ほぼ日刊、土と炎、猫と煙突

白く燃え尽きた灰の奥深く、ダイアモンドは横たわる。

クリスマスの思い出

2010年12月24日 23時01分31秒 | 古い日記
それまでの粗筋:

俺が言う。

「俺の家の隣にフランス人の夫婦が住んでいるですけどね」
「ああ。前にも言ってたな」
「そこの奥さんが旦那さんに『クリスマス・プレゼントは何がいい?』
 って聞いたら『日本の刀が欲しい』って答えたそうなんですよ」
「うーん。フランス人の考えてる事はわかんねえ。で、買ったのかな?」
「いいえ」
「日本の銃刀法は面倒臭いからな」
「いや、金額の問題で『最低でも200万円からするから諦めた』って」
「200万? って、そんなにすんのか?」
「まあ、美術品のレベルなら、その辺からじゃないですか? 良く知らんけど」

―以下、本文―

オサーンが言う。

「あー。そう言えばさ。この前、駄菓子屋に行った時、店のオバちゃんに……」
「いい歳して、何でまた駄菓子屋に?」
「はぁ?」
「まあ、いいや。それはおいといて。で、どうしたんですか?」
「オバちゃんに『アンタ刀とかに興味ある?』って聞かれたんだ」
「カタナ?」
「そう。日本刀の事だよ」
「まあ、どっちかって言うとルックス的に”そういう系”ですからね」
「んで、見せてもらったんだけどさ。どれもこれもホンモノの真剣なんだ」
「へえ。それを”買ってくれ”って言うんですか?」
「いや、それが。『全部、タダで上げる』って言うんだよ」
「何で?」
「自分の息子の物なんだけど、いつ帰ってくるからわからないし、
 こんな物騒なモン、いらんとさ」
「ふうーん。息子さん、”自分探しの旅”でもしてるんですかね?」
「いや、なんか怪しいだろ?」
「まあ、ちょっと怪しいですね」
「で、俺は聞いたんだ」
「何て?」
「『息子さん、今、何をしてるんですか?』って。そしたら……」
「そしたら?」

「刑○所で服役中なんだとよ」

「……で、結局、もらったんですか?」
「いや、さすがに断ったよ。何かの事件に使われた物なのかも知れないし」
「てか、完全にヤ○ザでしょ?」
「だろうな」
「てか、同業者って思われたんでしょ?」
「俺が? 駄菓子屋にか?」
(いや、そっちじゃなくて息子の方)
と思ったが……もちろん口には出さなかった。

2010年12月18日 23時17分46秒 | 古い日記
国内ではあまり見られない光景だ。

誰かが故意に植えたように、
荒野にポツンと生えている木。

昔々……海外でこういう風景に出くわし、
涙が止まらなくなった経験がある。

そもそも、何故、こういう光景があるのか?
不思議でしょうがなかった。

周囲の人に聞いて回ったが、誰も答えられる者は無い。

けど、後に知った。

そもそも荒野は
木々が生息するには適さない場所であり、
媒介者である鳥や獣も寄り付かない。

このような場所には当然、種子も運ばれてこない。

また、大地に落ちた種子が運よく発芽したとしても、
ほとんどが途中で死滅する。

しかし、何万回に一度くらいの割合で好条件が重なった時……
樹のレベルにまで成長するケースもある。

との事だった。

「あの時、何故、俺が泣いたのか?」は今でも良くわからないけどね。


外来種の放流

2010年12月15日 23時39分08秒 | 古い日記
クニマスは秋田県の田沢湖にのみ生息した固有種だったが、1940年に絶滅。

ところが、そのクニマスが遠く離れた山梨県の西湖で発見された。

と言うか……
西湖で「黒っぽいヒメマス=クロマス」と呼ばれていた鱒が
「田尻湖から持ち込まれたクニマスの子孫だった」
と言った方が正しい。(多分)

まあ、言ってみれば……
アメリカで普通に暮らしていた黒人が
「貴方はアフリカで絶滅した○○族の直系ですよ!」
と突然言われたような物だと思う。

↓写真は西湖で発見されたクニマス


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