ほぼ日刊、土と炎、猫と煙突

白く燃え尽きた灰の奥深く、ダイアモンドは横たわる。

☆☆☆

2004年12月18日 00時49分04秒 | 古い日記
フランスには、自動車のタイヤで有名な
(その他、ホテルの☆付けや、キャラクターでも名高いが)
「ミッシェラン」という企業がある。

知名度とその規模に於いては劣るが、
同じゴム繋がりで、避妊用具などで有名な「オカモト」
という会社も、ご存知の方は多いだろう。

その二社の合同事業で、「ミッシェランオカモト」という
企業が近所に出来たのが、事の発端だった。
その社員寮が俺の家のすぐ隣に出来た。

さらに、この街は「英語教育特区」となったせいで、
英語教師として、アメリカ人も何人か渡ってきた。

「何かあった時、連絡が一本化できるよう、
 外人は一箇所に集めろ」
と市は思ったのか?うちの町内は、外国人がとても多くなった。

まあ、それは本題と関係ない話なので、ここまでにする。

ミッシェランは多国籍の社員から成っており、
俺の家の隣の寮(といっても独身寮ではなく、結構立派な建物だ)
には韓国人の一家もいる。

その家のご主人は「英語完璧、日本語ダメ」だったが、
奥さんの方は少し日本語が話せた。

どれくらい日本語を勉強したのですか?

と聞いたら、「韓国にいた時、三ヶ月です」
と答えたので、正直愕然とした。

在日3年のアメリカ人とほぼ同じレベルの日本語だったからだ。

日本人なら、日常会話程度の韓国語を習得するのに1年必要、
と聞いた事がある。欧米の人に比べると、かなり早いらしい。

逆に言えば、
「日本人は英語などの欧米言語をマスターするのには不利」
と言う事だろう。

さらに逆に言えば、
「欧州系言語を習得するのに、倍以上時間がかかっても、仕方が無い」
とも言える。

また、話は変わるが、「日本人で海外生活が長かった人」
と話でいると、妙な事に気付く。例えばこんな感じだ。

「エーと、日本語で、何でしたっけ?あれ。
 子供で羽がはえていて、空飛ぶの。エンジェルの...」
「天使ですか?」
「それだ!それ。天使だ。教会の屋根に天使の絵があって...」

いや、エンジェルくらいは日本語になっているよ、と思ったが、
本人はえらく真剣に考え込んでいたのが印象的だった。

猫と杓子

2004年12月17日 00時54分07秒 | 古い日記
「灰とダイアモンド」は、
別に知らなくても困らないが、ポーランド映画(’58)の題名だ。

(ちなみに『土と炎』は某陶磁器材料メーカーの総合カタログの名前だ)

内容(ストーリー)を簡単に説明する。

第二次大戦後、ポーランドは国家が2派に分裂する。

1:ソ連の後押しを受けた左派
2:旧ポーランド軍の流れをくむ右派

表向きの戦争は終結したにも関わらず、ポーランド国内では、
やれ、暗殺だの、テロだの、と殺し合いは続く。

この辺は、今のイラク情勢と似ているかもしれない。

主人公マチェクの属する右派系グループも、そうしたテロリスト集団だが、
間違って関係ない人を殺したり、「意義が良くわからない闘争」を続けていた。

結局、マチェクも、打たれ、最後は「ゴミ捨て場」のような所で、
命を失った。(THE END)

こう説明すると、身も蓋も無いな。当時は主人公の役者は、
「共産圏のジェームスディーン」などと、言われたそうだけど。

とにかく「不毛」としか言い様が無い争いの中で、
若者が命を落とす、そんな映画だ。

「戦争が終わったなら、さっさと仕事でも探せ!」
と思うのは、日本の戦後処理が、ほとんどGHQによって
行われたからだろうか?

