烏合庵奇譚

Welcome to Raven's roost
渡烏の戯言など… お聞き流し下さい.

烏合庵の年越し;2010

2010-12-31 23:52:24 | 徒然



長男坊も帰札し久々四人の拙庵,容ばかりの年取膳を整えて.
皆様,どうぞ良い年をお迎え下さい.

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2011 正月仕度 #02;厚田産,数の子を仕立てる

2010-12-30 22:13:59 | 烏合庵の食卓
御節の準備には余り手間を掛けない拙庵だが,私とつれあい,それぞれ何品かを手作りしてお重に詰める.数の子の仕立ては毎年私の担当.
昨年は,初めて道内産の塩数の子(佐藤水産本店にて購入;箱入りではなく小振りや折れ子も混じった店頭限定廉価バージョン)を使うことが出来たが,今年はさらにローカル.10月,増毛方面のドライブついで,厚田漁港の朝市で糠鰊とともに求めたものだ.


ご店主によれば“その糠鰊の子だよ”とのこと.“素人だから,結構折れ子も入ってるけど…”
いやいや,ご謙遜.なかなか立派じゃないですか.色艶も良し,自家用ならば十二分.一袋(8本ほど)千円は,破格です!


先ずは塩抜き,昼から始め.さっと洗って薄めの点塩(約1%;吸い物くらいの塩加減)に沈め冷蔵庫.寝る前一度,点塩を変え,翌日昼には塩抜き完了.


薄皮(あまり付いてはいなかった)を剥き,姿の良い3本を刺身用として一寸濃い目(1.5%程度と思う)の新しい点塩に浸して冷蔵保管.残りを味付に回す.


昆布と鰹で飛切り濃く取った出汁に酒と味醂を煮切って加え,昆布を沈めて醤油で塩梅.昆布が解けたところで容器に並べた数の子に掛けまわし,昆布を被せて冷蔵庫.


美味しく漬かってくださいね.
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2011 正月仕度 #01;我流,鯨汁を仕立てる

2010-12-29 23:36:22 | 烏合庵の食卓
学校給食の食材に鯨が当り前に使われ,自身のカラダの多分一割強は鯨で培われたと自負する世代.駿河湾奥の出自,鯨は愚か,湾東の伊豆の在からフレッシュな海豚の赤身やら,果ては皮付きの皮下脂肪がアタリマエに魚屋の店先に並べられ,結構日常的に食してはいたのだが…
塩をした鯨の脂で仕立てた“鯨汁”なるものを頂いたのは渡道後の事なれど,確か出先の定宿で出された初見のそれが,何だか妙に“懐かしい”味わいの一皿だったことを思い出す.
独身時代何度か試し,それなりに再現は出来たと思ったのだが,つれあいは鯨の脂がからきし駄目(鯨ベーコンにも箸を着けない;そのくせ鯨カツや竜田揚は美味いウマイと喰う)のようで,一度作って喰わせて以来,拒否権を発動し続けていた.
今回の鯨脂は近所のつれあい友人からの頂き物(夫君が札幌中央卸売市場で塩干品を扱っていらっしゃる;期限落ち前のロット払いとは思うが有難く).長男坊も帰札する年越しは丁度良い機会,とゆーワケで…


本来は黒皮付きの塩鯨で仕立てるらしいが,今回のものは皮を削いだ刺身用の柵(ミンククジラと思う).豆腐に突き蒟蒻,根菜(牛蒡・人参)・山菜などを取合せ.仕立ては一寸,変則的.


そのまま煮ると脂でエライ事になるので脂抜き.粗塩を焦した中華鍋で乾煎り(塩鯨の場合は塩を入れない).


染み出た脂は他の具材を炒める分だけ残してお玉で掬い取る(後で味が弱い場合に加減するため,ボウルなどに取っておく).






突き蒟蒻・崩した豆腐・出汁を取った後の昆布の順で加えて確り炒りつけ,




野菜類にも軽く脂を回したら昆布出汁をひたひた.酒・味醂・醤油で塩梅,くつくつと1時間ほど煮込めば好い具合に煮汁の脂が乳化してくる.


