烏合庵奇譚

Welcome to Raven's roost
渡烏の戯言など… お聞き流し下さい.

ウグイを食べる #01

2008-11-30 15:03:49 | 烏合庵の食卓
3連休の最終日,久々にロッドを取り出し,いそいそと石狩(親船町旧渡船場)に向う.ターゲットはウグイ.イソメ餌のチョイ投げで尺落ち4尾をゲット.
ウグイとは書いたが,正確には2種.上がウグイ,下はマルタである.マルタのほうが吻(鼻先)が尖っており,鱗がやや細かい.産卵期(両種とも,札幌近辺では6月ころ;豊平川など川の中流の浅瀬に群がって産卵する)には体側に赤い婚姻色(ウグイは3本,マルタは1本)が現れるので,あかはらと呼ばれることが多い.ウグイは海に降りるものと川に留まるものがあり,マルタは海に下る.


北海道では(全国的にも?)一般の食卓に上ることは少ない(そもそも,売っていない)し,釣り人も大概は捨ててしまうが,個人的には(時期は選ぶけれど)美味い魚だと思っている.今回は,マルタ3尾を“松鼠雅羅魚(sung shu ya luo yu)”に仕立ててみよう.調理法は,つれあいが短大時代に教科書として使っていた“系統 中国料理(黒田キミ子著・家政教育社;絶版)”に倣ったが,溜は醤汁から糖醋に変更した.

マルタは3枚に卸して腹骨を剥き,身のほうから皮に向けて1cmほどの間隔で斜め格子の包丁目を入れる.酒と醤油を振って,薄く下味をつけておく(本のレシピでは黒鯛を用いており,特に下味はつけていない).




小麦粉・溶き卵・水・塩少々で薄い衣を作り,水気を切った魚の身の方だけに衣を着けて,狐色に揚げる.皮目が縮んで,身が松毬のように開けば成功だ.




酢・醤油・砂糖・水・片栗粉・胡椒少々・昆布で合せ調味料を作っておく.千切りの人参・ピーマン・椎茸,繊維に沿ってスライスした玉葱を胡麻油でしゃきっと炒め,昆布を引揚げた合せ調味料を加えて糖醋溜を仕上げ,揚げた魚に掛ければ“松鼠雅羅魚”の出来上がり.因みに,松鼠はくるりと丸まった身の形をリスに見立てた料理名だそうである.






揚げ物ついで,ウグイに混じって釣れた良型のマハゼは腹開きにして軽く塩胡椒,小麦粉をはたいて唐揚げに.たいそう豪華な夕餉となった.




揚げてあんを掛けてしまえばどんな魚も同じでは?と仰る向きも居られるだろうが,私はこの手法にはウグイも含めてコイ科の魚が最適なのではないかと思っている.糖醋鯉魚(鯉の丸揚げ甘酢あんかけ;実は私は食べたことがない)が有名だが,新婚旅行で訪れた桂林;漓江下りの船上で供された草魚のそれは実に美味だった.今回のマルタも,身が締り,コイ科特有の甘味があって,同じ手法ならば少なくとも鯵・鯖には勝るとも劣らない.以前,沙流川で釣ったウグイを丸揚げであんかけにしたことがあるが,マルタとの味の違いは殆どわからなかった.

親父の故郷,松本ではあかうお(この場合はウグイ)と言って,昔は祝儀の尾頭付きにも用いられたという.千曲川の“つけば料理”の主役としても有名だ.釣りでは餌盗りの外道として,また体表の粘液(ごく薄いのだが)が生臭いため敬遠されがちなウグイだが,冬場のものは臭いも少なく,鱗を引いてしまえば決して生臭くはない.小骨がやや多いのが難点だが,そこそこ身の量も取れるので,もっと評価されても良い魚だと思う.

残りのウグイ1尾については,次回…
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“かすべのぬた”を作る

2008-11-23 21:33:05 | 烏合庵の食卓

買出しに出向いたスーパー.鮮魚コーナーで真かすべを見かけた.拙庵の住人は皆かすべには目がない.しかもコレは赤札半額である.当然,買い!!