朝鮮半島や東欧諸国は東西陣営の狭間で混乱を極めたらしい。

「白く燃え尽きた灰の奥深く、ダイアモンドは横たわる」
この墓標に刻まれた台詞は、
「暗黒の闇に差し込むかすかな希望」を暗示する。

「ダイアも灰も元素としては、炭素なんですよ。」
と言う物理学的な事を言っているわけではないだろう。

いや、実際にはダイヤは燃えてしまうし、
「ほんの気休めでしかない」という暗示かもしれない。

写真の場所は、当社の「不良品タイルの墓場」だ。
(実験したり、試作したりも含めて)
これだけの産業廃棄物を出して、
「一体何をどれだけ作ったのか?
 世の中にどれだけ役立ったのか?」
考えると虚しいものがある。

まるで俺の人生だ。何十年も生きていて、
「ゴミのような日々」を重ねてきたように思う。

そのゴミが、白い灰になっても、
その奥に「ダイアモンド」が横たわっているとは、
とても思えないけれど。

そんな気持ちを込めて、この写真を撮った。
(死体のモデルは俺じゃない)

某バンドの自費出版CDのジャケに使われたが、
アルバムタイトルが「フレンドリーソウル」
だったので、違和感だけが残った。

幻の料理?

2004年12月15日 23時05分52秒 | 古い日記
今日はイ○モリ・ストアで買ったシュウマイが夕飯のオカズだった。

ウスターソースをかけて食べた。

...なんて書くと、
「オメーの貧乏臭せー食生活なんぞ、誰も興味はねーんだよ!」
と、自分でツッコみの一つも入れたくなる。

---------以下、本文---------

えーと。いつだったかな?

テレビでこんな番組があった。

いや、番組の中の一つのコーナーに過ぎなかったな。

まず、手紙が紹介される。

「前略。私が子供の頃、屋台のラーメン屋さんでシュウマイを
 売っていました。母が私にお皿と100円を持たせて
 買いに行くと、屋台のオジサンが...(中略)...
 貧しかったけど、楽しかった、今でも懐かしい思い出です。
 ...(中略)...
 是非、もう一度、あのシュウマイを食べてみたいです。」

要するに、視聴者が昔、食した「幻の料理」を再現する、
という趣旨のようだった。

俺にしてみれば、「あー、あれの事か」とピンとくるものが
あったが、番組は予想外の方向に進んでいった。

「さて、弱りましたね。サッパリ検討がつきません」
中華料理の専門家たちが、首を捻った。

「『大きさは崎陽軒のシュウマイの4倍くらいで、形は丸っこく、
 半透明で、プルプルしている。肉は入っていなくて、
 タマネギのみじん切りが入っている』
 こんなシュウマイは見たことも聞いた事もないですよ。」

そうなのか?
あの「屋台のシュウマイ」って全国区じゃなかったのか?
と、俺も(別の意味で)首を捻っていた。

番組が進む内に、全容が見えてきた。
やはり、手紙を書いた視聴者の方は北関東の出身だった。

しかも、例のシュウマイはその北関東でも、極一部だけで、
製造されていたらしく、それを発明した人まで紹介されていた。

番組内で再現したシュウマイは、まさしく俺が「あれか?」
と思った物そのもの。別名、片栗粉で作った、「何ちゃってシュウマイ」だ。

俺の所では、屋台だけではなく、いたる所で売っていた。

(肉屋とか)