この乳化した脂のテクスチャは,個人的には,故“富公@狸小路七丁目”のラーメンスープ(三味,見た目も味もほぼ同じ)を髣髴する.同所で名跡の技を継がんと志す“味道 一徹”さんの出汁に,寸胴(φ≒30cm)一鍋あたりマッチ箱ほどの塩鯨を放り込めば,“私の・想う・富公”に,より近付きそうな予感は有るのだが… 閑話休題.

粗方煮込んだら琺瑯の鍋に移し,粗熱を取って出来るだけ涼しい(寒い?)ところに休め,一日一度,軽く火を通す.


長男坊の気に召すか? 年取り膳が楽しみだ.


p.s.;駿河の戦後世代:鯨や,或は海豚の喰い様:
SSの皆様には白い目で見られるかも知れませんが…
赤身は,所謂“生姜焼き”で食べることが多かった.共働きの両親に代って時折家族の夕餉を仕立る(小学生の)私にも無難に作れたので.鯨カツは,親父が上手だった.
海豚の赤肉も生姜焼きが殆ど.こっちはカツには向きません(特有の‘乳臭さ’が篭ってしまうので).脂身(皮付き)は五分角に賽の目.乾煎りして脂を確り落し,揚げ際に強めに塩してカリカリの熱々を頬張る(コレも親父の得意技;御袋は苦手).矢張り乳臭く,今日ビにウケる味じャぁ無ェが… も一回,喰いてーナぁ!
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2010,ラーメン納めは“麺武 はちまき屋”さん@札幌/太平で…

2010-12-25 14:02:38 | そとめし;ラーメン
2010最後の週末,買い物ついで.
拙庵テキに“外ラー”納めはココっきゃ無いでしョ,で口開け直後の“はちまき屋”さん.久々の三人揃いならばオーダーは自然と散る.“正油(私)”・“しお(つれあい)・“みそ(大;坊主),三人とも何時もの“味薄め”でお願い!
今日も口開けから,次から次のお客様.何時もながらの気配りと回しの良い大将の仕事が頼もしい.

お待ちかね,“ラーメン,通りま~す!”


“正油ラーメン;¥700+きくらげ多め¥30-”の面構え.
(ゴメン,大将! 後ピンだァ m(_ _)m )

何時もながらの美味さです.つれあい・坊主も大満足!
きっちり決まった(画像はさて置き ^^;)ゞ,納ラーでした.

大将・女将さん・スタッフさん,今年も一年,ご馳走さま!
来年もまた,美味しくお願いします! (o^ ')b

p.s.;“はちまき屋”さん年末・年始情報:
12/27(Mon)~01/03(Mon):年末・年始休業
01/04(Tue)~:通常営業とのことです.

食べログ⇒http://u.tabelog.com/ravenatspk/r/rvwdtl/3480031/
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頂き物,蝦夷鹿で二品…

2010-12-21 23:57:09 | 烏合庵の食卓
旧知が今年,ディァハンターとしてデビューした.ライフルはまだ持てない(散弾銃=ショットガンの経験10年以上が必要)が,スラッグ弾で目出度く初の一頭を仕留め,肉も掃けたと言う話を聞き及んではいたが…

予期せぬ着電,“先輩の猟師さんの手伝いで急に出たンすけど,肉,要ります? 俺は外しちゃったんだけど (^^;)ゞ”
要る々々,是非とも下さいな (^^)! ソッコー届けてくれた1kg強.フレッシュミートは初めてだ(冷凍のものは何度か扱ったことが有る).二日前に猟った若牝とのこと.鹿肉の美味さは熟成次第とも聞くのだが,そりゃ経験しなけりゃ解るモンじゃない.取敢えず幾分かを若いまま頂いてみる事にする.

“殆ど腿肉です”とは言うものの,幾つかのパウチに収められたそれらを検めれば,きっちり筋肉毎に採られているのが解る.
“これは外腿・これは内,こいつはシンタマじゃないかな? おー,少しだけど内ロース(所謂‘ヒレ’)と,あと,レバーも入れてくれてる!有難や…”

偶さか少し手に入ると気負って手を掛けすぎて仕舞がちになるのだが,実は前週釧路出張の帰りに“道の駅 白糠恋問”で仕入れた冷凍ストックも有るので鷹揚なもの.スーシェフ(つれあい)と相談.




