ほぼ日刊、土と炎、猫と煙突

白く燃え尽きた灰の奥深く、ダイアモンドは横たわる。

ミステリー劇場

2007年10月31日 23時30分03秒 | フィクション
*全てフィクションです。実在の団体、人物とは関係ありません。

―運命の子―

父、稲蔵の訃報を受けた男は二重のショックに包まれていた。
「な、名古屋の稲蔵じいちゃんが死んじゃう!」
昨夜、自分の息子が確かにそう叫んだのを思い出したのだ。
(確か、以前にも同じ様な事があったな)
「イ、イサオおじさんが死んじゃう!」
そんな寝言を子供がつぶやいた翌日、自分の弟、功が不慮の事故でこの世を去った。
あの時は「偶然」と気にもしなかったが、一体この子は何者なんだろう?
以前から、奇妙な齟齬を彼は感じていた。
何年にも渡った妻の不妊治療。
最後には「幸福の嵐」という新興宗教の祈祷まで受けて、ようやく授かった子供。
(この子は我が子でありながら、我が子では無い)
彼がそう感じるには理由があった。

―幸福の嵐―

「ふむ。それなりの犠牲が伴うであろうな」
「私はどうなっても構いません。どんな代償でも払います」
「いいや。金の問題では無いぞ」
現世利益の新興宗教「幸福の嵐」。その教祖様は厳かに言った。
「むしろ、お主の『親としての心』が試されるのじゃ」
三度の流産。最後にはノイローゼになった妻の事を考えると、自分はどうなってもいい。
「どんな過酷な宿命が待ち構えていようと、我が子を愛し通せるものかな?」
「も、もちろんです」
「その言葉、偽りは無いな?」
降りかかる不幸は全てお主が受けねばならぬ、と銀髪の教祖様は念を押す。
「何もかも奪い取って下さい!」
男は涙を浮かべた。
「私で良ければ……その代わり、その代わり」
「わかった。やってみましょう」

妻と二人で受けた祈祷の内容はサッパリわからない。
「一心に祈りなさい。ただし、途中で目を開けてはならぬ」
そう言われて、薄暗い道場の様な所に通され、そこに何日か通った。
覚えているのは女の叫び声と、それを打ち消すように響く激しい太鼓の音だけだ。

―全てを妻に―

あの「幸福の嵐」で受けた祈祷が本当に効いたのかどうか?
良くわからないが、妻は見違えるように健康を取り戻す。
しかも、翌年、産まれてきたのは健康で元気な男の子。
男の喜びは一通りでは無い。
(しかし……)
不幸にして我が子の能力に気付いてから、一時も心の休まる事は無くなった。
「ポ、ポチが死んじゃう!」
と言えば、隣の家の犬が死ぬし、
「や、やっくんが死んじゃう!」
と言えば時の首相も無くなった。
(神の子? それとも地獄の使者?)
代償という意味はこの事なのか?
いや、それは男の見込み違いだった。
数年後、さらに非情な運命が彼を襲う。
「お、おとうさんが死んじゃう!」
真夜中にその言葉を確かにこの耳で聞いたのだ。
今までの経験からして、息子がそう言ってから24時間以内に人が死ぬ。
(まあ、前もってわかっただけ、俺は幸運なのかも知れぬ)
今さらジタバタしても始まらない。
男は残された時間をいつもと変らずに過ごした。
「あなた、おかえりなさい」
「パパ、おかえり!」
帰宅した彼は時計をチラリと見て考える。残された時間は後5時間。
男は妻と子供が入浴している間、自分の部屋に篭って、密かに遺書をしたためた。
「なあ、おまえ」
寝る前に男は妻に声をかける。
「なに?」
「何でもない。おやすみ」
「……ヘンなの」
ヘンでもいい。明日の朝、妻は机の上の遺書に気付いて、全てを悟るだろう。

―本当の試練―

「あなた。そろそろ起きて!」
ところが……翌日の朝、男はいつものように目が覚めた。
「パパ、おはよう!」
妻も子供もまるでいつもと変らない。
(ど、どうしてなんだ?)
男は朝刊を手にし、自分が死ぬ筈だった日の出来事に目を通す。
(俺はもしかして、既に死んでいるのだろうか?)
が、いつもと同じく、一介のサラリーマンには関係のない記事が並んでいるだけだ。
(な、何が起きたんだ?)
このまま、何事も無く平穏な暮らしが続くとは思えない。
「?」
やがて、男は紙面の片隅にこんな囲み記事を見けた。










宗教団体『幸福の嵐』代表、原田黒太郎氏死去!

