風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

平原の国ポーランドへ 1-(1) 羽田

2018-10-04 | travel


● prologue

ベルギーの親しい友人、イゾルダとダニエル親子。
二人がベルギーに住んでいた頃には遊びに行って、彼らの家に滞在しました。
ポーランドがルーツの彼らは両方の国籍を持っており、今イゾルダはベルギー、ダニエルはポーランドで暮らしています。
前々から二人に、「次はぜひポーランドに来て」と言われていました。
おととし、バルト三国を旅したことを私のSNSから知った彼らに「隣のリトアニアまで来たのに、ポーランドに来ないなんて、信じられない!!!」とかなりブーブー言われました(笑)。

去年、スウェーデンのリョコちゃんに会いに行った時には、またへそを曲げられないよう、事前に報告済み。
「次はポーランドだよね?」と言われて、ハハハとごまかします。

すると今年、リョコちゃんがポーランドでの学会に出席することになり、一緒に行かないかと誘われました。
会場となるソポトは、ダニエルが住むグディニャの隣町。
なんて偶然なんでしょう。ここまで条件が揃ったら、行きますー!

● 10days Holiday

昨年、ウプサラに滞在したのは実質4日間で、あっという間に過ぎ去ってしまいました。
行きも帰りも同じCAさんで、私のことを覚えており、「もう帰るの?たった4日間の休暇?」と同情されました。
空港に向かう電車で話をしたアフリカからの移民家族にも「お休み短いのね」と哀れみの目を向けられて、胸にこたえました。
それで今回は長めのステイ。連休を利用しての10日休暇です。
その分、休みに入るまでがてんてこまいでしたが。

今回のフライトは、お手ごろ価格に引かれて中国国際航空にしました。
前に乗った時には、特に変な印象は受けませんでしたが、そういえば政府がインターネットを監視しており、グーグルやSNSが使えない国でしたね…。
いつも使っている身にはキツイわー。
北京空港滞在時間は往復とも3~4時間だし、真夜中だから、その間我慢すればいいかな、と思っていましたが。。。

● 帰国日の約束

アメリカ在住の友人サオリから、里帰りの連絡が入り「会おうよ」という話になりました。
でも旅程は、なんと私とほぼ一緒。
私が帰国した翌日に彼女が渡米するため、会えるタイミングは私の帰国日の午後のみ。
昼過ぎに到着予定なので、予定通りならうまく会えるはずですが、万が一帰りのフライトの予定が大きくずれこんだりしたら、大変。
それがわかるのは北京だろうから、そこでなんとか彼女に連絡を付けたいところです。

中国在住経験のある友人曰く、ヤフーメールはつながるそうですが、政府の気まぐれ(?)で使えない時もあったりするらしく、なんとも悩ましいものです。
アウトルックメールも使えるようですが、ホットメールがなくなってから使っていないので、これはパス。
中国、恐るべし。あんな大勢の国民たちにネット規制をしているなんて。

あやふやな待ち合わせで、サオリに申し訳ないですが、学生時代に彼女とヨーロッパフリー旅行をしたことがあります。
お互いの大学の夏期休暇が2週間ずれたため、先に私がヨーロッパに行き、一人旅をしてから、サオリと待ち合わせしました。
彼女はその時、泣く子も黙る(失礼な!)バングラデシュ航空で来ることに。
ヨーロッパ便が週に数本のみだったため、大幅な遅延を考えて、2、3日籠城する覚悟で食料をたくさんリュックに詰めて、私はパリのシャルル・ドゴール空港へ向かったのでした。

その話をしたら、サオリも思い出したようです。
「そうだったね~。今度は私の番だね」
ほかの友達なら、こうはいかないでしょう。

● キャリーケース

今回、新しくキャリーケースを新調しました。
特大サイズと機内持ち込みサイズしか持っておらず、これまで機内持ち込み用ばかり使ってきましたが、海外旅行にはさすがに容量が小さすぎます。
日本ではTシャツでも北ヨーロッパではダウンコートが必要な初秋は、荷物に詰めていかなくてはなりません。
前回のスウェーデンの時にも、余分なスペースがほとんどなくて、これじゃだめだと思いました。

検討の結果、ビクトリノックスのT字ハンドルの赤いソフトケースにしました。
わかりやすくてよさそう。
ホイールがカラカラと快調な音を立てます。収納力と引いた感触の気持ちよさで決めました。