ヒレ(画像上)と外腿(同下),レバーは頂いた翌日にカツで,


内腿は中一日置いてカレーで頂く事にする.

一品目;先ずは鹿カツ.
精肉はスーシェフ任せで不安なし.私の仕事は彼女が苦手な内臓系,レバーの下拵えだけはその日のうちに.


見たところ,捕獲後の放血はとても綺麗に出来ている様だが,レバーは少し血の気を抜いてやったほうが食べ易いだろう.




先ず,ブロックごと1%程度の点塩に1時間ほど沈めて太い血管に凝固した血液を緩め,


シンクの上で断面を下に向け,両手の掌で挟みやんわりと押して緩んだ血液を絞り出す.


ここから本番.揚げる厚さにスライスしてボウルに取ったら,


“魔法の粉”;粗製糖(所謂三温糖)をパラリと振掛け,組織を壊さないように優しく掻き混ぜれば,暗赤色だったレバーがたちまち綺麗な紅に変る.


後はドリップ(結構生々しい鮮紅色です)を切って水切りの付いた保存容器に移し,冷蔵庫に一晩休ませてスーシェフに託す.

翌日帰庵すれば,夕餉の仕度は既に整う.蝦夷鹿のカツ,ヒレ・外腿とレバーの盛合せ.精肉は1cm程にスライスして包丁の背で厚さ半分ほどに叩き,下味は塩・胡椒.あとは普通の一口カツと同じ手順で揚げたそうだ.


何も付けずに先ず外腿を一齧り.
若い雌鹿の肉は柔らかく,食感は子牛に近いが,筋肉の繊維は更にしなやかで緻密.捕獲時の処理が良いのだろう,仄かに鉄の酸味を感じるが,クセで無くむしろ好ましい風味(本鮪の赤身の味と言えば良いかな).味はヒレの方がやや濃いかな.
ソースは普通にとんかつ用や中濃,好みでトマトケチャップを足したり,白胡麻を当って加えても好いと思う.
今回は,丁度使いかけのマンゴージャムがあったので,下味のアタリを補う程度にウスターソースで延ばして合せてみたが大当り! フルーツの甘味と,ジューシーな鹿肉が抜群に合う!
鹿レバーは(食すのも)初めてで,実は一寸構えてしまったのだが,こちらも呆気ないほどにクセを感じず,牛・豚のレバーがお好きな方には逆に物足りないのではないかと思わせる味わいだ.タルタルソース(チューブ入り市販品)との相性もなかなか.

いやァ,良い肉だ! どれも美味しく,いただきました!
ひとつだけ一寸失敗は,ヒレのスライスが(腿と比べ)少し薄かったこと.ジューシーさをやや損ねた感じ.こっちは叩かないほうが良かったかも (^^;)ゞ …ってか,カツよりブロックのままポットローストしたほうが引き立つかな?… 今後の課題ではあります.

補追;“レバーの血抜きには三温糖!”は,“近江屋 WEB”さんから手法を拝借いたしました.多謝!

(以上記述:2010/12/21;to be continued…)


さて二品目;ざっくり鹿カレー


一晩魚の献立を挟み,この夕帰庵すればカレーの鍋がくつくつと.

“辛いのがイイなぁ,ジャワカレーとか…”,私の希望を唐辛子系の辛さに弱いスーシェフはあっさり却下.拙庵定番,中辛混合(こくまろ+熟カレー).
内腿は,だいたい2cm角の賽の目.塩・胡椒で下味,薄力粉を叩いてバターで炒付け表面を固定.何時ものビーフ(大概,オージーの腿)と同じ仕立てだ.煮込みは短め,1時間程度とか.


炊立てご飯にたっぷり掛けてもらい,さて,いただきます!
おー! 何時もの,ウチのカレーですね.全く違和感,ありません.肉はオージーの腿より寧ろ柔らかく,仄かな鉄味の主張とカレーソースの相性も好ましい.


