ほぼ日刊、土と炎、猫と煙突

白く燃え尽きた灰の奥深く、ダイアモンドは横たわる。

猫と杓子

2004年12月17日 00時54分07秒 | 古い日記
「灰とダイアモンド」は、
別に知らなくても困らないが、ポーランド映画(’58)の題名だ。

(ちなみに『土と炎』は某陶磁器材料メーカーの総合カタログの名前だ)

内容(ストーリー)を簡単に説明する。

第二次大戦後、ポーランドは国家が2派に分裂する。

1:ソ連の後押しを受けた左派
2:旧ポーランド軍の流れをくむ右派

表向きの戦争は終結したにも関わらず、ポーランド国内では、
やれ、暗殺だの、テロだの、と殺し合いは続く。

この辺は、今のイラク情勢と似ているかもしれない。

主人公マチェクの属する右派系グループも、そうしたテロリスト集団だが、
間違って関係ない人を殺したり、「意義が良くわからない闘争」を続けていた。

結局、マチェクも、打たれ、最後は「ゴミ捨て場」のような所で、
命を失った。(THE END)

こう説明すると、身も蓋も無いな。当時は主人公の役者は、
「共産圏のジェームスディーン」などと、言われたそうだけど。

とにかく「不毛」としか言い様が無い争いの中で、
若者が命を落とす、そんな映画だ。

「戦争が終わったなら、さっさと仕事でも探せ!」
と思うのは、日本の戦後処理が、ほとんどGHQによって
行われたからだろうか?

朝鮮半島や東欧諸国は東西陣営の狭間で混乱を極めたらしい。

「白く燃え尽きた灰の奥深く、ダイアモンドは横たわる」
この墓標に刻まれた台詞は、
「暗黒の闇に差し込むかすかな希望」を暗示する。

「ダイアも灰も元素としては、炭素なんですよ。」
と言う物理学的な事を言っているわけではないだろう。

いや、実際にはダイヤは燃えてしまうし、
「ほんの気休めでしかない」という暗示かもしれない。

写真の場所は、当社の「不良品タイルの墓場」だ。
(実験したり、試作したりも含めて)
これだけの産業廃棄物を出して、
「一体何をどれだけ作ったのか?
 世の中にどれだけ役立ったのか?」
考えると虚しいものがある。

まるで俺の人生だ。何十年も生きていて、
「ゴミのような日々」を重ねてきたように思う。

そのゴミが、白い灰になっても、
その奥に「ダイアモンド」が横たわっているとは、
とても思えないけれど。

そんな気持ちを込めて、この写真を撮った。
(死体のモデルは俺じゃない)

某バンドの自費出版CDのジャケに使われたが、
アルバムタイトルが「フレンドリーソウル」
だったので、違和感だけが残った。