8月13日水曜日に2回目の入院から退院して中5日。
8月19日火曜日にはスケジュール通り、3回目の入院が始まった。
もうすでに3回目ともなると入院手続きも手慣れてくる。
東4階クラークで受け付けと体重測定、病室に移動して着替え。
そのあと院内コンビニへ行って必要なものをそろえる。
入院初日からリツキサンの点滴が始まるのも既に知っているので、
点滴前の入浴を希望する。
この病棟は月曜日から土曜日まで、1:00p.m.~4:00p.m.と4:00p.m.~8:00p.m.で区切り、
月、水、金が男性が1:00p.m.~4:00p.m.となり女性は4:00p.m.~8:00p.m.、
火、木、土はその逆でひとりの浴室を交代で使うことになっている。
自分でホワイトボードに名前を書き、順番で入っていく。
しかし点滴や検査の都合などで決められた時間帯に入れない場合、
看護師に要請すると午前中に特別枠で入浴させて貰えるのである。
抗癌剤の点滴をやったあとの入浴で体調に変化が出ると行けないということで、
“化療前入浴”というのが認められるのである。
リツキサンの点滴はまず最初に副作用止めとして、
ポララミン、ソタコールの入った生食50mlを点滴し、
そのあとリツキサン710mgの入った生食500mlを点滴していくのだ。
副作用が発現しないかどうか慎重に見極めるため、
最初は100ml/hから200ml/h、300ml/h、400ml/hと30分ずつやり、
その都度、検温と血圧、酸素量を測定し、
問題がないと確認できた時点で400ml/hで最後までやる。
点滴が終わったあと、病棟主治医から今後の治療計画について説明を受ける。
今回は前回、前々回と同じコースで抗癌剤治療を行うが、
そのあと好中球を増やす薬を今までの6倍ぐらいの量を投与し、
白血球を増やしてそのあと9月3日くらいを目処に末梢血幹細胞の採取をするとのこと。
10月始めくらいから再入院して大量化学療法を行うとのこと。
この時に白血球や血小板の量が極端に下がってしまうため、自己血輸血をするとのこと。
採取された末梢血幹細胞この時のために冷凍保存される。
20日水曜日からは抗癌剤治療が始まる。
CHASER療法で4つの抗癌剤を3種類ずつ3日間に分けて点滴する。
しかも膀胱炎の副作用を軽減させるために尿量を増やす必要があり、
維持液の点滴を72時間連続で行わなければならない。
就寝中も点滴回路に繋がれているというのはやはり辛い。
今回は2日目に院内にある歯口科を受診、
さらに22日金曜日には歯口科の先生が突然病室にやってきて、
今後の抗癌剤治療で白血球や血小板が下がった時のために、
口腔ケアのやり方を変えると云ってきた。
○歯ブラシは指定されたものをうこと。
○歯科専用の口腔洗浄含嗽剤を使うとのこと。
○口腔洗浄含嗽剤を食後と就寝前に1日4回すること。
○それ以外に水うがいは起床時、朝食と昼食の間、昼食と夕食の間の1日3回行うこと。
○歯磨き粉は使わないこと。
早速指定されたハブラシを院内のコンビニにって購入し、翌日から指示通りにする。
指定された歯ブラシはバトラー♯03Sという、
日本で・・・そしてたぶん世界でいちばんヘッドが小さく、やわらかい歯ブラシとのこと。
そして、そのレア度からその分価格も高い。
22日金曜日の午後に抗癌剤が終わり、翌日の昼前には72時間の維持液も終わった。
ここで漸く点滴針が抜かれ、自由の身となった。
今回の入院では途中に1回、入浴のタイミングで針を刺し換えたけれど、
それ以外は特に問題はなかった。
点滴生活にも馴れてくるんだな・・・。
今回もパソコンを持ち込み、自由時間に楽しんだ。
ホームページの更新準備作業のほかに「JR私鉄全線乗りつぶし地図帳」を事前に購入し、
拙作「旅の徒然に」の「鉄道取材旅行記」から乗車区間をラインマーカーしていった。
乗り潰し用の鉄道地図は何冊が検討し、実際にも購入したが使い勝手が良くなく、
最終的にJTBパブリッシングのこれを使うことにした。
因みにJR在来線は赤、私鉄は緑、新幹線は青に分けて塗っていった。
自分では日本全国ほとんど行き尽くしているつもりになっていたけれど、
意外と未乗車区間が多いことに気付く。
基本的に乗り潰しは考えておらず、
定年停職後の楽しみに取っておけばいいくらいに考えていたけれど、
若い時ほど体力的にハードに動けなくなってから、
この乗り潰しはかなり厳しいと思う。
それも地図帳を塗りつぶして視覚的に確認して初めて分かったことだった。
たぶん、入院をして時間を持て余していなければ、
ここまで熱心に塗りつぶしはしていないと思うし、
これはこれで入院のいい副産物だと思う。
今回もしゃっくりが止まらなくなってしまい、
漢方薬で芍薬甘草湯を処方して貰う。
これがよく効き、8月21日木曜日から25日月曜日まで就寝前に服用する。
今回はマグラックスのほかにピコスルファートナトリウムという、
水に溶かして使うタイプの下剤も処方される。
8月26日火曜日午前中に歯口科の先生が往診に来てくれたが、
左頬にカンジダを疑う部位があるということで、
検査用キットの綿棒で幹部を採取、イトリゾール内用液という飲み薬を処方される。
シロップ状の薬品で、1日1回夕食前に20mLという中途半端な用法用量だった。
そしてこれは甘く味付けされているものの、根本的に不味い代物だった。
病棟主治医からは金曜日に採血をして、
問題がなかったらリツキサンを点滴し、
そのあと好中球を上げる薬を打って、末梢血幹細胞の採取をするとのこと。