自作の凝ったカレーソースも面白いだろうが,市販のルーでも十二分に美味い.同じように,市販のビーフシチューの素で煮込んでも,きっと美味しいだろうな.何しろ今日ビ,市販のルーは旨すぎる.

Fクン,ありがとう! 美味しかった !!
こーゆー肉なら,何時でもウェルカム (o^ ')b
機会があったらまた声かけてくださいな.決して無駄にはいたしません.弾代くらいは出すからネ(サボットスラッグ1発≒¥500-;エライカイタタキヨウダナ;爆).

二品とも,たいへん美味しく,いただきました!

(以上記述:2010/12/24)


補追(2011/11/27);
野生シカ肉喫食によるE型肝炎ウィルス感染リスクについて
正直言えば,私は鹿の刺身が大好きです.出張の定宿だった民宿の親父さんがハンターだった事もあり随分頂きました.今でも,新鮮な肉が手に入れば料理の下拵えの時に一片を生で味見したりもします.レバーにしても本心,胡麻油と塩でバクバク喰いたいです.
ただ,少ないとは言えリスクが知られる以上,生肉は(良い物は出したいのだけれど)家人にも供していません.
野生ニホンジカ(亜種エゾシカ含む)のウィルス感染履歴について解り易い資料を見付けたのでリンクしておきます.地域毎の検体内訳も示されており,判断基準になるかと思います.御参考となれば幸いです.
⇒シカのE型肝炎ウイルス抗体保有調査(兵庫県森林動物研究センター)
個人的には,食用に供されないマングースより,レアに近い状態で食される事も多い牛肉などについてのデータを示して頂ければ大いに有難いと思うのですが…
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オホーツク帰路,“ドライブイン39”@愛別町/安足間(あんたろま)で“きのこラーメン”

2010-12-01 23:46:39 | そとめし;ラーメン
前報の如く散々モタついて到達したオホーツク.現地の作業は呆気なく翌日午前中で終了,札幌向き.


取敢ずの峠越え;丸瀬布まではドライだが,紋別道に乗ればすっかり雪道.し~か~も~!
上川に出た途端に“道央道 旭川北‐士別剣淵 ユキ通行止”のメッセージ.ありゃ,比布JCT,使えないのね.しゃーねーか.上川ICで早々R39にエスケープ… ん?39??…


と,ゆーワケで遅い昼メシは(多分)3年ぶりのコチラ.
極々フツーのドライブイン.でもね,


テーブル席と小上りのお店,時分過ぎ.前客2名様のお会計直後,贅沢にテーブルを一人占.ノーマルのラーメン(3味¥650-;味噌は未食)も侮り難くウマいのだが,偶さかの弱み,愛別地産“きのこラーメン;¥850-”を塩でお願い! 今日は女将の御点前で暫し.


お久しぶり,お変りの無い御顔立ち.肉厚舞茸,たっぷりと.
この舞茸が,イイのよネ.(多分無塩バターで)軽くソテーして出汁に潜らせてある.食感と風味を確り残しながら舞茸特有の粉っぽさを抑えた加減は流石.地元の食材,良ォ~く解っていらっしゃる.
出汁は確り豚ガラを感じる清湯.少しの魚,節では無く煮干かな.定食とかにも茸のメニューが豊富だから,皿には載らない石突際もきっと出汁には廻してるよね.塩ダレにも全くカドを感じない.ソテー舞茸の旨味も貰ったふくよかなスープは,旭川流のやや低加水な中細緩縮れ麺と,とても好くマッチする.
舞茸に埋れた分厚い肩ロースのチャーシューは程好く肉っぽさを残し,ご愛嬌;一寸硬めな処も混じるメンマ共々余計な付け味が無くバランスを乱さない.
こーゆー味は,何時喰ってもすんなり(俺の)体に入るなァ.沿線SAで喰うよりは正直一寸だけ手間だけど,次はヤッパリ,“きのこ”を未食の味噌(デフォは醤油,味噌味で仕立てて貰えるかは未確認)で喰ってみるッきゃ無ェか…
ンまかったァ~! 御ッ馳走ォさンでした!

食べログ⇒http://tabelog.com/hokkaido/A0107/A010707/1000529/
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