烏合庵奇譚

Welcome to Raven's roost
渡烏の戯言など… お聞き流し下さい.

“ほん多゛屋”@佐呂間町永代町の“磯揚げそば”

2008-05-31 10:49:07 | そとめし;いろいろ
出張で赴いた佐呂間町.
現場の昼メシはコンビニの買い食いでお茶を濁すことも
多いのだが,この日は時間に余裕が出来た.当地での
お気に入り,“ほん多゛屋”で,生粉打ち(きこうち)蕎麦を
手繰ることにする.


道内産の玄蕎麦を,北見市端野の支店(御亭主の御子息が
営んでいるらしい)の石臼で挽き,供する当日にそれぞれの
店で打ち上げるという十割蕎麦である.


私の定番は“磯揚げ”.冷やしたぬきに大根おろしと生卵黄
を添えたもの,と言えばよいだろうか.
器に盛られた景色も端正だ.早速,頂くことにしよう.


この日の私の一杯は女将さんが湯掻いていたが,
開業20年,阿吽の茹で・〆め加減は御亭主に遜色はない.
トラックドライバーから転身した御亭主(メニュー裏'98道新
のコピーによる)の一本気そのまま,思い切り啜れば唇の
端が切れそうな,ピッと筋の通った蕎麦である.
鯖や宗田(と思う)の節が利いた汁は特段辛いほうでは
ないが,卵黄の甘味に負けず,蕎麦の風味をふくらます
塩梅はさすがである.

蕎麦湯が薄かったのは惜しまれるが,口開け際に濃い蕎麦湯
を所望するのは心得違い.
今度は,新蕎麦の時季,昼時が過ぎた頃 訪れたいものだ.


2012/04/22追記;親父さん,けっぱれ!
自BLogのアクセス解析中に“磯揚げそば”のキィワードを見付け,
改めて“ほん多屋 佐呂間”で検索したところ,地元フリーペーパー
のインタビュー記事がヒットしました.応援したいお店なので,
記事をリンクしておきます ⇒KaKai(嘉会) vol.7:(株)ソーゴー
※自BLogでは此方の辛汁の出汁を“鯖や宗田の節”としましたが,
リンクした記事に拠れば“鰹節と昆布”とのことです.浅識をお詫び
して訂正いたします.
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新茶を淹れる

2008-05-25 15:39:07 | 烏合庵の食卓
静岡の母から,新茶が届いた.
ハウスものならGW前から出回るが,
お袋が送ってくれるのはいつも路地物.
心して,頂こう.

煎茶と棒茶(茎茶)を送ってくれたが,
ケーキと合わすなら棒茶かな.




一煎目は甘味ねらい,湯飲で十分に湯冷まし.
たっぷりの茶葉で,ゆっくりと滲す.


均等に廻し注いで,さあ,召上れ.


私が故郷を離れたのと相前後して,随分と
流行の柔かい味にシフトしてしまった静岡茶
だが,棒茶にはまだ,新茶ならでは,若葉の,
あの青臭い,強い風味がかろうじて残っている.


圧巻は二煎目.熱い湯でざらっと淹れれば
その渋味,生クリームにも決して負けない.
最高の,デザートのひととき.

 … お袋,ありがとう.
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太刀魚で3品

2008-05-25 11:12:49 | 烏合庵の食卓
近所のスーパーに,太刀魚が入荷していた.
GW帰省の折,久々に食べた塩焼きの美味さに
絆され,迷わず手に取った.1本(¥1,280-)
あれば,3人前の刺身と焼き物が十分取れる.
大分県産.フードマイレージからすれば褒め
られたモノではないが,明日は坊主の誕生日.
前祝に,偶の贅沢をお許し願う.


凶暴な面構えの肉食魚だが,身肉は繊細.
塩焼き用の筒切り,刺身の柵,頭と中落ち・
尾の身の細いところは潮用に切り分ける.
柵は,例によって紙〆にしておく.




白身の刺身は,山葵醤油も良いが,好みで
煎酒もまた乙なもの.1合ほどの酒に,梅干
一つ・昆布を加え,弱火で半量ほどまで煎じ,
上げ際,足りない分だけ塩を足して漉しておく.