● 海外用変換プラグ

海外渡航にあたって必要なのは、電源変換プラグ。
5タイプセットのものを持っていますが、ヨーロッパ用のCプラグが行方不明。
去年スウェーデンから帰ってから、どこにしまったっけ?
BタイプとCタイプが似ているので、Bでもいいかなと思いましたが、その後Cを見つけて並べてみたら、微妙に太さが違いました。



左がB、右がCタイプです。ほんとに微妙…。

● プランニング

さしあたり、着いてからリョコちゃんとソポトで会うまでの2日間はフリータイム。
どこに行こうと考えます。
ダニエルの友人のダミアンにも、いろいろ情報を教えてもらいました。
まだプラハに行ったことがないし、行けるかな。
でも国境越えは結構大変そうです。電車よりバスの方がよいとのことですが、16時間くらい平気でかかります。
結局、交通の便を考えて、国内を回ることにしました。
チェコにはいつか改めて行きたいな。

ワルシャワからクラクフにバスで行き、それからグダンスクに飛行機で飛び、ソポトに行く旅程を立てました。
宿も予約し、バスと飛行機の予約も取って、ひと安心。

それをダニエルに話したら、「ポーランド語ができないとその旅程はきついかも。
ワルシャワまで車で行くから、ウッチとトルン経由でソポトに向かったら?バスや宿はキャンセルして」と言われました。

飛行機はLCCだからキャンセル不可、バスは手数料を抜いた分はバウチャーになりました。
つまり結局、どちらもまるっと戻ってきません。
すごくありがたいけど、旅程を決める前に言ってくれたらぁァァ~。(心の声)

でも初めてのポーランドは勝手がわかりませんし、ポーランド語も全く判読不能。
現地の友と一緒にいられれば、とても心強いです。

● 早朝の約束

ワルシャワには朝の6時半に到着しますが、ダニエルはその時間に空港まで迎えに来てくれるとのこと。
彼の住んでいる町から結構かかると思うけれど、いったいどうするんでしょう?
対面の時にはたくさんおしゃべりしますが、メッセージは短い彼なので、詳細はわからないまま。
まあ会ってから聞けばいいかな。

早朝から来てくれるというのが、申し訳なくもありがたいです。
彼にも、フライトの到着時間が大幅に遅れる場合、何とか連絡を付けたいところ。
じゃないと早起きしてもらっても無駄になってしまいます。
それもこれも、運次第、なりゆき次第。さて、うまくいくかしら。

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● 土砂降りの出発

フライト当日、外はかなりの土砂降りでした。
神様、私はそんなに日頃の行いが悪いのでしょうか。
雨の中、キャリーをガラガラ引いていきます。
それだけで気持ちが沈みますが、リョコちゃんから「そういうときこそ気持ちを上げていこう」とフォローメッセージをもらいます。

最寄り駅から横浜に行き、あとはリムジンバスに乗るばかりと安心していましたが、「雨で道路が渋滞して、30分で着くところが1時間かかっています」と言われます。

そこで電車で行くことにしました。電車も少し遅れていましたが、リムジンバスよりは大した差ではありません。
雨で予定が狂いましたが、なんとか無事に空港に着きました。

● チェックイン

国際線ターミナルの一番奥にあるエアチャイナのカウンターへ。
事前チェックインを済ませていましたが、バウチャー発券段階で表示が固まってしまってしまいました。
カウンターでそう話すと「ちゃんと予約取れていますよ」とのこと。
ただ、予約した席ではなかったので、席指定は完全になかったことになっていました。

羽田空港は、いつにないほど空いていました。平日の夜だから?
エアチャイナのカウンターも、覚悟していたほどは並びませんでした。

● ややこし

エア・チャイナとチャイナ・エアがあるんですね。
エア・チャイナは中国国際航空で、チャイナ・エアは台湾の会社で中国名は中華航空。
漢字にしても紛らわしいわ。
検索すると、どちらの名前もピックアップされるため、探しているうちに、台湾の方を読んでいたりします。

ネットチェックインのために、何度もwebサイトを開けましたが、焦ってアクセスしているときにはごっちゃになってしまいます。
ややこしや~。

● 自動化出国審査

出国審査のところで、うっかりセルフチェックコーナーに入りました。
え、こんな風になったの?どうやるの?