あれがシュウマイだ、と思っていた俺は、生まれて初めて
「崎陽軒のシュウマイ」を食べた時、その美味さと小ささに驚いた。

例えるなら...。

普通の日本の栗しか知らない奴が、
「天津甘栗」を食べた時の感動にも似ていた。

シュウマイは醤油のようなタレと黄色い辛子を付けて食べる
のが、普通だという事も、初めて知った。

さて、話は冒頭に書いた、イケモリストアのシュウマイに戻る。
見た目的には昔懐かしい、「何ちゃってシュウマイ」だった。

昔通り、ウスターソースをかけて食べたが、肉は入っていた。

全く昔通りではないのが好感が持てた。

が、これ(何ちゃってシュウマイ)を知らない世代が増えるにつれ、
消え行く味だ、とも思った。

懐かしいだけで、美味いモンでもないし。

言い訳

2004年12月14日 22時43分01秒 | 古い日記
えーと。

カルピスの絵柄をチャーミングと言ってくれた方がいるので、
それを記念して、この絵柄について語ろう。

実はこのカルピスの絵柄は「人種差別」の問題を
含んでいるそうで(?)今は使われていないそうだ。

(これがダメならエスキモー氷菓の商標も
 もダメだと思うけどなあ。)

このデザインの歴史を紐解いてみると、
(以下、記憶で言うので、多少の間違いはあると思う)
大正時代に、「一般から公募した絵」であるそうだ。

一回、その元絵を見た記憶があるが、
子供が描いたような絵だったと思う。

ホーロー製の「昔の本物の看板」を見た事がある人は、
俺と同意見だと思うが、当時の物は「手描き」
だったと俺は推測している。

何故なら、第一に線が擦れていたり、色ムラがあったりで、
シルクスクリーンか何かで印刷したようには見えない。

また、色や文字にバリエーションがありすぎて、
「どれが正調なんだよ?」とツッコミの一つも入れたくなる。

俺が参考にした現物写真(インターネットで拾った)では、
「滋強飲料」と書いてあるが、「滋養強壮」ならともかく、
滋強と言う日本語は無い。(少なくとも、俺の辞書には載ってない)

よって、これらは、各地の販売店などが促販の為、
ホーロー看板の製作会社に依頼して、
作らせた物では?と思う次第である。

この画像も、実は俺のオリジナルだ。
「水玉入り」の看板は見た事が無いが、入れてみた。

デザイン的にホンモノ凌駕した、と自負している。
(他の人はどう言うか知らんがのう)

こんな事やっていて、もし、本家のカルピスから
苦情が来たらどうするか?

ちゃんと考えてある。

「これはカルピスでは無い。カノレピス(かのれぴす)です。
 ノとレが半角なんです。」

通用するとは思えないけどね。

そして僕は途方に暮れる

2004年12月13日 23時10分16秒 | 古い日記
あれは、2001年だったから、獅子座流星群の時だ。
11月だったと思う。
一緒に働いていた仲間(と言うか同僚)の多くは、
10月中には退職してしまった。

残った俺は、☆に願ったものだ。
「この流星と同じくらい、仕事が来ますように」と。

あれから丸3年か?

結局、仕事は星の数程は無かったし、その「営業的責任」を取って、
また一人が今年の10月に、辞めてしまった。

今やっている仕事は、元々あった仕事じゃない。
俺達が立ち上げた仕事だ。

夢破れて辞めていった人達の為にも、
なんとか陽の目を見たい。

俺が「辞める」と言えばそれで終わるだろうが、
それも言い出せない。

辞めていった人達は、
とうにこの会社の事など忘れてしまっただろうか?

もう、皆、「どうでもいい」と思っているんだろうか?

もし、仮にこの先大ブレイクしたとしたら、
それはそれで面白くないのだろうか?

今年も双子座流星群に祈ろうと、さっき星空を見たが、
流星はサッパリ見えなかった。

実を言えば、2001年の獅子座流星群の時も、見えなかった。
見えたふりをして、願っただけだった。

ついでに言えば、その後、
「阪神淡路大震災復興記念 Since 2001年」
というタイルを作った記憶があるな。

新潟の地震(正式名称知らず)の事を思うと、
何か因縁めいたものを感じる。
3年後にも同じような事を感じるのだろうか?

