烏合庵奇譚

Welcome to Raven's roost
渡烏の戯言など… お聞き流し下さい.

なめた鰈を煮付ける #02

2010-04-04 13:39:16 | 烏合庵の食卓
例によっての休日スーパー,鮮魚コーナー.丸のババガレイ(青森県産,1尾¥350~400-;表記は“ばばがれい”)と目が合ってしまった… 
嘘です.無眼側(白いほう)上にしてパック詰めされてました (^^;)ゞ
とまれ好物“なめた鰈”,一匹付けには一寸大きめだが,休日の贅沢,人数分を求め煮付けることにする.


“滑多鰈の煮付け”は以前も記事にしたが,そのときの鰈は“ヒレグロ”.今回の“ババガレイ”のほうが身質がやわらかいので,綺麗に仕上げる自信は無いが…

あまり弄らぬように,束子でぬめ(滑)を落とし,背骨に沿って包丁目を入れる程度の下拵え.人様にお出しする訳でも無し,腸(わた)や鰓は抜かずとも,拙庵住人は自分で除けて上手いこと喰い切ってくれるから心強い.


水を張り昆布を敷いた鍋に並べて弱目の中火に掛け,沸き端にとろ火に落とし5分ほど.包丁目が弾けたら煮汁の味をみて,酒・味醂・醤油・生姜少々で薄味に調え,クッキングペーパーの落し蓋(湯気抜きに,真ん中を1cm角ほど切り抜いておく)をしてとろ火のまま20分ほど,時々煮汁を廻し掛けながら炊く.


一旦火を止め粗熱が取れるまで休ませて食べ際にさっと暖め,煮汁で和えた若布を添えるのは拙庵のお約束.案の定,盛付けで少々身割れしてしまったのは,些か鍋が小さかったから… と,日記には書いておこう.


夕餉の献立.滑多鰈煮付・茄子と鶏胸肉の大蒜炒・青海苔(ヒトエグサ;浜名湖産)と胡瓜の三杯酢・建長仕立味噌椀・胡瓜と人参の三五八浅漬.煮付け以外はつれあい謹製.
なめたの煮付け,美味いです.きめ細かくしなやかな身と,鰭ぎわ(エンガワ)にのった脂の上品な甘さ.これを食べたいがために頭を落とさず煮付けた,ほんの一箸(裏表あわせれば二箸と言うツッコミは無しネ)の頬肉のむっちり加減.一寸大きめかと思った一匹付けも,あっという間.
すっかり綺麗に,いただきました!



補追:
東北地方などで煮付けに重用される“滑多鰈”はババガレイのことで,しっとり柔らかい身質(と冬場はびっちり詰まったほくほくの真子)が身上だ.ごく新鮮ならば刺身も飛切り美味い(山葵醤油よりもポン酢に紅葉卸のほうが相性好いと思う).干物は今迄のところ(少なくとも道内では)見掛けた事は無い.見付けたら即座に手を伸ばしてしまいそうだが…
“なめたの干物”はヒレグロが普通でウェブショッピングサイトでもよく見掛ける.同じ大きさならばヒレグロのほうが身は薄めながらしっかりしており,干物に仕立てやすいこともあるのかもしれない.なかには商品写真は明らかにヒレグロだが,ババガレイと記載している場合もあり,ちょっと混乱しているようだ.
ヒレグロの無眼側はくすんだ色合いだが,ババガレイの地色は白い.所々に小さい黒斑(ホシ)の散る個体も多いが,ヒレグロにはホシはみられないことでも,尾頭(おかしら)が無くとも区別はつけられると思う.

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