マシンの前で固まって説明を凝視していると、そばのブースに座っている出国審査官が「登録はお済みですか?」と声をかけてくれました。
事前登録済みの人が通れるゲートだそう。
その人のところに行き、パスポートを見せながら「知りませんでした。今度登録します」と言うと「今すぐに申請できますよ」と言われます。

ちょうどほかに人もいないし(出国審査もその人しかいない)、数分ですぐにできるとのことで、書類を作成。
両手の人差し指の指紋を登録し、パスポートに紐づけてもらいました。
でも指紋って変わるんじゃなかったっけ?あれ、それは手相だっけ?
手相と指紋って、そもそもは同じなんじゃないの?
いろいろ考えてぐるぐるしていると「このパスポートが切れるまで使えます」と言われました。
私のパスポートは来年失効。あら、すぐに終わっちゃうのね。



登録が済み、再び先ほどの自動化マシンのところへ行きます。
指を置くと、今度はゲートが開き、審査官にお礼を言って通過。
出国スタンプがほしい人は、係員に申請すればよいとのことで、これまた押してもらいました。
こうやってオート化されていくのね。

● ボーディング

カウンター同様、エアチャイナの搭乗ゲートも空港の一番奥にあります。
羽田を使い慣れている同僚いわく、普通は出発ゲートは3階ですが、エアチャイナだけなぜか2階にあるとのこと。なぜかしら?

行ってみると、確かに3階から一階分下がります。
下はその分広いスペースになっていました。
使う人が多いからかもしれません。

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● 羽田→北京便

乗るフライトもそんなに混んでおらず、中に入っても空席がちらほらありました。
窓際の席ですが、夜なので外は暗くなっていました。
窓をのぞくといよいよ大雨。風も強く、横殴りの雨になっています。
空港のランプはきれいでしたが、雨にかすんでいました。



離陸の時、目を閉じていたら、一瞬眠ったらしく、はっと気づいたら、飛行機はもう安定して雲の上、闇の中でした。
重力がかかる上昇時にはすでに寝ていたようです。

● 機内にて

飛行機の座席では充電ができません。北京のネット不通以前に、充電が保たないのではないかという新たな不安が頭をもたげます。
空港で充電できますように。
置いてある新聞は、中国語のものばかり。中国色が濃いわー。
映画も音楽も中国のものがほとんどで、ハリウッドものはあまりありません。

飛行機に入ると、もうそこからその国なんだと思い出しました。
エアインディアがスパイシーな香りに包まれていたように。

北京滞在の不安が大きすぎて、リラックスするために、チャイコフスキー特集のCDばかりリフレインして聴いていきました。
ようやく心が落ち着きます。

● 隣席の人

隣の席はおばあさん。SONYのDVDプレイヤーを持ち込んで見ています。
ずっとDVDに夢中だったので、会話は交わしませんでしたが、ドリンクサービスでは、いつも私と同じものを身振りで頼んでいました。
飛行機に乗り慣れてる感。

● Teaは紅茶にあらず

北京までは3時間半のフライト。そんなに長くありません。
雲の上では雨は降っておらず、半月が煌々と輝いて見えました。



機内食では魚をチョイス。特に悪くありません。日本発のフライトで日本の食材だからかも。
紅茶のつもりでホットティーを頼んだら、薄めの色のものが出てきて、薄い紅茶だなと思って飲んだら、ジャスミンティーでした。
さすがは中国。ティーは紅茶というワールドスタンダードを軽くスルーしていました。

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● 北京空港トランジット

うとうと眠っていたら、北京に到着。
「外国人」の列に並んで私の番になると「黄色い紙は?」と言われます。
「持っていない」と言うと、書くように言われ、おかしいと思って係員に尋ねたら、そこは出国審査のゲートでした。あちゃ。
サインをよく見ておらず、前の欧米人についていっていたんですね。
トランスファーの場所を聞いて、新たに並び直しました。

セキュリティチェックを抜けて北京空港内に入ります。
空港の中なのに蒸し暑く、上着を脱ぎました。



(わあ、中国の宮殿風のあずまやがある)とそばに寄ってみたら…
パンダがかわいくなかった!中国最大の売りなのに、どうしてー?
そこに、トランジットの人々が、どでーんと寝ていました!
なんだか悲しくなって、早々にその場を離れました…。



飲料水のコーナーに行列ができていたので、私も飲んでみました。
日本では冷水だけなのに、温水と熱湯も出るようになっています。
さすがはお茶の国中国。身体を飲み物で冷やすのは御法度なんだっけ。