“かすべ”.北海道ではガンギエイ科のエイの総称で,尖った吻(ふん;鼻先)が特徴だ.なかでも真かすべはメガネカスベのこと.画像(以前,港の朝市で小型のものを求めた時のもので恐縮だが)ではやや解り難いが,体盤両脇の輪紋が識別ポイントのひとつだ.他に水かすべ(又はどすべ,ドブカスベのことか?)というのも有るが,こちらは丸で見たことが無いので未同定である.身質は真かすべよりやや水気が多く,筋繊維も荒めである.とは言え,ちゃんと仕立ててあげれば惣菜として十二分に美味い.


真かすべは煮付け(および煮凝り;石狩でお世話になった漁師さんに拠れば,煮るなら皮付に限るそうだ.因みに,水かすべは皮を剥いで調理すると言う)・唐揚げ・一夜干の炙りなど,こりこりとした軟骨の食感と,しっとり・むっちりした身肉の仄かにアンモニアを宿した味わいが絶妙だ.今回は鮮魚コーナー最後の1枚,主菜には些か足りないので“ぬた”で楽しむことにする.


かすべは鰭の軟骨に沿って細く切り分け,べた塩を掛けて軽く揉み,1時間ほど休ませておく.


芥子酢味噌は味醂を煮切り,練り和芥子を溶いて味噌を擂り入れ,米酢で整える.




休めて置いたかすべを酢水(1:1)で洗い,軽く絞る.生魚の苦手なつれあい用には,さっと湯引きする.


小葱をさっと湯掻き,かすべを併せて盛付ける.酢味噌を添えれば,“かすべのぬた”の出来上り.


今日の夕餉.かすべのぬた・ほうれん草の胡麻和え・生布海苔の味噌汁.寄せ豆腐のアテには烏賊塩辛かキムチをお好みで.ふくらぎの造りは煮切り醤油と山葵で頂く.

ぬたは軟骨の歯触りが心地良く,アンモニア感も出すぎていない.尿素→アンモニアを含むが為の“落ち”の遅さは板鰓類(サメ・エイの仲間)の美点である.所謂賞味期限間際でも侮る無かれ.赤札有難や!の夕餉.美味しく,頂きました!
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“松葉”@日高町富川の“肉そば+ごぼう天”

2008-11-22 12:36:03 | そとめし;いろいろ
Tue to Thu で胆振・日高方面2泊3日.初日の昼飯時は富川.10分ほど東に走ればお気に入り“いずみ食堂”もあるが,同行の同僚のお勧めに従い“松葉”を初訪.
以前,HTB“イチオシ!”の“世界に一つだけの味;日高町編”でベスト3にノミネートされ,ごぼう天そばの美味しい店と紹介されていた.ちなみに同回の1位は,“いずみ食堂の鴨そば”であった。


富川の街中,国道235の南の奥まった場所にその店はあった.12時半過ぎ,広くない間口の引戸を入ると,正面の土間に置かれた床机に5~6人,さらに奥,手洗いに通じる框の腰掛にも3人ほどのお客さんがお待ち.土間を挟んで左手のカウンター8席ほどと右手の小上り3卓は埋まり,蕎麦を待つ人,手繰る人.私たち3人の後,6名様を受けたところで暖簾は下ろされた…

カウンター奥の厨房に初老の御主人と女将さんの2人.蕎麦茹では主に女将さん,天麩羅と汁蕎麦の仕上げは御主人.配膳とお愛想は女将さんがこなす.

“ごぼう天そば”は当然品書きに載せられているが,品書きには加えて嬉しい一言. 曰く,“ごぼう天はどの品にもお付けします”
午前の部,吹きさらしの体に活.オーダーは“肉そば+ごぼう天(¥650+200-)!


出汁は鰹の節,上等すぎず,程よく皮脂や血合を含んだ亀節(小型の鰹半身を節に造ったもの.脂肪が少なくニュートラルな旨味が得られる大型の鰹の背側の四半身が雄節,脂肪のやや多い腹側四半身は雌節)が主体だろう.かえしは強めだが醤油気は良く練れているし,豚の脂気・旨味も程よく感じる.


何よりはこの蕎麦,太打・乱切り.形而上はいずみ食堂もそうなのだが,松葉の蕎麦はより蕎麦らしい.もっちりの中に歯切れを感じる.ごぼ天が解け,ほろほろとなった衣とともに啜り込む旨さは格別だ.コレもまた,大いに良し!! 大満足の昼飯.

