烏合庵奇譚

Welcome to Raven's roost
渡烏の戯言など… お聞き流し下さい.

2011;GWぷちトリップお宿編 其之弐:

2011-05-08 16:33:39 | そとめし;いろいろ
“ひなの宿 新見温泉ホテル”@蘭越町字新見の食事を堪能する

ゆったりと新見の出で湯を楽しみ,持参したビール(サッポロクラシック)で喉を潤していると,お願いしていた夕方6時に若女将が部屋に食事を告げに来た.案内された階下の個室には夕餉の膳が既に調う.
今回は +1,000円の“記念日プラン”(一泊2食付:¥12,000-;特に何かの記念日と言うわけではないが ^^;)ゞ をお願いしたので蘭越の地酒“二世古”200mL瓶が一人1本添えられ,料理も少しグレードアップされているそうだ.




御覧の通り,決して“豪華”な料理ではないが,行者蒜(ギョウジャニンニク;ぬた・鍋)・こごみ(クサソテツ;鍋)・ふくべら(ニリンソウ;浸し)・蕗(アキタブキ系と思うがやや小型;白和え)など,女将自ら前日に手摘んだと言う山菜が其処此処にあしらわれている.丁寧な調理.出汁や塩梅も出しゃばらずに素材の風味を持ち上げて,一品々々しみじみ美味い.


なかでも印象深かったのが茶碗蒸し.天に添えられた一片の鰻蒲焼の他,具材は炊いた押麦だけのシンプルな取合せだが,穏やかで滑らかな卵地の喉越しと香ばしくぷちぷちとした押麦の歯触りが絶妙のコントラストを成し,奢らぬ程に添えられた蒲焼と相俟って,鄙びたこの宿の持成しに相応しい一品に仕上がっている.


“麦蒸し(ばくむし)”と名付けられたこの一椀の気品にさぞかし所以の料理かと女将に問えば,お宿の創意とのこと.いや,恐れ入りました.


食べ進むうち“もう一品”と供された温かい山菜蕎麦には,これも近在の初物だろう,卸した山わさび(ホースラディッシュ:セイヨウワサビ)がたっぷりと別添えされた.温かい蕎麦に山わさびは初めてだったが,これがまた意外なほど好く合う.拙庵でも是非,真似させて頂きます.

いやあ,美味しかった,ご馳走様! 満足の夕餉.

部屋に戻って腹を落着けたら野天をゆるりともう一浴び.
車に残した物(何てこたァ無い,買置きの煙草です)を取りに表に出れば,人手の光一条及ばぬ夜空に満天の星彩か.
満たされて,おやすみなさい!


明けて翌朝.
穏やかに晴れた空に目覚め爽か.ふと見る表の道道には,目国内岳を目指す山スキーのパーティーが次々と訪れる.今日ならきっと,イイだろーなァ (^ ')b


春めく青空.今朝は優しげな目国内を木の間越しに望む起き抜けの野天は湯も一段と元気良く,上れば腹もグウと鳴る.若女将の内線に促され昨夕と同じ個室に設えられた朝餉の膳へ.


此方もまた山菜とりどり.
蕗の佃煮に笹筍(根曲竹=チシマザザの筍)と薩摩揚との含め煮.片栗(カタクリ)の浸し.こごみの胡麻和えは多分ピーナツバターが隠し味.
豆腐の味噌椀に行者蒜は思いも付かぬ相性.山女魚甘露煮のあしらい;蕗之薹の浸しまで,この膳をそのまま夕餉に供されても酒の半升は軽くイケる.蘭越米のご飯も飛切り旨い.

昨夕今朝,ニセコの早春の息吹,存分に味わいました.
  この山の恵みの扱いを,拙庵でも是非,見習いたいと思います.
    本当に,ご馳走様でした!

食べログ⇒http://tabelog.com/hokkaido/A0106/A010603/1009663/
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2011;GWぷちトリップお宿編 其之壱:

2011-05-07 14:36:06 | Ape & Imp
“ひなの宿 新見温泉ホテル”@蘭越町字新見の出で湯を堪能する


蘭越市街からr268を11km.冬期間通行止め中の新見峠のゲート直前,ニセコ新見温泉郷.2軒ある湯宿のうち,今回は道道に面した“新見温泉ホテル”にお世話になることに.2万5千分地形図では宿のすぐ裏手を 500mの等高線が走る.


いかにも“鄙びた”風情の玄関を潜ると若女将がにこやかに出迎え,部屋に案内してくれた.
道道越しに目国内の谷合を望む,2階・八畳の座敷.窓際に洗面の設けられた三尺の入側.厠は共同(ウォッシュレット有り),昔ながらの湯宿の趣.質素ながら掃除も行届きとても“あずましい”.洗面の蛇口は水のみだが,湧水を引いているのだろう,円やかで美味い.
ただ“この時季は(冬眠明けの)カメムシが入り込むことが多いので,見掛けましたら備え付けのガムテープで…”と対処を請われた(実際,三度ほど使用した).
然も在りぬ,周りの山林はまだ雪深い.虫とて暖の恋しいは宣なるかな.出来れば全て逃したかったのだが.