8月27日水曜日頃からどうも体調が上がらず、
夕食は2~3割残してしまうようになる。
8月28日木曜日午後になって調子の悪さはますます悪化し、
熱も37.9度まで上がったため、
病棟主治医からの指示で抗生物質セフォピムの点滴をする。
点滴が終わったあと点滴回路を外し、そこをガーゼで来るんでネット帯で固定する。
また点滴針が刺さったままの生活が始まってしまった。
末梢血幹細胞の採取のため、両腕の太い血管を残す「正中採血禁止」となったため、
採血が手首や手の甲などかなり痛いところからするようになった。
8月29日金曜日に研修医から体中に発疹が出ていることを指摘される。
自分では全く気が付かなかった。
病棟主治医によると抗生物質による薬疹が疑われるとのことで、
抗生物質を今までのセフォピム「サンド」からメロペンに、
正確に云うとメロペン点滴用キット0.5g 500mg生理食塩液100mL付に変更した。
血液検査の結果、白血球は0.1まで下がっており、
30日土曜日から前回までとは違う好中球を上げる薬剤を1日2回注射することになる。
これは前回よりも容量が多く、その分皮下注時の痛みも長い。
とほほ・・・。
前回から好中球の下がりすぎている時期から「感染予防食」という扱いになり、
8月31日の夕食はメニューは、
夏野菜カレー、薬味、盛り合わせサラダ、アプリコットジュースとなっていたが、
名札のところに「薬味×」と書かれており、
前回の時にあった福神漬けと辣韮がなかった。
辣韮は嫌いなので、結果的にはラッキーだったけれど・・・。
金曜日、土曜日、日曜日と好中球を上げる薬を午前、午後と1日2回皮下注して、
翌9月1日月曜日、朝一番で採血する。
その結果が出る前に病棟主治医から「今日リツキサンをやりましょう」と云われる。
検査結果が出てから再び病棟主治医が来て結果について説明する。
ヘモグロビンが6.6まで下がっているので、これは輸血する、
血小板は4.7まで戻っているものの、好中球が0.0と全く上がっていない。
そこで血小板の輸血も念のためにやりましょうとのこと。
リツキサンもやるので、今日は盛りだくさんだな・・・。
そこで午前中にリツキサン、午後から血小板、ヘモグロビンの輸血となる。
その間にも抗生物質の注射、好中球を上げる皮下注がある。
しかも食事中に寝間着の左袖口と左大腿部が濡れていたので、
看護師に頼んでいったん点滴回路を外して貰い、その間に着替える。
しかし再び左袖口が濡れていて、点滴が漏れているのではないかということになる。
そこでリツキサンはいったん中断し、針を刺し直すことになり、
研修医に右腕に刺し直して貰い、リツキサンの点滴を再開となった。
またこれやっている途中に歯口科の先生が来て、
血小板の値が1.5と2.0を切っているために歯磨きは中止して下さいとのこと。
歯科医の先生から「歯磨きをするな!」と云われたのは人生初だな。
ブラッシングによる口腔内の傷が新たな日和見感染の危険性に繋がるというの場その理由。
その分うがいを良くして下さいと云われたが、うがいで歯磨きの代用は難しい。
9月2日火曜日、朝一番で採血し、その結果を病棟主治医が研修医と共に伝えに来る。
結果としてはあまり芳しくなく、ヘモグロビンは多少上がっているものの、
輸血分が通常の減少分に取られて思うような量になっていないとのこと。
結果として今日もう一回ヘモグロビンの輸血が必要となってしまった。
血小板に関してはまだ少ないが、これ以上の輸血は必要ないとのこと。
またリンパ球の上昇が気になるとのこと。
ウイルス感染が疑われるので、これは別の血液検査を行うとのこと。
好中球も上昇が見られるが、今日一日好中球を上げるノイトロジンの注射を継続するとのこと。
このあと歯口科の先生が来て、好中球が5.4まで上がっているので歯磨きは再開とのこと。
またイトリゾール内用液に関しては今回処方した分が終わればそれで終了とのこと。
この日の午後になってヘモグロビンの輸血が始まる。
昨日もそうだったが、ヘモグロビンの輸血をすると腕に痒みが出てしまうので、
いったん中断して痒みを止める薬剤を点滴することになった。
これは夕方までかかり、最後に生理食塩水を流して終わりになる。
この先点滴のオーダーが入っていないとのことで、点滴針を抜く。
再び点滴針の刺さっていない自由がやってきた。
9月3日水曜日、朝一番に採血をしてその結果が10:00a.m.前くらいに出る。
結果として今回は末梢血幹細胞はやらないとのこと。
白血球、好中球に関しては問題はないが、
Aty-Ly、異形リンパ腫が少なくなってきているとはいえまだ20あり、
たぶんウイルスが体内に入ってそれと戦っているための結果だろうとこと。
このまま末梢血幹細胞の採取をするのは危険なので、
今回の入院では行わず、来月第2週くらいに再入院し、
違った形の抗癌剤治療と並行して末梢血幹細胞の採取をするか、
或いはそのまま好中球を上げる薬のみを打ってやるか、
それはまたそれまでに方針を決定しておくとのこと。
9月18日木曜日に造影CT検査を行い、そのあと主治医の外来を診察、
その時にその先についての指示があるとのこと。
本日午後緊急退院することとなった。
治療計画を完遂した上での退院ではない、
予定がうまくいかずの退院で自分自身のシックリいってはいないが、
こればかりは仕方がない。
そして一回の外来を挟んで、予定にはなかった4回目の入院がまた10月から始まる。