1.京王電鉄の成立と展開-一日乗車券の新発売
京王電鉄は1905年に日本電気鉄道の名で発足し、
1910年に京王電気軌道と改称した鉄道会社が礎となる。
この会社は現在の京王線となる路線を軌道法により、敷設していった。
1913年4月15日には笹塚-調布間が開業、
その後順次延伸され1916年10月31日には府中までの延伸が完了する。
1922年には玉南電気鉄道が設立、1925年3月24日に府中から東八王子までを開業させた。
京王電気軌道は1926年12月1日にこの玉南電気鉄道を合併し、
軌間1,067mmの鉄道法で開業された区間を1,372mmに改軌して軌道法を適用させて直通させた。
一方で井の頭線の礎となったのは1927年7月28日、渋谷急行電気鉄道の名で設立された帝都電鉄である。
その後、1928年に東京山手電気鉄道の名で設立され、東京郊外鉄道に改称された会社と合併し、
東京郊外鉄道渋谷線として渋谷から吉祥寺までの工事が開始、
1933年1月19日には東京郊外鉄道は帝都電鉄と改称された。
1934年4月1日には全通したが、
1940年5月1日には同資本系列にあった小田原急行鉄道と合併、小田急電鉄となる。
戦時中の陸上交通調整法により小田急電鉄は京浜電気鉄道とともに東京横浜電鉄と合併し、
1942年5月1日、東京急行電鉄となり、1944年5月31日には京王電気軌道も合併した。
戦後、東京急行電鉄は京王帝都電鉄、小田急電鉄、京浜急行電鉄が分離されることとなった。
分離に際して東京急行電鉄系列下であった箱根登山鉄道を小田急が渇望し、
その傘下に入れる代償として井の頭線を分離し、
経営基盤が脆弱であった京王に組み入れることとなった。
そのため、井の頭線の旧経営会社である帝都電鉄の名を復活させ、京王帝都電鉄とした。
1998年7月1日、会社設立50周年を機に京王電鉄に社名変更した。
路線は京王線系統と井の頭線系統に分かれ、
軌間1,372mmの京王線系統は新宿から京王八王子までの本線、
笹塚から新線新宿まで行き、その先都営新宿線直通する京王線別線の京王新線、
支線は調布から橋本までの22.6kmの相模原線、
東府中から府中競馬正門前までの0.9kmの競馬場線、
高幡不動から多摩動物公園までの2.0kmの動物園線、
北野から高尾山口までの8.6kmの高尾線がある。
軌間1,067mmの井の頭線系統は渋谷から吉祥寺までの12.7kmのみである。
京王電鉄はいろいろな用事や他線の取材のためのショートカットなどで乗っているが、
今までフリー切符が存在しておらず、なかなか乗り潰しが実現できなかった。
ところが2016年4月1日から「京王線・井の頭線一日乗車券」が発売になった。
価格は大人900円でその名の通り、京王線系統と井の頭線が全線乗り放題になる。
7月の三連休のなか日、17日日曜日にこの切符を使って乗り潰しに行った。
京王線系統の未乗車区間は京王線の下高井戸から高幡不動までと京王新線、
それと支線である相模原線、競馬場線、高尾線、
井の頭線は下北沢から神泉までの区間である。
京王れーるランドに行くために動物園線は乗りつぶしているが、
それ以外の区間の完全乗車に挑戦することにした。