一塩した身と真子を焼き上げ,潮を点てて
 造里を引けば,太刀魚御膳の出来上がり.


太刀魚の潮は初めてだったが,なかなかの出来!
… と,言いたいところだが,あまりに甘い.
3人前:1L 弱に,1本分の粗は多すぎたのだろう.
生臭さは微塵も無いのだが,吸い物としては余りに
濃い.知らない人に飲ませたら,“化調まみれ”と
評されかねない濃厚さだ.塩ラーメンが造れるかも.

造里のしっとりとした食感,皮目と縁側の甘味.
焼物のほこほことした甘さは流石に旨い.
        … 潮の不手際が悔まれる.

今度ハンドルするならば,中落半分,焼込んで,飯に
載っけて渋茶掛け,骨茶(こつぢゃ)で〆が正解か.

ともあれ今日も,“いただきました”.
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プチツー & そとめし,@毛無峠

2008-05-19 00:48:37 | Ape & Imp
札幌⇒銭函⇒朝里⇒毛無峠,& v.v.

GW前のチェーン交換直後に続き,今シーズン2回目の
毛無.札幌は快晴・微風.今日も一発,目覚めたApe.
一路銭函・朝里向け.海風はちと,涼しめだ.
一気に毛無の展望台,増毛山地は霞の向こう.


今日の折り返し.余市岳には雪渓が残る.



前回走った時に,HTB“イチオシ”のクルーを見かけ,
O/Aの日時を聞くと,5月6日とのこと.帰省のため
坊主に頼んで録画予約し,帰札後視聴.ネタ仕込み.

レストランに入り,番組の売れ筋ベスト5にランクイン
していたメニューをオーダーする,ミーハーな私.

“生ハム蕎麦”きのこおにぎり・スープ付き,¥840-.
 冷ぶっ掛けに生ハムの小間がたっぷり,さすが
 ソーセージ屋さん,と言いたいくらい載っている.


蕎麦はしこしこの細打ち,香り良し.掛汁は出過ぎない
出汁に甘味と醤油気を抑えた素直な仕立て.生ハムの
当りが加われば,申し分のない具合.スライスオニオンの
アクセントも利いている.薬味の山わさび(セイヨウワサビ
=ホースラディシュ)との相性は,言わずもがな.
お握りも控えめの味付け,茸の香りが高くてこれも美味い.
これからの季節・こっち方面,ツー飯定番,最有力か?

満足の昼メシ,気合OK!  展望台下,
“我ニ追イツク4輪無シ!” … 偶々だけどね.
張碓辺りで軽く俄雨には中ったけれど,
気持ち良いプチツーでした.

Odo;8,161.2 - 8,059.1 = 102.1 km Trip.
Fuel;102.1km / 4.10L = 24.9 km/L.


晩酌の当て,今日のお持ち帰り“炙りジャーキー”
戴き物の乾無花果と一緒に齧れば,オンザロック
にベストマッチ.色々美味しい,一日でした.

2009/03/17 補追:
この記事にリンクしてあるHTB“イチオシ;とれたてランキング”のOAダイジェストは随時更新されております.この記事に該当するランキングは,すでにログアウトとなっているようですので,悪しからずご了承ください.
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鰊で,幾つか…

2008-05-18 00:13:51 | 烏合庵の食卓
GW帰省の折お世話になった知人への届け物を送りに
石狩の佐藤水産サーモンファクトリーに出向いた帰り
がけ,石狩漁港の朝市を覗いてみた.




活けの平目・蛸,ホッケにソイ… 色々目移りする中
で,一寸小振りながら,樽の鰊が目に付いた.鱗塗れ
なのは,弄られていない証拠.刺網ものなら掛り具合
で1尾毎生きが違うのは百も承知.お上さんは掴みで
20尾(300円)数えたあと,さらに1掴み,2掴み.


家に帰り,早速拵え.鰓を取りながら,身に応えのある
何尾かを選び,刺身用.残りは塩をして一夜干しに.


刺身用は,そのまま引くのと,なめろうの二つ.
薬味は,小葱・生姜・大葉・茗荷.味付けには
味噌と,ほんの少しの醤油と味醂.生魚の苦手な
つれあいには,なめろう焼いて,さんが焼き.