全てを悟った男は……密かに遺書を破り捨てた。

<終わり>

上州名物やきまんじゅう

2007年10月30日 22時10分55秒 | 古い日記
賞味期限について。

冷蔵庫に入れていただければ3~4日は大丈夫です。

(中略)

夏季の場合でもビニールに来るんで冷蔵庫に入れておきますと五日位は保存できます。

但し、食品ですので出来るだけお早めにお召し上がり下さい。

要するに……ケース・バイ・ケースでファジーだな。

脳梗塞

2007年10月30日 21時56分12秒 | 古い日記
t-PA(組織性プラスミノーゲン)

t-PA 脳梗塞の特効薬
t-PAは簡単に言うと、脳の血管に出来た血の塊(血栓)を溶かす薬です。
アメリカでは既に使用されていますが、日本では臨床試験が遅れてしまい、
最近になって保険が適応されるようになりました。

脳梗塞発症から3時間以内の使用が効果的で、t-PAを使用した場合には、
脳梗塞の発症によって生じる麻痺や失語症などの後遺症が残らないそうです。

一方で、3時間経過した後の使用は、
効果が薄く、脳出血の発生リスクが高まると言われています。

副作用として、脳出血を発症する可能性があるので、t-PAを使用するかどうかは、
患者さんのご家族と医師が話し合い、副作用の危険性について理解する必要があります。

―以上、コピペ―

現在(日本では)t-PAを扱っている病院は限られているので、
結局、3時間以上が経過し、後遺症が残る可能性はあまり下がっていない。

そう言えば、以前、オサーンが、
「納豆はt-PAの何倍も血栓を溶かす力が強い」
とか何とか……「あるある大辞典」を見て言っていたっけな。

それが本当なら、納豆を食わせりゃ済む筈なんだけど。

御下劣大作戦!

2007年10月29日 23時01分21秒 | 古い日記
今日も、下品テレビを見る。

さて。

世にはパパラッチという「下世話を絵に描いたような連中」がおりますな。

その世界的では有名なアメリカ在住のフランス人。
フランソワーズ・ゲセーワ(仮名)

彼は、元、フリーのジャーナリスト。

偶々、トム・クルーズが(彼個人の)飛行機に乗り込む写真を撮ったら、
それが90万円で売れる……という経験をし、
「マジメな仕事なんかやってらんねえや!」
「そこに凄い需要がある!」
と気付く。

現在、配下に15人(だったかな?)のパパラッチを抱え、
日夜、盗み撮りに励む。

しかし、まあ……

坊主頭のブリトニーが人を殴った、とか、ヒルトン姉妹のハレンチ写真が、
一枚200~900万円だと?



そりゃあ、まあ、
「ブルゴーニュ地方の農家の一年」とか、
「フンコロガシの交尾」とか、
そういう地味なドキュメンタリーなんか、やる気は無くなるわな。

○十年後

2007年10月28日 23時47分11秒 | 古い日記


電話が鳴る。何故か? 不吉な予感がした。
「はい」
「ガチャ」
何事かと思えば、それで切れた。

さらに数十秒後……再び電話が鳴った。
「はい。RESANDOです!」
「うわああ!!!」
ガキの声がした。アホなヤツだ。悪戯電話か何からしい。

その夜、その事を思い出して「あっ!」と気が付いた。

俺が子供の頃の話である。

確か小学生の時分。家で、友達二人とこんな話をしていた。

「自分の家の番号に電話をかけたら、どうなるのかな?」
「そりゃあ、『お話中』になるよ」
「何で?」
「知らないけど……」
友人Aの言う事には、兄貴が実際にやってみて、そう言った、との事だった。
「そうかな?」
友人Bが言う。
「俺は自分の声が受話器から返ってくると思う」