“いずみ食堂”と何至,と問われれば迷う.其々の好みもあるし…
ただ,もう一方のお気に入り,生粉打ち・かっちりな佐呂間町“ほん多゛屋”の対極とするならば,現時点で私は“いずみ食堂”を採る.


p.s.;2010年末,惜しくも閉店されました.親父さん,御馳走様でした.
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なめた鰈を煮付ける

2008-11-16 21:06:16 | 烏合庵の食卓
プレオの冬タイヤ交換を済ませ,買出しに出掛けたスーパー.鮮魚売り場でなめた鰈(ババガレイをなめたということも多いが,目の無いこちら側;無眼側の色にくすみの有るこれはヒレグロ.ババガレイの無眼側は真っ白である.一夜干のなめたはヒレグロの場合が多い)が目に留まった.ヒレグロとしてはやや小ぶりだが,我家の食い扶持と数も合ってリーズナブル.煮付け用に拵えてあるので手間要らずだ(尤も,尾頭が付いて居てくれた方が私好みではあるのだが…).迷わず購入.


煮付け方については,“青柳”主人,小山裕久さんの著“日本料理で晩ごはん”に範を採らせて頂く.なめたは粗方拵えてあるが,おまじない,表裏とも背骨に沿って包丁を入れておく.切目から骨に沿って熱や味が行きわたり,身離れも良くなると言うことだ.


小山さんのやり方は至ってシンプル.鍋に水を沸かし,煮立ち際に鰈を入れ,あくを引き,落し蓋をして中火でことこと20分.出汁の味を見て調味料(薄口・濃い口の醤油,味醂,酒)を加えて火を止める…


今回は素材がかなりあっさりした魚なので,私なりのアレンジ.水を張った鍋に昆布を敷いて鰈を並べ,少量の酒を加え生姜を散らしてとろ火に掛ける.昆布の塩気と酒の糖分に鰈と煮汁の濃度(浸透圧)差を緩和させて,素材に余計な水気を吸わせないのが狙いである.常温からゆっくり加熱することで均等に温度が入り,身に偏った収縮が起こらず煮崩れしにくい.あくも大して出ない.


くらくらと沸き,包丁目がふわっと開いてきたらさっとあくを取り,味醂と醤油で薄味に塩梅.キッチンペーパーの落し蓋をして10分ほどことこと炊いて火を止め,20分ほど休めておく.

出汁の出た煮汁.小山さんはこれでもう1品,玉葱の卵とじを作っておられたが,今回は取合せに若布をさっと炊き合わせることにする.
食べ時に鰈をさっと暖め,昆布とともに器に盛る.残りの煮汁に戻した塩若芽を加えてさっと一煮立ち.水溶き片栗粉(ほんのひと垂しの酒と醤油を加えておくと煮汁と馴染みやすい)で緩いとろみを付け,鰈に添えて煮汁もたっぷりと掛ける.煮汁に粘度を与え,絡み易くする手法も(別項だが)小山さんが紹介しておられる.


今晩の献立,鰈以外はつれあいの設え.青梗菜とエリンギ・豚小間の蠣油炒め,軽く炙った油揚げとえのき茸の味噌汁,さっと晒した千切大根には摺胡麻・揉海苔・おろし山わさびを添え,ぽん酢を掛けて頂く.磯つぶの醤油漬けは既成のもの.


ヒレグロの煮付けは,脂乗りではババガレイ(煮付けとしてのなめたは,こちらが本家かもしれない)に些か劣るものの,ほろほろと舌に解れる身肉のしなやかさ,そこはかとない甘味と風味は捨てがたい.ほかの鰈は時期を過ぎ,ババガレイなら倍額では到底下らないところ.得難い初冬の美味である.有難く,頂きました!
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プレオ,冬タイヤに交換

2008-11-16 09:56:02 | Ape & Imp
愛車Impのタイヤは先週末すでに新品スタッドレスに交換済み(往き付けのガソリンスタンドに依頼)だが,つれあいと坊主が使っているプレオもそろそろ冬タイヤに交換しなければ… 晴渡ってはいないがどうにか日差しもこぼれる昼下がり,ぼちぼち作業に取り掛かる.


右フロントから作業開始.夏タイヤを外す前に,装着位置を略記したガムテープを張っておく.私の場合,タイヤの回転方向は変えたくないのでクロスローテーションはせず,前後の入れ替えに止めている.この夏タイヤ(FR)は,次期は右後輪(RR)である.