PSP2

2004年12月12日 22時45分09秒 | 古い日記
PSP2って何だ?
プレイステーションポータブル(その2)と言う事らしい。
12月12日はその発売日で、ネット上では「一瞬で完売」
してしまったようだ。

知り合いの「転売屋」は、ネットオークションに出している。
大体、35000円くらいで落札されていた。

仕入値は26500円くらいだから、一台につき、
1万弱(送料差し引くともっと下)の利益は出している事になる。

「すぐに欲しい。予約したり、並ぶ手間を考えれば、
 1万円くらいは余計に出してもいい。」って
人がそれだけいるんだろう。

金はあるが、忙しくて、遊ぶ時間は無いって人は
結構いるもんだ。

そういう人は、御付の人に、
「1万円、駄賃上げるから、買ってこい」って言えば
済む話のような気がするけど。

そう言えば、またシクラメンの季節だ。

俺の叔父に、その栽培農家がいるけれど、
毎年、俺の家を中継して、親戚、知人、友人に
10鉢位は、売られていく。

東京のデパートで買えば、17000円はしそうな立派なヤツが、
半値以下で買えるのだから人気は高い。

一人、六本木に自宅がある、お金持ちな方がいて、
その人は、毎年、茨城県の叔父の家まで、
直接買いに行くらしい。

もちろん、本人は来ない。来るのは
メルセデスベンツに乗った「使いの者」だ。

「『使いの者』は、今年は中々取りに来ないねえ。」
「何かあったのかしら?」

叔父夫婦は、時折、こんな会話をしていた。

「何故、『使いの者』と呼ぶのか?失礼ではないか?」
と、俺が余計な口を挟むと、
「だって、本名を絶対に言わないから」
との事だった。

その道のプロというのは、すべからく、大変なものだ。

カステラの思い出

2004年12月12日 00時38分00秒 | 古い日記
最近は、日本にいても、色々な国の人と出会ったりする。
あえて国名は出さないが、今回もそんな話だ。

「ゴハンタベタカ?」

その国の人は、出会う時間帯によっては、
そんな事を訊く習慣がある事は知っていた。
別に「食事をしたか?していないか?」
を本当に訊きたい訳じゃない。只の挨拶だ。(と思う)

日本風に言えば、
「どちらにお出かけ?」
「ちょっとそこまで。」
というような感じだろう。

しかし、その時は何故か違っていた。
その挨拶の後に、
「何を食べたか?」
と言われた。

俺は(状況が把握できず)少し考え込んだが
「カステラ」
と普通に正直に答えた。

「ハぁ???」
今度は向こうが考え込む番だった。

まあ、カステラなんて言葉、知らなくて当然だが、
何かこう、とんでもなく驚いたような言い方だった。

「日本人、カステラ、食べるか?」

「食べるよ。」

「ホントカ?アリエナイヨ!」

「なあ、カステラって知ってるのか?」

「シッテルヨ!アリエナイヨ!」

思い出した。
pao de Castella(ポルトガル語)、またはCastella brot(オランダ語)の略
がカステラ、カスティリヤ王国のパンという意味だが、
それは日本だけの話。

彼の国では「カステラ=スペイン人やポルトガル人」
を指すのだろう。

実際、その昔、西洋人の中には、
「食べられてしまった人」もいると聞いた。

でも、その時は話がそれで終わってしまった。
今でも誤解しているかも知れない。

相田みつを氏

2004年12月10日 23時34分01秒 | 古い日記
皆、別に関心ないだろうが、俺と「相田みつを」氏は同じ○○だったりする。
(と言うかお亡くなりになられたので、元○○だな)

家に氏の「書」があったりするが「○○さんへ」とか
為書きがあるので、無価値だったりする。

まあ、そんなわけで、現在、氏の「にせもの」を
日本のあちこちで見かけるが、やはり、
「にせもの」は一目でわかるな。

しかし、世の中には「本物」より「本物」に近い
「偽者」もある訳で、そういうものを見ると、
「コイツ、本人を知ってるのか?」
という気持ちにもなる事がある。

↓この「相田みつお」なる人物に俺は言いたい。
http://garbage.web.infoseek.co.jp/mitsuo/works/top.html

パロディだ、と断わっているが、
本物は、こんなもんじゃねーぞ。
「あの野郎、うまくやりやがって。オモシロクモネェ」
とかは、本にも載っているが、
もっと過激なのも随分ある。