おっとっと,余談々々.何はともあれお湯です,お湯! つーワケで,先ずは内湯から.
内湯は二つ(1号&2号湯)あって其々男女に供されるが,夜10時で入替る.この日は1号湯が男湯に充てられていた.この時季は源泉掛流しだが,夏場には湯温を調えるため若干の湧水を加えると言う.
先ずは泉質分析表を一瞥.カチオン(+イオン)ではカルシウムが突出,次いでナトリウム.アニオン(-イオン)は硫酸イオンが圧倒的に多い.所謂“含芒硝-石膏泉(カルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉)”である(新旧泉質名対照表 by 環境省 は,コチラ⇒).芒硝の強い湯にからきし弱い私には注意すべき泉質と思われるが…
湯汲みでたっぷりと掛け湯して,無色透明の湯をなみなみ湛える湯船にイザ!

おぉォ! 濃いッ!! 酸性硫黄泉のぴりぴりとか,フミン系アルカリ泉などのつるつる(又はヌルヌル)感といった直截な肌当りとは一味違うイオンの力をひしひしと肌に感じる.素晴らしい泉質! だが,芒硝より石膏が強いとは言え矢張り私は余りの長湯を自重するのが賢明だろう.


湯船で体を温め1号湯併設の打たせ(湯量は多く落差もあってなかなか利くので,四方ブロック造りの閉塞感は如何にも惜しい.明り取りがもう少し大きめならば…)に凝った肩を打たせたら,部屋に戻って一休み.満を持して野天湯に向かう.


野天は混浴だが脱衣所は男女別で湯着が備えられており,女性専用タイム(17~20時)も設けられている.泉質は内湯と同じ.
然程大きな湯船ではないが,裏山の雪景色を借景に浸る掛流しは正に至福.こう言う野天ではシャワーやカランは私には必須でないが,上がりの更湯が汲める湯汲みが設えられていれば,それこそ申し分無い(と,贅沢なつれあいが申して居りました).

いやあ,佳いお湯でした! じんわり解けて良い具合に腹も減り,夕餉がとても,楽しみだ.
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2011;GWぷちトリップ往路編:

2011-05-03 19:52:39 | Ape & Imp
霙まじりの中山峠を抜け,ニセコの山懐へ

ゆったりと目覚めたGW初日.薄陽の中にImpを引き出せば庭の白木蓮は蕾が膨らむ.


今回のぷちトリップはニセコ方面への1泊2日,往路は特にイベントを設けず宿のいで湯を堪能する腹なので,午前10時に押取り刀の出立.
R230;定山渓を過ぎたあたりで雲行きが怪しくなり,落ち始めた雨は上るにつれて霙まじり.ライン上に氷雪は無いが,センターライン付近には所々シャーベットが残っている.スタッドレスを履いたままで良かった.
雪の残る中山峠;道の駅駐車場に乗り入れたものの風雨が強くクルマを下りる気にならず,喜茂別まで下り“郷の駅 ホっときもべつ”のラーメン屋さんで虫養い.


R276→r478・343→R5と繋いで蘭越は13時半.宿に入るにはチト早い,つーコトで久し振り,黒松内“道の駅 トワ・ヴェール・ドゥー”までオーバーラン.お気に入り;スモークベーコンを求め発泡クーラーに納める.


因みに,此方のイートインではこのベーコンと,同じくトワ・ヴェール製のチーズを使ったクリームシチューを頂くことができる(単品で400円くらい;ベーカリーコーナーのパンとのセットメニューもある).
具材のカットが小さめでシチューよりはチャウダーと言った印象.華も押しもない顔立ちなので“え~? コレでよんひゃくえん~?”と思わず口走りそうになるのだが,一口啜れば納得.極々シンプルで控えめな味付けながら,“良い素材を使えばアタリマエの料理はこんなに美味しいんだ!”と言う見本のような一皿に仕上がっている.所謂“グルメ”とは凡そ縁遠いのだが,この味を規範に自身の普段の料理を磨きたいと思わせてくれる,オススメの一品です.


取って返したR5,目名峠付近からニセコ連峰西半を望む.
今日のお宿は真正面,目国内岳(Alt=1,220m)の中腹.蘭越から白樺山とのコル(新見峠)を目指し,r268にImpを進める.


ペンケ目国内川沿いの九十九折れを抜け冬季通行止めのゲート直前,お宿到着はチェックインタイムの15時丁度.
お湯とお料理のレポは,かみんぐす~ん?(タメるなってばッ!)

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