このプレオは,私がマイカー通勤せざるを得なくなった'06年につれあいの足として5年落ちで中古車ディーラーから購入したもので,初回登録地は室蘭である.イベントがらみで購入した時には気付かなかったのだが,初めて冬タイヤに交換した時に下回りの劣化が目に付いた.恐らくは,'03年の胆振・日高地方の豪雨・洪水で,(少なくとも)フロア付近までは冠水した履歴が有るのだろう.パワートレインは元気なので,今のところ不自由なく使ってはいるのだが.


なにせ錆だらけなので,ボルト/ナットが固着してしまう恐れもある.ボルトに潤滑スプレーを軽く吹き付けておく.


タイヤをセットし先ずは手締め.タイヤを軽く揺すりながら,指先で締められるところまで,対角線状に締めておく.




次にクロスレンチでじんわりと締め付け,インパクトレンチで4打ほど締め上げる.締め付け順序は何れも対角線.4輪とも同じ手順で交換完了.タイヤは昨シーズン新品に交換したブリジストン REVO 2 なので,サイプもコンパウンドも極めて元気である.





ワイパーもスノーブレードに交換した後,給油を兼て往き付けスタンドで空気圧をチェック.あとは数十km走って増締めすれば完璧だ.ついでに交換したImpのスノーブレードと併せ,“冬将軍に,いざ,見参!”の意気である.


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立冬+1 の豚肉蕎麦

2008-11-09 19:40:37 | 烏合庵の食卓
時雨もよいの土曜朝.
注文してあったスタッドレスタイヤへの履き替え,最寄のガソリンスタンドに Imp を預け,徒歩での帰庵.北西風が身に染みる.昼メシ,暖かいモン喰いて~なァ…
つれあいに問えば,お気に入りの田舎蕎麦・豚小間・長葱がストックに.よっしゃ,それなら豚肉蕎麦でキマり!せっかく豚を使うなら,沖縄かぶれの友人が教えてくれた“豚出汁”を応用してみるか…



鍋に水を張り,昆布を泳がせとろ火に掛ける.ふうわり湧いてきたら弱めの中火にして豚小間をいれて解し,豚小間が浮き上がってきたらおか上げする.


ゆで汁に煮干(これは私のオリジナル)・鰹削節を加え,1~2分くらくら煮出して火から降し,20分ほど休ませる.休ませている間にかえしの仕立て.酒・味醂・醤油を等量,出汁から引揚げた昆布を細かめの短冊に切って鍋に入れ,中火で一煮立ち.同時に筒切りの長葱(白いところには表裏互いに斜の包丁目を入れる)を焦げ目のつくまで炙っておく.



出汁の鍋から煮干と節のがらを網杓子で濾し,弱火に掛けて,かえしと塩,ほんの少量の砂糖で塩梅する.煮干などの滓が浮上って来るので,気になれば濾上げて掛汁の上り.


蕎麦を硬めに茹でて浄水で洗い〆,構う事ァ無い,暖めておいた汁に放り込んで煮立ち際,おか上げの豚肉と焼葱をさっと馴染ませ盛付ける.


頂きます….“いずみ食堂のぶた肉そば”をインスパイアしたかったのだけれど,さすがにそこまではムリ.でも,じんわりと暖まった昼飯.ほんわり“頂きました”.
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ラリージャパン2008;Day3あれこれ

2008-11-04 00:10:43 | Ape & Imp
アップ遅れましたが,RJ2008最終日… (2008/11/08公開)

07:00a.m.,庵発.観戦予定,SS24 IMERU 3 の競技開始は09:36.拙庵最寄りの伏古I.C. から札樽/道央道経由,一路千歳向き.札幌ドームのサービスパークからDay3最初のSS(SS21 KOYKA 1)に急ぐ競技車達に進路を譲りながらの走行.

道央道を挟み,新千歳空港の真裏にあたる北海道オフロードパークのダートコースに特設されたSS11/15/24/29 IMERU(イメル).最寄りの特設駐車場(無料)に停めると,会場からは“00カー(ダブルゼロ;3台走る前走車の2番手.競技開始の30分ほど前に競技車に近い速度でコースを走り,状況を確認する),今スタートしました!”のMC.0カー(競技開始の10分ほど前に走り,最終確認する.殆ど全開アタック)の走りから見たいので身支度もそこそこ,小雨降る中コースに向かい,一番奥,フライングフィニッシュ近くで観戦することに.