だからこそ、ああいう詩が書けたんだと思う。

あれは氏の「自己否定」の詩だ。間違いない。

明日、氏のテレビドラマが放映されるようだが、
そういう事を踏まえて見て欲しい。

そういえば、木梨が2月くらい前に来てたよな。

変わった名前?

2004年12月09日 20時41分38秒 | 古い日記
「他人と違う」という事で、
得をする場合もあれば、損をする場合もある。

そういった意味も含めて、
今まで出会った人の中で、珍名、奇名の方を紹介しよう。

3位:百々   「どど」と読む苗字。ご近所にいた。

2位:有金富夫 高校の先輩。富夫って何だ? 親の顔が見たかった。

1位:東海林  大学にいた。

1位は「しょうじ」と読むわけでは無い。
これで「とうかいりん」と読む。

「えーっと。とうかいりん君」
「ハイ」
「君の名前呼ぶの、嫌なんだよな。これでいいんだよな。読み方」
「ハイ」

「『しょうじ』じゃなくて『とうかいりん』くん」
と呼ぶ講師までいた。

良いにつけ、悪いにつけ、これは「目立つ」。

そこで、俺は思い付いた。

俺の本名も、漢字で書くと「ちょっと変わっている」という程度だが、
「読み方」は微妙だ。何通りにも読める。

授業の出席カードに名前を書くとき、振り仮名を付けないと、
まず80%は指されない。

が、振り仮名をつけておけば、100%指される。

講師の方だって、間違えて生徒の名前を呼びたくないのだ。

そこで俺は、「しっかり予習して自信がある時」だけ「振り仮名」を付け

るようにした。「目立つ時」、「目立たない時」を分けるのだ。

すると、「こいつ、いつ指してもできるな」と思われたのか、

大抵、良い成績がもらえた。

苗字で得をしたのは、その時くらいかな?

術中に落ちろ!

2004年12月08日 23時05分12秒 | 古い日記
自分でも、「良く毎日書く事があるな」と思う。
俺は大抵、広い工場の事務所みたいな所で、
一人でいる。

だから別段、面白い出来事が起きるわけでもない。
来るのは、何かの営業をしにくるセールスマンくらいだ。

時間があれば、一応話くらいは聞いてもいいが、
彼らは、俺の「トラップ」にハマル事になる。

トラップと言っても、罠が実際に仕掛てあるわけじゃない。

場所は、事務所のドアだ。外からは簡単に開く。
が、内側からは、
「コツを知らないと最後まで閉まらない」のだ。

よって、彼らは帰り際に、俺に試される。

タイプは4種類だ。

1:ちゃんと閉まっていないのに気が付かず、そのまま帰る。

2:何回かトライするが、あきらめて、半開きのまま帰る。

3:何回かトライして、「あれ?ここ閉まらないですよ。」と言いつつ帰る。

4:「ここ、閉まらないんですが?どうすればいいんでしょうか?」
  と俺に尋ねる。

1:と2:は感心しないが、3:の態度もどうかと思う。
(実際、閉まらないんだけどね。)

