8.伊予はまだ18だから…静態保存機を訪ねて
宿泊したホテルサンルート松山の朝食はオプションで、
和洋ブッフェで1,050円だったが、ネットで申し込みの特典として無料になった。
チキンナゲット、ベーコン、スクランブルエッグ、厚揚げ、梅干し、
トマトサラダ、スパゲティサラダ、パイン、玉子焼き、フルーツヨーグルト、味噌汁など。
和洋取り混ぜて好きなものだけ選んだので、目茶苦茶なチョイスである。
部屋に戻って歯を磨いてからチェックアウトする。
まずは改札で5回(人)に「松山駅8.21 JR四国」と検印して貰い、
08:42松山始発のキハ32に乗り込んで内子を目指す。
今日の予定は予讃線を高松まで行き、ここから帰りのサンライズに乗るわけだが、
昨日、松山まで来てしまったために予定より時間が出来、
そこで高松とは逆方向の内子まで行くことにした。
ここには静態保存されたC12型蒸気機関車が駅前にあり、それを取材するためだ。
伊予大洲まで行くことも計画していたが、
結局駅取材している暇がないために第2案の内子で下車する方を選んだ。
1時間8分の旅で内子に到着し、上り列車の来る46分間をたっぷり取材に当てる。
内子駅の駅前で保存されているのはC12型231号機である。
雨ざらしの割には保存状態も良く、よく手入れがされている。
行政や市民の蒸気機関車への愛着が感じられる。
ここで10:36に到着し、すれ違いのために20分停車する上り列車に乗り込む。
帰りはすれ違いの時間などが少ないため、52分で松山に到着する。
ここからは第1案通り、直ぐに観音寺行きに飛び乗る。
7000形が2両で充当されていたが、前方の車両だけが旅客扱いで、
後方の列車は回送列車である。
木次線のキハ120形でも見られたが、
列車運用の関係で回送列車を牽引しながらの旅客営業である。
7000形には便所設備がなく、伊予北条の10分の停車時間で、
運転手に申し出てトイレに行かせて貰う。
14:31に伊予西条に到着し、ここで下車する。
ここでは四国鉄道文化館を取材する予定であるが、
その前にまだ昼食を喰っていなかったため、
駅舎に併設されている「ゆう庵」でかき揚げうどん480円喰う。
当然のことながら、讃岐うどんが出てきた。
おなかも満たされたため、ここからいよいよ“鉄道歴史パーク in SAIJO”の取材である。
“鉄道歴史パーク in SAIJO”は十河信二記念館、四国鉄道文化館、観光交流センターからなる。
十河信二氏は第4代国鉄総裁で、新幹線の生みの親といわれている。
新幹線計画は戦前の“弾丸列車”として計画されたものだが、
その実現性から戦時中に頓挫し、誰もが忘れかけていたもので、
十河信二氏が色々な困難を乗り越えてこれを実現した。
東京駅東海道新幹線のホームの先端には十河信二氏のプレートが設置されているが、
十河信二氏の出身地ということでここに記念館がある。
四国鉄道文化館は四国内の唯一の実車展示の鉄道テーマパークで、
0系新幹線とDF50型ディーゼル機関車の1号機が展示されている。
実車が2両とは少ないかも知れないが、DF50型はそれでも見に行く価値はある。
また鉄道テーマパークでは珍しく、土禁である。
入口でスリッパに履き替え、見学をする形になっている。
このことからも車両を大事にしていることが分かる。
またここはDF50型ディーゼル機関車は予讃線とも線路が繋がっており、
自走できればそのまま走り出すことも可能な状態になっている。
何とも夢のある話だ。
また愛媛県フリーゲージトレイン導入促進期成同盟会が、
フリーゲージトレインの予讃線早期導入を目指してというパンフレットを配っており、
フリーゲージトレインの仕組みを解説する展示も置かれている。
確かにJR九州では九州新幹線鹿児島ルートが全通し、
またJR北海道でも来年に全通する東北新幹線に連絡する北海道新幹線の工事が始まっており、
これが完成すれば新青森から函館までの直通が可能となる。
こうなるとJR旅客6社で新幹線を所有していないのはJR四国だけとなる。
ただでさえ面積が一番狭く、電化区間も予讃線高松-伊予市間と土讃線多度津-琴平間、
それに本四連絡線だけで、複線となると本四連絡線と高松-多度津間だけである。
JR四国が今後発展していくためには新幹線アクセスに期待を寄せるのも当然だろう。
ただ、実際の導入となると在来線との棲み分けのためにも複線化が必要となってくるし、
海岸線急カーブの多い予讃線では思うようなスピードが出せない。
線形の改造や本四連絡線や岡山市内の複々線かなども必要になってくる。
また、岡山駅では新幹線と在来線との渡り線と軌間変換区間の設置が必要となり、
それをJR西日本が全額負担でやるとも思えない。
当然のことながら国費の大規模な予算計上が必要な話で、
車両の実用化が可能になってもまだまだ実現に向けては難題が山積している。
15:32伊予西条始発の7000形で観音寺まで出て、
ここで54分の乗り換え時間の間に駅取材し、
113系改造の快速「サンポート南風リレー号」で多度津まで行く。
多度津到着は18:01で光量的には若干厳しかったが、
それでも無理してここで駅取材する。
駅前には四国鉄道発祥の地のモニュメントがあり、
また駅近くには蒸気機関車8620型58685号機が展示されている。
これは以前列車の窓から目撃したことがあり、何時かは来たいと思っていたのだ。
本来はここから琴平方面に行って時間を潰すつもりだったが、
さすがに自然光で撮影するには限界を超えており、このまま高松まで行くことにした。