0カーがバトルスピードでフライングフィニッシュに飛び込む頃から雨は本格的となったが選手の走りは熱い.前日首位のヒルボネン(フォード)から出走,ラトバラ(フォード),ローブ(シトロエン),アトキンソン(スバル)… 泥濘み始めた緩い登りの左コーナーを立ち上がり,短いストレートを全開のままフィニッシュに飛び込んでいく迫力は凄まじい.初めての観戦という隣のご家族はため息しきりであった.
雨の中カメラを取り出したものの,生活防水とはいえ庇いながらの撮影.付近の観戦者に迷惑をお掛けしないアングルは,走路とほぼ直角に固定される.あのスピードじゃ,撮れんわな…

'07チャンプ,セバスチャン=ローブのあげた泥しぶき…

雨合羽の上着を羽織ってはきたが,12番手:新井サンが走る頃にはジーンズはぐっしょり.腹拵えと装備強化のため一時撤退,千歳I.C.近くに設置されたラリーパークへ. あれ?このMC,聞いた声…
Day1でSS 2/6 ユーパロを担当されていたMさんだ!


WRカーが走り終え,次の観戦ポイントへと続々下山を始める観衆を尻目に,観戦者と同じレベルに腰掛け,入手できる限りのリザルトや各選手のエピソードを交え,最後の1台まで熱く紹介してくれた,自称“スゥィーパー応援団”.
千歳ラリーパークでもプレハブのブースを出て,スタートリストやリザルトやらを貼った大きなクリップボード(画板と言った方が良いかな)を首に掛けてのMCだ.午後のイメル4には間に合わなくなるかもしれないが,絆されてDay2で使ったメッセージボードを引張り出し,通過全車両,スゥィーパーが通るまで,ここで応援することにする.


WRカーが過ぎた頃から一時小止みだった雨がぶり返し,本降りに.立ち詰めのMさんに観戦者の一人が傘を差し掛ける.クリップボードのリザルトは雨を含み,ページを繰るのも一苦労.懸命に通過順をチェックする彼女に,歩道際に張るもう一人が次の競技車両接近をアドバイスする…
金を払ったSS観戦者だけではない,居合わせた皆さんにラリーを楽しんでもらいたい… 意気に感じて集まる,ささやかなサポート…
私のラリージャパンが,今年も確かに,此処にあった…

スゥィーパーを見送り取って返したイメル,入場ゲートにほど近い SS29 フィニッシュコントロール.今しもローブが走り終え,タイムチェックシートを受け取るところ.

最終SSでポディウムを確保し,ドライバーズタイトルを手中に収めたセバスチャン=ローブ(シトロエン)をTVクルーが取り囲む.

かくして私のRJ2008は幕を閉じた.振り返ってみれば,29SSのうち天候その他の理由で3本がキャンセル,出走86台中28台がリタイヤ… 荒れに荒れたラリーであった.この過酷なラリーを終始クレバーに走り貫き,前人未到,5年連続のドライバーズタイトルを決めたローブには,心からの賛辞を送りたい.
ラリーの運営については,コースや各コントロール,観戦エリアなどで降りしきる雨も厭わず動き回っていたボランティア・マーシャルの皆さん,込み合う駐車場を懸命にさばいてくれた警備員の皆さん,各ラリーパークを運営した地元有志の皆さん,リエゾンとなった岩見沢の田舎道,路上でメンテナンスするWRカーを前に,“早めに分っていれば,歓迎したのに…”と声を掛けてくれた地元(多分,農家)のおじさん.他にも挙げきれないけれど,陰日向でラリーを支えてくださった皆さん,有難う.本当に,お疲れ様でした!.その上で,

先にアップしたプレビューで勝手に盛り上げておいて甚だ恐縮だが,'07RJ終了直後に示された'08のカレンダー,初冬の道央圏での開催は気候的に無理があるのでは…という直感が(これもラリーだ!!という,曰く言いがたい感慨の反面)現実となってしまったように思う.エントラントは良いとして,観客にもひょっとすれば雪の峠越えを強いてしまう…

WRCのラウンドが年間15戦から12戦に削減される'09年.現行カレンダーに日本ラウンドはリストされておらず,次回は'10年9月の開催予定となっている.1年空いてしまうのは甚だ残念だが,オーガナイザーには空いた1年を有効に使って,より良いRJを作っていってほしい… 3日間,フィールドをずるずる走り回って観戦した私の,心からの願いである.