残念ながら4:は今まで一人しかいなかった。

面白いので、このドアはわざと直さない。

試験に出ない英単語

2004年12月07日 22時36分42秒 | 古い日記
ルブリケーター(Lubricator)
多分、一生使う事はないであろう英単語の一つだ。

会社の大掛かりな機械に取り付けてある、それが壊れた。
壊れると、そこから空気が漏れて、機械全体の動きが
おかしくなる。これじゃ、仕事にならない。

そもそも意味がわからないので、辞書を引いた。

「油を塗って動きを滑らかにする」という動詞(Lubricate)があった。

つまり、ルブリケーターは
「油を塗って動きを滑らかにする装置」
という所だろう。

機械部品のカタログも見た。買うと結構高いものだった。
直すに越した事はない。

まずは、じっと見つめて、装置の仕組みを考えるが、
「どういう原理で、何の役割なのか?」
さっぱりわからなかった。

もしかしてこの透明な筒に何か意味があるのだろうか?
「材質:ポリカーボネード」と書いてあった。

ポリカーボネードは、丈夫なプラスチックだと、思えばいい。
(昨日の日記を参照)

しかし、いくら考えても、「ただの丈夫な筒」だ。
俺は、この「ルブリケーター」なる装置が「果している役割」
は、何もないような気がしてきた。

仕方が無い。この機械を設計した、機械担当の元部長に相談しよう。
俺は、退職した元部長の自宅に電話し、尋ねた。

「あの、ルブリケーターって何ですか?」

「ルブリケーター?、ああ、あれはシリンダーに油を供給する装置だよ。
 しかし、シリンダーに油と言っても...(中略)...だね。」

「えーと、結局ですね。『あっても無くても影響無い』って事ですか?」

「まあ、無いね。」

俺は、
(いらねーなら、最初からつけるなよ。)
と思ったが、口には出さなかった。

やれやれ。こんな事で、まる一日が潰れた。

封印された記憶

2004年12月06日 22時43分17秒 | 古い日記
再会とは、人に対してだけではなく、物あるいは「材質」だったりする。
「ポリカーボネイト」がそうだった。

何故、ポリカーボネイトと再会したか、は置いといて、
一応、それ(ポリカーボネイト)について説明しておく。

「熱や衝撃にむ強く抜群の耐衝撃性と耐久性、
 各種防具、ゴーグル、ゴルフのクラブヘッドなどに使用されている素材」である。

哺乳瓶とかもそうだな。

最初に使われたのは信号機など、だそうで、あれに石を投げつけても、電球は
絶対に割れない。警防などにも使われているそうだ。

それを見た文房具の会社が作ったのが「サンスター」のアーム筆入れだ。

ポリカーボネード制のアーム筆入れは、それは丈夫だったし、有名だった。

「像が踏んでも壊れない」というCMを憶えている方は少ないと思うが、

俺が子供の頃は、クラスの何割かはその筆入れを持っていた。

が、たいていは、「壊れる」以外の理由で、別の筆箱に切り替えていて、
(その後は、妙な機能がいっぱいついた筆箱が流行った)

「アーム筆入れ」を小学生の6年間も使っていたのは俺だけだった。

が、中学の時、「これはアーム筆入れじゃない」と言うヤツがいた。

「バッタもんだ」と断言した。そういえば、そんな気もした。

俺のアーム筆入れだけ、他人のとはデザインが違っていたし。

しかし、6年以上使った実績もあるので、試しに踏んでみる事にした。

結果は、結構、あっけなく壊れた。

9年近く使ったから、惜しいとは思わなかったが、ずっと騙されていたか?

