ほぼ日刊、土と炎、猫と煙突

白く燃え尽きた灰の奥深く、ダイアモンドは横たわる。

長生きも芸のうち

2004年12月19日 01時11分14秒 | 古い日記
さて、私事ではあるが、祖父(母方)が昨晩他界した。(96歳)

ところで俺は祖父について、どれだけの事を知っているだろう?

とりあえず思いつくのは、
戦争で中国~南方戦線を転々とした事、
戦前戦後を通じて石川島重工業に在籍していた事、
能の金剛流の師範だった事、くらいだ。

さて、一番わからんのは、祖父と伝統芸能「能」との関係だ。
今は「ただの田舎のおじいさん」なのに、
何故「金剛流最後の長老」と言われていたのだろう?

以下のHPを見つけて、納得した。

http://www.geocities.co.jp/Milkyway-Kaigan/7363/histry.htm

昭和初期 :
奥野達也先生 石川島重工業(株)資材部在職 
金剛流の謡曲・仕舞を社内外の方々に指導された

とある。祖父は資材部だったし、この頃から指導を受けていたのだろう。
昭和29年5月には師範になっている。

当時の石川島重工業は確か戦艦大和とかを作った会社で、
極一部の人しか入れない一流企業だった筈だ。
しかも、そこで「能」とも出会い、それなりの地位も得ている。
仕事の面でも趣味の面でも、俺はとても適わない。

ただ、戦争で相当悲惨な思いをしているから
祖父と同じ人生も嫌だけど。

ところで、
俺が死んだら、皆、俺をどんな人物として記憶してくれるのだろうか?
坊さんが戒名をつける時、故人がどんな人間だったか?を考える。
俺の場合は、「生き方に一貫性が無いなあ」と悩んだりしないだろうか?
俺の人生を漢字1文字で表すとしたら、何なんだろう?
まあ、そんな事を考えるのは棺おけに足を半分入れてからでもいいか。