gooブログはじめました!

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

《 リアル 大相撲 ルポ 》 「第35弾・宇良篇」 三段目力士、宇良の5戦目。気迫満々の倉橋を、じっくり、冷静に見定めて。突っかけられても、慎重に手探り。で、チャンス!と、みるや・・・

2018-11-19 14:39:14 | 相撲

  かつて、幕内上位にいたからといって、徹底して、内心は、別として・・・・あくまで、おごらず、三段目力士を舐めず。

 その日、その日の、相手力士を、研究してんなあ・・・・・宇良。

 当たって、砕けろ根性は、微塵(みじん)も無い。うかがえない、漂わない。

  本日、勝ち越し後の5戦目の相手は、「Abema TV」の表記通り、倉橋。

 人物については、「第34弾」で書いたので、省略。 

 すでに、勝ち越し峠を、越えたからと判断したからか、本日、取り組み直前に土俵下に陣取ったカメラマンは、たったの独り。

 あくまで、画面を見る限り・・・・ですが。

  宇良の取り組み時の、福岡国際センターの客席は、こんなカンジの、ガ~ラガラ。

 でも、幕内後半になると、このブルー席が、ほぼギッシリと埋まる。

   右側が、宇良。左の倉橋が、すでに、両手両コブシを降ろしているにもかかわらず。宇良。

 意図してか、じっくり、相手が、どう出て来るのか。文字通り、見定めている。

 そのため、耐えきれなくなって、倉橋。思わず、ダッシュ! 突っかけた。「待った!」の、声。

  再び、仕切り直し。まさに、「仕切り」直し。

 なのに、宇良。またも、スローモー。ゆ~っくり、ゆっくりと、腰を降ろしてゆく。じらす、ように。

 軍配、かえった!

  互いに両腕、両手、突き出し。まさに、手さぐり。

 ボクシングで言えば、距離を取りながら、ジャブの応酬というところ、か。

 そこから、宇良の真骨頂。

  相手の倉橋が、深い前のめりの、前傾姿勢のままを見てとって、直感、判断。 サッと、体をかわして、はたき込み!

 倉橋、バッタリ、土俵に、うつ伏せに。

  勝ち名乗りを、受ける、宇良。これにて、5勝目。明日は、間違いなく、休み。

  花道を下がり、歩き出す寸前、土俵に、向き直り、深く一礼。

 この姿勢を、評価する相撲ファンは、ひそかにいる。

 一時期、大ケガする前の、昨年の夏場所前後。サインを求めて、相撲ファンの差し出すマジックペンの握る箇所が、黒く滲んで汚れていたのを気にして、指が汚れるのが嫌で、サインをするのを躊躇(ちゅうちょ)した、幕内上位時代の宇良。

 気持ちは、分からないでもないが・・・・・

 相撲ファンは、サインしてくれる有名力士、人気力士を見つけたら、誰にでも、その場で、求めるもの。

 ソレは、いつでも、サインをもらえる立場にいないから。

 本場所には、そうそう、来れない。来れた時に、もらえるだけ、もらいたい。この時とばかりに、群がる。

 宇良にも、出来たら、もらいたい。その程度の意識。

 が、その場で、すげなく、冷たく、断ったものなら・・・・・

 評判は、墜ちる。ちょっと、思い上がってんじゃねえの?と。

 それでも、いいんだと想う、のなら、それでも、いいが・・・・。

 わずか、数分。マジックの汚れなんぞ、手や髪、足に、こびりつく、土俵の砂に較べりゃあ・・・・・。

 長年、取材していて、そう想う。

 宇良は・・・・・さてさて、ケガの時期、1年間は、反面、良薬にもなったんではないだろうか・・・・

 取り組み後・・・・

 「相手も、4連勝、負けなしで来ているんで、強いはずですし、立ち合いの時に、勝ちたいという、気迫を感じました」

 仕切りの時に、考えていたことは?と、いうと

 「相手は、思い切ってくるな、と」

 突っかけられて

 「気持ち的に、冷静に、いこう、いこうと」

 取ってみて

 「あぶないところも、あったんですけど・・・・」

 「自分の理想としては、相手を前へ前へと、持っていく相撲なんですけど、相手があることですから」

 これで、5勝、負けなし。

 取りこぼし、無ければ

 「ここまで来たら、全部、勝ちたいです」

 全勝し、優勝決定戦に持ち込んで、勝てれば、来たる初場所、幕下の下位に滑り込める可能性があるが、そこで負ければ、三段目の上位、ヒトケタにとどまって、来年の正月を迎えることになる。

 明後日以降、慎重に、且つ、勝つ、ために、戦術を練って、土俵に上がり、その場で、さらに、相手の心と、カラダの動きを見定めて読んで、ここぞという時に・・・・・

 かつて、ライバル視されていた、佐藤、改め、貴景勝は、ヘタすると、存在不要な引退さぼり野郎3クズ横綱を尻目に、優勝の可能性潜む好調さ。

 負けても、意識して、切り換えて明日を見る佐藤を、はるか遠くに見やりながら、宇良は、三段目の階段を、下位段にならないように、日々、歩み続ける・・・・・