ほぼ日刊、土と炎、猫と煙突

白く燃え尽きた灰の奥深く、ダイアモンドは横たわる。

こんな夢を見た。

2005年04月01日 00時03分18秒 | 古い日記
陶磁器の事を「瀬戸物」と言うくらいだから、瀬戸内海の方が窯業の本場なのだろう、
と俺は子供の頃から思っていたが、正しくは「愛知県の瀬戸市」の方らしい。

簡単に言って、日本の陶磁器、セラミック産業はその歴史からすると2つに分けられる。
(いや、歴史の専門家はどう言うか?知らないよ。)

1:九州系 (朝鮮、中国系の輸入技術体系からスタート)
2:東海系 (日本土着系の技術体系)

その他、各地方に独特の「○○焼き」という技術体系があるだろうが、
大まかに言うと、「東海~関西~九州」の方が主流で、「関東~東北」にはほとんど無い。

現在日本の主なセラミック産業の出所を書いてみると、やはり、
INAX 名古屋
TOTO 福岡
京セラ 京都
と言うように、九州か東海地方に集中している。
(京都は東海でも九州でもねーよ。というツッコミは無視)

で、俺達のような窯業界の新参者はとても珍しがられ
「へぇ。会津の方でもタイル作ってるんですか?」
と妙な感心をされたりする。
(北関東は全然、会津じゃねーよ。というツッコミは通じない)

が、電気炉や材料となる粘土を製造販売している会社は関東には無い。
「九州~東海」の企業(複数)からそれらの設備を購入し、技術提供も受けた。

彼等は、一様に、
「この世界(窯業)秘密主義者で、もったいつける嫌なヤツがいるから気を付けろ」
と言うが...実際、そんな目に遭った事は一度も無い。
こんな零細企業相手に、皆、親切だった。

それと、
「何でタイル屋を始めたの?」
とこれも一様に訊かれた。
(まさか『社長の気まぐれです』とは言えない)

「最初はコンクリートやっていて、模様入りや絵入りの商品を作っていたのですが、
 耐久性の面で問題があり、セラミックに転向したんですよ。」
と説明すると、だいたい納得してくれた。(まあ、それは本当の話だ)

現代史において、陶磁器産業はタイルや茶碗からは撤退、あるいは規模縮小して、
電子の分野に参入してきた。(そして成功している)

それに逆行している俺達は、彼等からは「純正のアホ」に見えるのか?
と思ったが、これがそうでもないらしい。

「最近の我々は、コスト計算なんかばかりでウンザリですよ。
 何かこう、も少し夢のあるをやりたいですよね。
 全く新しいセラミック素材を使ったコップとか、包丁とか、そういうの。」

と言う声を良く耳にする。何故か今になって、
「電子機器の部品」から「一般家庭で使う日用雑器への進出」
を狙っている気配を感じるよ。