頑張れ! ラリージャパン !!
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ラリージャパン2008;Day2あれこれ

2008-11-02 02:28:18 | Ape & Imp
朝イチで出るつもりだったけれど,木曜夜からの追っかけの疲れが出たか大幅に寝過し.歳だな…. 昼前,庵発.
とりあえず恵庭のラリーパークに停めて腹拵え.(写真,撮らなかったけれど)ローカルで良い雰囲気.“売店,何も無いんだね~”(ラリー関係の?それともお土産?;だとしたらそれはそうかも知れないケド…)と仰っていたオバサマ方もいらっしゃったけれど,喰気なら,ど~して,結構有りましたよ!“たつみ”も出てたし…

午後,Imp をD16:支笏湖通の側道に廻し,リエゾン観戦.


全車,見送りたかったけれど,日の陰りは早い.ヘッドライトが灯る頃にはラリー車の見分けも難しい.
“ヘンなおじさん”と見られるのは構わないが,あらぬところでメッセージ・ボードを出してしまい,往来(トラフィック)を乱すのは願い下げたい.日没を機に引揚げることにする.
見送りきれなかったプライベーターの皆さん(多分,20台ほど;哀川アニキを含む),ごめんなさい.明日,また何処かで応援しますからね!
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ラリージャパン2008;Day1あれこれ

2008-11-01 00:21:33 | Ape & Imp
Day1のオーバーオールはRJ/WRCオフィシャルサイト等にお任せするとして,とりあえず私の見ただけ,見たまんま.

“WRカー @ 夕張キネマ街道”. 各チーム,1枚ずつ.
因みに,私のそばでプレスの方が一人撮っていらっしゃったので,近々,もっと良い画がどこかの誌上に掲載されるかも知れません…


セバスチャン=ローブ(CITOROEN TOTAL WORLD RLALLY TEAM);相変わらず,憎たらしいほどクレバーな走り.


クリス=アトキンソン(SUBARU WORLD RALLY TEAM);
何故,ペターじゃ無いかって? すんません!撮影,シクりました
m(__)m


ヤリ・マティ=ラトバラ(BP FORD ABU-DHABI WORLD RALLY TEAM);イキオイ,ありますね!! Go! Push!!
(ヘッドライトにピンさえ合ってれば,言うことナシ!の一枚)


ヘニング=ソルベルグ(MUNCHI'S FORD WORLD RALLY TEAM);
がんばれ! お兄ちゃん!!


フランソワ=デュバル(STOBART VK M-SPORTS WORLD RALLY TEAM);ジジ=ガリ負傷のため,ピンチヒッター


トニ=ガルデマイスター(SUZUKI WORLD RALLY TEAM);
応援してま~す!!

PWRCですけど…

新井サン…(SUBARU TEAM ARAI);イケイケ~~!

夕張から,三笠方面にリエゾンをトレースすると…
(丁末越え,表面うっすら凍りかけてました.私は
履き潰しのスタッドレスだったから良かったケド…)
TC7 Isepo 手前.

WRカーの一団が,時間調整の空き(“稼いだ時間”と言った
ほうが良いか?)を使ってタイヤ周りのメンテをやってました.
前から,クリス;ヤリ;ヘニング;ペター.
ライト・ポッドもここで装着したのかな?

三笠手前では,“おにいちゃん”の後ろについてしまいました.


ちなみに,観戦したSS2(ユーパロ1)はご覧の混み様.
写真は端から撮る気ナシ! 各車の走りは,しっかり記憶に
遺しました.


あ,そうそう.WRカーが通り過ぎてプライベーターの走行順になると現金にも空いてきた撮影ポイント.一枚だけ撮ったのがコレ.


哀川 翔 “アニキ” の後姿.シブい!… かな?

2008/11/03補足
“WRカー@夕張キネマ街道”の撮影ポイントは,“リエゾン(繋ぎ区間)”と呼ばれる,競技区間(SS;山の中の林道などを閉鎖して複数設定される)の間を移動するための公道区間です.ここでは一般車に混じっての走行で,競技車両にも道路交通法が適用され,速度違反などすればWRカーと言えどもキップ切られます.
公道上を爆走しているような印象を与えてしまったのであれば,深くお詫びいたします.
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