくれました。
「では...」と、個人のお宅にお邪魔するような感じで、靴を脱いであがります。
畳敷きの和室に通してもらいました。
お客さんはほかに誰もいません。
今はなかなか見る機会もなくなったような、大正・昭和初期の和室です。
古さはありますが、丁寧に使い込まれています。
水回りは少しリノベーションされていますが、今風に快適にしすぎず、当初の姿を大切にしています。
文豪カフェというには重厚すぎる場所。
大仏先生のお宅にあがらせていただいた、という感覚です。
メニューはドリンクのみで、お菓子がついて一律1500円という、ややお高め設定。
その代わり空いており、激混みの鎌倉の喧騒が嘘のように、ここには静かな時間が流れています。
母は深煎り珈琲コーヒー、私は抹茶と悩んで、お店の人のお勧めもあり、生葡萄果汁にしました。
添えられたのは、ホワイトチョコをコーティングした、CQL特製の檸檬ケーキ。
和菓子の時は、美鈴のものになるようです。
● お屋敷の庭
御座敷からは庭が一望できます。
「よければ庭に出てみてください」と言ってもらい、外に出てみました。
先にお会計を済ませると、女性は奥に姿を消し、部屋には私達のみに。
いろいろな植物があり、季節を通じて花が咲く庭になっています。
割と大きな庭なので、桜の木も枝を伸ばしています。
季節には、お茶会も開かれることでしょう。
石楠花(シャクナゲ)も咲いていました。
庭から眺めた大仏邸宅。平屋の古民家です。
横浜にある大仏次郎記念館は、レンガ造りの素敵な洋館ですが、正反対のようなこのお屋敷もまた味があってすてき。
貸し切り状態で、いつまで滞在しても構わないというスタイル。
鎌倉の中心エリアで、ゆったりと落ち着いた時間を満喫しました。
● 宝戒寺
女性にひと声をかけて、茶房をあとにします。
細道を抜けて、次に行ったのは宝戒寺。
桜がきれいでした。
● えびす灯篭
ふたたび段蔓に戻って歩きます。
ふと、ひとつの灯篭に、漫画家の蛭子さんご夫妻の名前が刻まれていることに気がつきました。
なんでも、奥様が寄進されたのだそう。
ギャンブル好きの旦那様と神社仏閣好きの奥様。巡り巡って、まさにお金は天下のまわりものですね。
段蔓の端から端まで歩きました。
二の鳥居から、八幡宮の方を眺めます。
まっすぐですが遠すぎて、その先にあるお宮まではよく見えませんでした。
● 本覚寺
そのまま若宮大路を進み、本覚寺へ。
ここの桜もきれいです。
手水舎は、倶利伽羅龍。
それを力士が支えている、かっこいいデザインです。
以前も撮ったことがありますが、ついついまた撮っちゃいます。
手水舎の裏側に周って、パチリ。
「表とはちょっと違うのねえ。狛犬がいないわ」と母。
興味津々で力士像を覗き込んでいました。血は争えません。
● しあわせ地蔵
丸くて小さなフォルムを発見。
近寄ってみます。
境内の一角に、ぽつんと立っています。
そこだけ、暖かい感じ。
子どものようなお地蔵さんです。
赤い帽子とおべべをつけて、かわいらしいですね。
「しあわせ地蔵」と書いてありました。
とても小さな像ですが、春の花に囲まれて、人々に大切にされていることがよくわかります。
たしかに、見ているだけでほっこりとした幸せな気持ちになります。
また会いに来ようっと。
● 影ななめ
お次は妙本寺へ。
お寺の前に、お坊さんの言葉がかかっていました。
「体曲がれば、影ななめなり」
・・・ええ、まあ、そうですが、深い、のかな?
(きっとそうね)
"体が曲がれば影も曲がるように、教えという本体が曲がれば人々も曲がった方向に導かれていく"ということだそうです。
この写真自体も、斜めになっています。
撮影した私の身体が曲がっているせいでしょう。
妙本寺前の洋館では白いお花が咲いてあり、赤いリボンがかかっていました。
外国のガーデンのよう。
● 石段の根性スミレ
本覚寺に戻ると、入口の石段からスミレが花を咲かせていました。
立ち止まって、親子でその美しさに見とれます。
「これ、お寺が植えたものじゃないわよね?」
「勝手に生えたものじゃない?」
「取っていってもいいかしら? これもお寺のものかしら?」
「花が咲かなくなったら、雑草として抜かれちゃいそうね」
石の間から花を咲かせて、どっこい生きている根性スミレ。
家に持ち帰って植えたかったのですが、抜くのはやっぱり気が引けて、その場を後にしました。
鎌倉はいつ来ても人で大賑わい。京都と変わらない混雑ぶりです。
それでも、旬の桜がとてもきれいでした。
2日目に続きます。
● だんかずら
鶴岡八幡宮の参道、若宮大路には、段葛(だんかずら)という歩行者用の遊歩道があります。
その長さ、465メートル。
ここの桜の古木は圧巻でしたが、改修工事を経て、全て若木に変わってしまいました。
(しばらく桜は見られないのかな)と思っていましたが、なかなかどうして、きれいに咲いています。
まっすぐ伸びる参道は、桜の通り道になっていました。
途中で道をそれて、細道に入ります。
紅白両方の花が咲く梅、思いのままに。
● 大仏茶房