● 不安①:中国のネット規制

中国の空港でwi-fiに接続するには、空港内に設置された機械にパスポートを通してアクセス番号をもらう手順を取りますが、その機械は故障中。
ターミナル内をぐるりと一周しましたが、ほかに見つかりません。



困ってインフォメーションに聞こうと思いましたが、真夜中なので無人です。
そばにいた電動カートのおじさんに聞いてみると、おじさん、自分のiPhoneを動かして、アクセス番号を教えてくれました。

でもそれはおじさんの番号なんじゃない・・・?
人数制限があるのか、やっぱりつながらないので、あきらめました。
何がネットにつながって何がだめなのかを調べようと思ったのに、ネット自体が使えなかったわけです。



● 不安②:充電場所

次に、充電場所を探します。
ところどころにブースがありますが、どこも人が使っているため、どんどん遠くに行き、一番奥にあいているところを見つけました。

そこで充電していると、ワイワイにぎやかにおしゃべりしながら、小学校に入る前くらいの中国の子供たちが4、5人やってきました。
みんな手に手にタブレットを持っており、やっぱり充電をしたい様子。
あいているところにつなげて、その場に逗留します。タブレットから歌をじゃんじゃん鳴らして、歌ったりしています。
もう真夜中過ぎなのに、みんなおしゃべり。
私が半分寝ているそばでがんがんしゃべり続けています。

この子たちには英語は通じなさそう。
「Shut up!」とか言ったら、モンスターペアレンツが出てきて国際問題になるのかしら。
絵を描けばわかるかな。でも絵心ないから伝わらなさそう。
もうなんでもいいから、寝かせて~。
こんな小さい子たちが連れ立って、みんなどこに行くんだろうと思いながら、目を閉じています。

● 不安③:時差

うとうとしながら充電をして、そろそろ搭乗時間かなという頃にはっと気がつきました。
そういえば日本と北京では、時差が1時間あったんだっけ。
私のタブレットは日本時間のまま。
もしかして、もしかしたら、時間の勘違いで、すでにワルシャワ便は飛んで行ってしまったのでは・・・?

ここに取り残されるのはイヤー!と真っ青になり、遠くの充電場所から転がるように搭乗ゲートに向かうと、搭乗開始はあと1時間半後でした。
時差が逆じゃなくて、命拾い。ああよかった・・・。

真夜中で寝ぼけていると、こういうこともうっかりミスしそうで危ないです。
それからは搭乗ゲート前で過ごしました。
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● 北京→ワルシャワ便

ワルシャワ便に乗り込みます。ほかに日本人は乗っていないようです。
隣は中国人のおじさんですが、英語が分かる人で、手荷物を上に乗せてくれました。
さっきの歌ってしゃべって騒がしかった子供たちも、同じ飛行機に乗っていました。
しかも総勢20人くらいで。遠足にしては遠いと思うけど~?
席は子供たちと離れており、静かで問題ありません。それに子供たちは、大人に囲まれてとてもおとなしくなっていました。



離陸後、お湯が配られます。水じゃないんですね。
CAさんに中国語で話しかけられるたびに「英語でよろしゅう」とお願いします。
中国人の英語は発音が多少独特で、CAさんの英語もなかなかわかりにくいですが、どうやらお湯じゃなくて冷水がいいか、と聞いていると気がつきました。
お湯を配っているときにはお茶サービスはないとのこと。中国なのに。

機内はかなり寒く、隣のおじさんはくしゃみが止まらず、私も何となく眠れません。
上着を取り出して体を温めたら、すんなり寝つけました。

● 機内映画

機体は北京便よりも新しくなりましたが、映画のラインアップはやっぱりよろしくありません。
ほとんど中国語のものばかり。日本語映画はアクションでは「いぬやしき」のみでした。
映画館で見逃した「レディ・プレイヤー1」がなくて残念。

サオリが前に帰国した時に、勧めてくれていた「ファンタスティック・ビースト」を観ました。
主人公(エディ・レッドメイン)は、俳優の福士蒼汰にどこか似ている気がします。
最後まで観ないうちに、飛行機は着陸姿勢となりました。サオリに会ったら、終わりがどうなったのか聞こうっと。

とても悲壮な気持ちでエアチャイナに乗り込みましたが、行きは特に問題ありませんでした。
北京空港でネットが使えなかっただけ。
(エアチャイナは、中国のJALと思えばいいのかも)と思いついたら、スーッと気楽になりました。(本当?)


 
その2に続きます。



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