追憶です。
今やオサーンはいません。私もいません。
―本文―
オサーンには東京のビル管理の仕事もある。
還って来た彼に俺はなんとなしに話しかけた。
「東京本社はどうでした?」
「いやあ、実に不愉快だったね」
「何があったんですか?」
「Yさん、ているだろ?」
「はい」
知っている。社長が採用したにしては珍しく若くて綺麗なコだ。
しかも○乳。
「彼女の机の上にあったハサミをちょっと借りようとしたらさ」
社長に激しく叱責された、と言う。
「社長に? 何で?」
「『むやみに女性の物に触るとセクハラになる』んだってさ」
「うーん」
そういう意味じゃあ、俺も彼女に何度、セクハラしたかわからない。
いや……
重いモノをワザと床の上に置いて、それを彼女が片付けようと
しゃがみこんだ隙に(以下略
した事もあるが、そんなの気にするようなコじゃないし。
(↑ネタです。本気にしないで下さい)
「田舎ならはともかく」
俺は適当な言葉を選んで口にした。
「文明の進んだ東京じゃあ、セクハラになるのかも知れませんねえ」
「持ち物でもダメなのか? もし、そうなら考え方を変えなきゃいけないな」
「しかし、ですよ」
俺達は「粗にして野」な男達かもしれないが、「卑」では無い。
何様のつもりだかは知らぬが……
ここまで愚弄されるとは。段々と怒りが込み上げてきた。
「ハッキリ『汚物扱い』されたら、我々の人権はどうなるんですか?」
「だな。こっちが訴えたいよ」
「いや全く。でも、少しは自覚した方がいいかも知れませんね」
「何を?」
「今や汚いオヤジは『存在そのものがセクハラ』なんですよ」
「……そんな事言うなら」
長い沈黙の後、オサーンは口を開いた。
「社長が一番、セクハラじゃねえか?」
「う~ん。そりゃあ、そうですねえ」
”汚い”という意味でも、そうだが……
(実際、Yさん本人はどう思っているんだか?)
そのヘンをすっ飛ばして
「オマエのやってる事はセクハラだ!」
と断定するのは如何なものか?
「だろ? それとアレもセクハラだ!」
「アレって?」
「いつも俺の仕事の邪魔する掃除のババア!」
その人は掃除をする前に「作業着に着替えるから」と言って、
オサーンを追い出すらしい。
「何で俺がトイレの中で待ってなきゃいけないんだよ!」
「……」
これ以上はコメントを控えます。
ここをクリック→私は特に……どこでもいいです。
今やオサーンはいません。私もいません。
―本文―
オサーンには東京のビル管理の仕事もある。
還って来た彼に俺はなんとなしに話しかけた。
「東京本社はどうでした?」
「いやあ、実に不愉快だったね」
「何があったんですか?」
「Yさん、ているだろ?」
「はい」
知っている。社長が採用したにしては珍しく若くて綺麗なコだ。
しかも○乳。
「彼女の机の上にあったハサミをちょっと借りようとしたらさ」
社長に激しく叱責された、と言う。
「社長に? 何で?」
「『むやみに女性の物に触るとセクハラになる』んだってさ」
「うーん」
そういう意味じゃあ、俺も彼女に何度、セクハラしたかわからない。
いや……
重いモノをワザと床の上に置いて、それを彼女が片付けようと
しゃがみこんだ隙に(以下略
した事もあるが、そんなの気にするようなコじゃないし。
(↑ネタです。本気にしないで下さい)
「田舎ならはともかく」
俺は適当な言葉を選んで口にした。
「文明の進んだ東京じゃあ、セクハラになるのかも知れませんねえ」
「持ち物でもダメなのか? もし、そうなら考え方を変えなきゃいけないな」
「しかし、ですよ」
俺達は「粗にして野」な男達かもしれないが、「卑」では無い。
何様のつもりだかは知らぬが……
ここまで愚弄されるとは。段々と怒りが込み上げてきた。
「ハッキリ『汚物扱い』されたら、我々の人権はどうなるんですか?」
「だな。こっちが訴えたいよ」
「いや全く。でも、少しは自覚した方がいいかも知れませんね」
「何を?」
「今や汚いオヤジは『存在そのものがセクハラ』なんですよ」
「……そんな事言うなら」
長い沈黙の後、オサーンは口を開いた。
「社長が一番、セクハラじゃねえか?」
「う~ん。そりゃあ、そうですねえ」
”汚い”という意味でも、そうだが……
(実際、Yさん本人はどう思っているんだか?)
そのヘンをすっ飛ばして
「オマエのやってる事はセクハラだ!」
と断定するのは如何なものか?
「だろ? それとアレもセクハラだ!」
「アレって?」
「いつも俺の仕事の邪魔する掃除のババア!」
その人は掃除をする前に「作業着に着替えるから」と言って、
オサーンを追い出すらしい。
「何で俺がトイレの中で待ってなきゃいけないんだよ!」
「……」
これ以上はコメントを控えます。
ここをクリック→私は特に……どこでもいいです。