訪れたのは、大仏茶房。
前に訪れた時には、門は閉まっていました。
休日の午後しか開いていないようです。
大仏といっても、長谷の大仏ではありません。
作家、大仏次郎(おさらぎじろう)が1929年(昭和4)から晩年まで住んでいた、大正8年建立の邸宅です。
つまり「おさらぎさろう」と読みます。
表札の野尻さんというのは、彼の本名です。
玄関は開いていますが、しーんとしています。
「ごめんください」と声をかけると、奥から女性が出てきて、「どうぞおあがり下さい」と言ってくれました。
「では...」と、個人のお宅にお邪魔するような感じで、靴を脱いであがります。
畳敷きの和室に通してもらいました。
お客さんはほかに誰もいません。
今はなかなか見る機会もなくなったような、大正・昭和初期の和室です。
古さはありますが、丁寧に使い込まれています。
水回りは少しリノベーションされていますが、今風に快適にしすぎず、当初の姿を大切にしています。
文豪カフェというには重厚すぎる場所。
大仏先生のお宅にあがらせていただいた、という感覚です。
メニューはドリンクのみで、お菓子がついて一律1500円という、ややお高め設定。
その代わり空いており、激混みの鎌倉の喧騒が嘘のように、ここには静かな時間が流れています。
母は深煎り珈琲コーヒー、私は抹茶と悩んで、お店の人のお勧めもあり、生葡萄果汁にしました。
添えられたのは、ホワイトチョコをコーティングした、CQL特製の檸檬ケーキ。
和菓子の時は、美鈴のものになるようです。
● お屋敷の庭
御座敷からは庭が一望できます。
「よければ庭に出てみてください」と言ってもらい、外に出てみました。
先にお会計を済ませると、女性は奥に姿を消し、部屋には私達のみに。
いろいろな植物があり、季節を通じて花が咲く庭になっています。
割と大きな庭なので、桜の木も枝を伸ばしています。
季節には、お茶会も開かれることでしょう。
石楠花(シャクナゲ)も咲いていました。
庭から眺めた大仏邸宅。平屋の古民家です。
横浜にある大仏次郎記念館は、レンガ造りの素敵な洋館ですが、正反対のようなこのお屋敷もまた味があってすてき。
貸し切り状態で、いつまで滞在しても構わないというスタイル。
鎌倉の中心エリアで、ゆったりと落ち着いた時間を満喫しました。
● 宝戒寺
女性にひと声をかけて、茶房をあとにします。
細道を抜けて、次に行ったのは宝戒寺。
桜がきれいでした。
● えびす灯篭
ふたたび段蔓に戻って歩きます。
ふと、ひとつの灯篭に、漫画家の蛭子さんご夫妻の名前が刻まれていることに気がつきました。
なんでも、奥様が寄進されたのだそう。
ギャンブル好きの旦那様と神社仏閣好きの奥様。巡り巡って、まさにお金は天下のまわりものですね。
段蔓の端から端まで歩きました。
二の鳥居から、八幡宮の方を眺めます。
まっすぐですが遠すぎて、その先にあるお宮まではよく見えませんでした。
● 本覚寺
そのまま若宮大路を進み、本覚寺へ。
ここの桜もきれいです。
手水舎は、倶利伽羅龍。
それを力士が支えている、かっこいいデザインです。
以前も撮ったことがありますが、ついついまた撮っちゃいます。
手水舎の裏側に周って、パチリ。
「表とはちょっと違うのねえ。狛犬がいないわ」と母。
興味津々で力士像を覗き込んでいました。血は争えません。
● しあわせ地蔵
丸くて小さなフォルムを発見。
近寄ってみます。
境内の一角に、ぽつんと立っています。
そこだけ、暖かい感じ。
子どものようなお地蔵さんです。
赤い帽子とおべべをつけて、かわいらしいですね。
「しあわせ地蔵」と書いてありました。
とても小さな像ですが、春の花に囲まれて、人々に大切にされていることがよくわかります。
たしかに、見ているだけでほっこりとした幸せな気持ちになります。
また会いに来ようっと。
● 影ななめ
お次は妙本寺へ。
お寺の前に、お坊さんの言葉がかかっていました。
「体曲がれば、影ななめなり」
・・・ええ、まあ、そうですが、深い、のかな?
(きっとそうね)
"体が曲がれば影も曲がるように、教えという本体が曲がれば人々も曲がった方向に導かれていく"ということだそうです。
この写真自体も、斜めになっています。
撮影した私の身体が曲がっているせいでしょう。
妙本寺前の洋館では白いお花が咲いてあり、赤いリボンがかかっていました。
外国のガーデンのよう。
● 石段の根性スミレ
本覚寺に戻ると、入口の石段からスミレが花を咲かせていました。
立ち止まって、親子でその美しさに見とれます。
「これ、お寺が植えたものじゃないわよね?」
「勝手に生えたものじゃない?」
「取っていってもいいかしら? これもお寺のものかしら?」
「花が咲かなくなったら、雑草として抜かれちゃいそうね」
石の間から花を咲かせて、どっこい生きている根性スミレ。
家に持ち帰って植えたかったのですが、抜くのはやっぱり気が引けて、その場を後にしました。
鎌倉はいつ来ても人で大賑わい。京都と変わらない混雑ぶりです。
それでも、旬の桜がとてもきれいでした。
2日目に続きます。