そこで、俺が実際にやってみる事にした。
当時の事だ。黒いダイアル式の電話をジーコジーコと回す。

「プルルル……」
「はい」
ガチャ。慌てて切った。
「だ、誰か出たぜ?」
「んな、バカな。もう一度やってみろよ。きっと、かけ間違いさ」
今度は、間違いないように二人の友人が見守る中、ダイアルを回した。
「プルルル……」
やはり、呼び出し音がなる。
「はい。○○です!」
「うわああ!!!」
大人の声だった。○○は良く聞こえなかったけど。

何か恐くなってきたので、この実験は中止になった。

――確かにそんな事があったような気がする。

○○が何だったのか? 今でも謎だけどね。

ダマサレ得

2007年10月26日 23時13分48秒 | 古い日記
何で「決算は粉飾」で「地鶏は偽装」で「書類は捏造」なんだ?
そういう俺のインテリジェンスな悩みを他所にオサーンが言う。

「比内地鶏か。随分、俺も食ったんだよなあ」
「さすが地鶏は歯ごたえがある……って思ったけど廃鶏だったのかあ」

俺はふと思い出す。

ロシアの偉いさんが来て、日本の水産物を紹介したが、全て否定されてしまった。
しかし、唯一絶賛されたのがこれ→カニカマ

「この蟹ならキャビアと等価交換してもいい」
と言ったかどうかは知らないが……

練物を知らない奴らには、やはりその「歯ごたえ」が絶妙だったらしい。

要するに、「物の値段」は需要と供給で決まる。

この手の偽装問題は、いつも
「我々は何に対して金を払っているのか?」という問題を我々に突きつける。

味? 食の安全? ステイタス? 

「でも、その時は『美味い!』と思って食べたんでしょ?」
「うん」
「じゃあ、ある意味、良かったじゃないですか」
「……」

あの「ミート・ホープ」も兎肉や牛の心臓やらを使って、
安い金で「大衆に牛肉の夢」を見せてくれたんだから、
かえって世の中の為に良い事をしたんじゃないか?……と思う事がある。

「100%牛肉(風)とか、比内地鶏(風)って、表示すれば良かったんだよなあ」

うーん。そりゃあ、かえって怪しまれると思うけど。



騙すなら、一生騙して欲しかった。という至極当たり前な結論に落ち着いた。

「赤福」問題を考える(補足)

2007年10月25日 22時12分17秒 | 古い日記
正直に言います。

そもそも、俺は「赤福」なるものを知らなかった。

で、調べてみた→ここをクリック

以下、引用。

>やはりできたての物はおいしい

>12個入全部一人で食べて気分が悪くなりました

うーん。そこに凄く「深い意味」を感じるぞ。

って言うか、隠されたメッセージだったのか?

「赤福」問題を考える

2007年10月24日 20時46分01秒 | フィクション
「YOYOYO、RESANDOさん、よう」

関東○○保○協会のYさん。

彼は「日常会話でも無闇に韻を踏みたがるラップ小僧」じゃない。
でも、このオサーンは昔からこういう喋り方をする。

田舎のオヤジなので、多分、訛っているだけだと思う。しかし……

彼は俺に「同じ臭い」を感じるようだ。 
暇な時にフラっとやって来ては、長話をしていく。

(あ、一応、仕事で来るんだけどね。遊びに来てるとしか思えない事が多い)

「YO YO ! ガンモドキの原材料って何だか 知っているかイ?」

この人は職業柄、あちこちの職場に潜入するので色々な「工場秘話」を知っている。今回もどうせ、そんな「裏話」だろう。

「そりゃあ、豆腐の失敗作でしょ?」

俺は答えた。
搬送途中で形が崩れたヤツ。落しちゃったヤツ。
そういうモンが「ガンモ」として再生される、とは聞いている。

「違うYO! スーパーに出荷したパック入りの豆腐だYO!」

ズンズンジャーン、ズンズンジャーン、ズンズンジャーン、

ソウル・メイトにしか聞こえない…彼の「魂の叫び」が始まった。


(写真はイメージ画像です)

「スーパラパラパー 賞味期限 切れてもゴキゲン、SHOW ME! 巨乳? 
 逆輸入~ ガンモでおニューに早変わり~♪」



ハァ?な、なんの事っすか?