と思うと虚しいものがあった。

が、心の奥底では、「あれは本物だったけど、9年の歳月で弱くなったんだ」

という気持ちもあった。

「像が踏んでも壊れないが、中学生が踏むと壊れるんだ」

という気持ちもあった。

が、今、「ポリカーボネード」について調べれば調べる程、

あの筆入れは「偽物」だった、と断言できる。

さらに、筆箱が長持ちするか否か?は「丈夫さ」とは直接関係ない、

とも断言できる。

何故、ポリカーボネードについて調べるハメになったか?は明日にしよう。

段取り君

2004年12月05日 15時10分04秒 | 古い日記
まあ、そんな訳だが、俺は肉体労働に従事していた時もある。

ネコ車(一輪車)に利砂を積んで運ぶ。

ただそれだけだが、石ゴロゴロの悪路で、途中で倒したりもした。

「あんちゃん、待ちな。」

見かねた棟梁(っていうのか知らんけど)が、どっかからか、

細長い板を持ってきた。

それを地面に置いて、その上で運ぶと今までの2倍の速さで作業が進んだ。

「板切れ一枚で、能率が倍になるとは...」

と俺が関心すると、親方(っていうのかどうか知らんが)は、

「土方の仕事は『段取り』で決まるもんよ。」

と、「名言」を吐いた。


後に俺はこの言葉を色々な方面で応用するようになった。

例えば会議。意見が対立すると中々話が進まない。

そりゃもう、石ゴロゴロでネコ車が進まない、なんてもんじゃない。

そんな時、役に立つのが「会議前の段取り」だ。
(根回し、とも言うな)

誰が何を言うか?は決めておく。板切れの代わりに「取引」を使う。

いや、話が早い、早い。時間の節約になるなる。

え、最初から決まっているなら、会議なんかするな?

そりゃ、そうなんですけどね。

プロジェクトX(ペケ)

2004年12月04日 23時54分47秒 | 古い日記
えーっと。そうだ。プログラマーだった頃の話だった。
一口に「ソフト屋」や「SE」と言うが、職種は色々だ。

会計ソフトを主に作っている所もあるだろうし、
銀行のオンラインシステムもある。

俺の会社はメカコン、つまり「機械の制御系」がメインだった。

例えば、こんな感じ。

「蕎麦粉を石臼で挽く作業」を自動化するとか、だ。

「そんなもん、石臼にモーターつけりゃそれでいいだろ?」

と思うでしょ?ところが、違うんだな。これが。

モーターで一定速で回した場合と、

「職人さんの手回し」では、粉の形状が違ってくる(らしい)。

極端に言えば「名人の手回し」を「コンピューター制御」で再現しなけりゃいけない。

俺がこの仕事の担当になりかけた時、かなり燃えた。

これが上手くいったら「手打ち蕎麦」の自動化だって夢じゃない。

俺の名は「蕎麦業界」に残るかも知れない。

でもね。残念ながら、ボツちゃったんだよ。

「投資する金額が大きい割りに、味の差がわかる人が少ない」

というのが主な理由だった、と記憶している。

確かに「説明しないと、その価値がわからない」モノは、

技術屋の自己満足に過ぎないよな。

男の「優しさ」とは?

2004年12月03日 20時16分35秒 | 古い日記
別に誰も関心無いだろうが、俺はかつてプログラマーだったりもする。
Windowsなんて普及していない、DOSの時代だ。

が、仕事でパソコンを使う人達が増え始めていた。

そこで、
「パソコン初心者でもDOSが使えるように。
 せめて、ファイルの管理だけでも簡単に出来るものを」
という要求に応じて、ファイル管理の専用ソフトを作った。

(今では、マウスを使ってできる「ファイルの移動」とか、
 「新しいフォルダの制作」なんて言うのも、
 いちいち文章で入力しなければならなかった)

今のWindowsには及びもつかないが、
「まあ、これでやってみましょうよ」
という程度のものが完成した。

暫くたって、納品先からクレームがきた。
「大事なデータファイルが勝手に消えた」と言う。
それが本当なら一大事だ。

しかし、よーく、状況を聞いてみると、
「フォルダーを削除したら、その中にあるファイルが全部消えた。」
という事だった。

(そりゃ、あたりまえだよね)

俺は、
「それで仕様書通りです。こちらに落度はありません。」
というような事を丁寧に、しかし、冷たく言った。

とにかく当時は「パソコンを理解しようとしない人」
は嫌いだった。しかし、今考えると、

フォルダーを削除すると、中のファイルも全て消えます。
よろしいですか? y/n

くらいのメッセージはつけるべきだった、と思う。