―以下、本文―

要するに、スーパーで売れ残った「古い豆腐」は製造元が引き取り、ガンモに再生するらしい。

一応、その手口を下記に記す。
1:「腐れ豆腐」を麻袋に入れ一晩天井から吊し、水気をきる。
2:その後、具を混ぜた後、何かで包んで揚げている。
まあ、そんなトコ。

「うーん。そう言えば」
俺も昔、食べたガンモを思い出した。
「時々、妙に酸っぱいのがありましたねえ」

「そりゃあ、そうだよ。糸引いてたヨ! そう言うオイラはお茶をひく♪」

業務上で知った顧客の秘密を平然とバラし、
他人の不安を煽るだけ煽って、何の解決策も明示せず消える。

社会派ラッパーY。

彼の歌声が、万人に届く事は無いだろう。

許されざる帰還

2007年10月24日 00時15分14秒 | 古い日記
21日、NHKスペシャル「許されざる帰還」を見る。

これ→ここをクリック

一言で言うと。

特攻隊として出撃した2500人(だったかな?)
の内、実際にはその1/3は生き残り、戦後まで幽閉されていた。

という衝撃の内容。

以前、聞いた「特攻帰り」の話と合致する。

「最初は、本気で敵に一矢報いて死ぬつもりだったが、エンジントラブルで不時着。二回目は、自分でエンジンを壊した。三回目に出撃する前に終戦になった」

やっぱり「自殺」は勢いなので、二度は出来ない。

というか……

飛んでいるのが不思議なくらいのボロい飛行機で「敵艦船に体当たり」が出来る筈が無い。
と気付く。学徒動員(大学生)なので、バカじゃないから気付く。

俺の祖父(ニューギニア)なども、そうだったらしいが、戦争末期の玉砕、自決命令の多くは無視された。「敗戦は時間と軍部の面子の問題」と気付いた現地の兵士は、何とか口実を作って逃げた。

人間、まるで無意味な自殺行為が出来るようには出来ていない。

が、彼らは「トンチキ作戦を立てた上官に対する怒り」よりも、
自分の替わりに死んだ「戦友に対する負い目」を感じており、
戦後も黙して語らない。

地方局のラジオ

2007年10月22日 22時43分42秒 | 古い日記
「本日は『こだわるセレブは知っている』特集をお送りしました。
来週は『これで貴方もプチ・セレブ!』の特集をお送りします」

下らん。なんでG県のラジオで、そんな話をしてんだよ。

腹が立つので、最近、車の中ではラジオを聴かないようにしている。

しかし、やはりFM群○は一味違っていた。

「G県より○×村、物産展のお知らせです」

お、ようやくそれらしい事を言い始めたぞ。

真面目の前に「クソ」が付きそうな朴訥とした喋り方。それでいい。

「……続いて、作者の紹介をします。芹澤由美(仮名)さんは’83年、神奈川県、横浜生まれ。幼少より、コギャルとして活躍された後、スロー・ライフを目指し、’00年、炭焼き職人、木村権左衛門氏に弟子入り。現在○×村で炭アクセサリーの第一人者として……」



ハァ? コギャルとして活躍?

お、今度はODTみたいなアーバンでスタイリッシュな曲をバックに女性アナが喋り始めたぞ?

「……現在、上○村では『猪の丸焼き大会』など楽しい企画が盛りだくさん!」



そこまで面白くしなくてもいい。気になってしょうがねえじゃねえか。