中落の潮仕立,つれあいの兄さんから頂いた名古屋の
手羽先佃煮で,夕餉の膳は超豪華.今日も美味しく,
“いただきました…”

おっと,仕上げはなんたってコレね.


熱々渋茶をぶっ掛けて,ざらりとまご茶で,〆めました.
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“大やきいも”@静岡市葵区 の“おでん”

2008-05-12 19:12:06 | そとめし;いろいろ
GW帰省,静岡滞在最終日.市内散策の帰り道.
高校時代,よく立ち寄った焼き芋屋でおでんをつまむ.
坊主どもを連れて行くのは,はじめてだ.


この店は,名前のとおり焼き芋と大学芋がメインだが,芋の上がりの待合い用の意も込めて供するおでんにも人気があり,“しぞーかおでん”のブームもあって,遠来と思しきお客さんの姿も結構みえる.

広い間口の左側に焼き芋の釜場と大学芋のカウンター,右寄りにおでんの鍋が鎮座し,さらに右のカウンターではところてんやお握りなども商っている.店中程に一段高い畳の桟敷があり,小さいデコラのちゃぶ台が2つ3つ,ほかにデコラのテーブルとパイプ丸椅子のセットがいくつか.


おでんの種はすべて串刺しになっており,客銘々が備え付けの小皿に取り,練辛子をへらで掬い,“だし粉”と呼ばれる鯖節などの粉削りと青海苔粉を混ぜたものを好みで掛ける.
種は半片・蒟蒻・牛蒡巻・馬鈴薯・卵・すじ肉などで,すじ肉だけが一串100円,他はすべて60円である.店の奥で煮込んでいるらしく,鍋が空けば間髪を入れず補充される.


おでんの小皿,セルフサービスのお茶っ葉が入った小さな薬缶(¥Free-),湯飲みなどを持って席に着く.

この日の私のチョイス.すじ肉(5片ほどがひと串)・牛蒡巻(1本)・馬鈴薯(四ッ割3個)・結白滝(1巻)・蒟蒻(長細い三角;板蒟蒻から8本取りくらいか?),そして半片(静岡人にとって半片は黒いもので,白くてふわふわしたのが半片だという概念は一切ない;1枚).だし粉はがっぱり掛けるのがお約束.

私にとって,“おでん”とはやっぱりコレである.
ガキの頃,近所の雑貨屋,計り売りの醤油などの使いの駄賃に10円玉2・3個掴み,店の奥の鍋を覗いて何にしようかと思い悩んだあのころ.すじ肉(と言いながら,その店では豚もつだった)15円・卵10円,ほかは全部,5円だった. 握り締めた20円.すじ肉を食べればあとは半片,卵にすれば蒟蒻も食える…
煮詰まったような,真ッ黒い出汁,醤油色に染まった種.ひねかかっただし粉,辛味の飛んだ練芥子…
  懐かしい味,これもオールウェイズ…

お勘定は,食べ終わった串を数えて.値段によって,形が違う.大やきいもでは,すじ肉だけ,先が尖っている.
実家で待つお袋には,大好きな焼き芋(ころんとした甘藷の縦半割を,1mほどもある鉄の浅釜に粗塩を引いて切口を下に並べ,分厚い木蓋をかぶせて蒸し焼きにする)を買っていってあげよう.
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“裸鰯”を喰らう

2008-05-09 23:34:23 | 烏合庵の食卓
GW帰省中の静岡,ある日の朝食.

前日所用で郊外に行ったおり,近くの大型鮮魚店で
喰ったことのない干物を見かけ,思わず買い求めた.
この地で高校卒業までを過ごし,五目釣りと漁港市場での
雑魚漁りに現をぬかしたが,後に学んだ大学の研究室
でフォルマリン漬けと対面するまで,こいつには終ぞ
お目に掛かったことがなかった.


ハダカイワシ.帰省先まで図鑑は携行しておらず,
種まで詳しく同定する術はないが,鱗の禿げた,奇ッ怪な
容貌,食い物として何れ初見参であることは間違いない.
下手物好きの血が騒ぐ.


焼き網に乗せた姿は,背黒鰯(カタクチイワシ)をやや太めにした
感じだが,鋭い歯や鱗の落ちた肌に点々と散らばる発光器などが
いかにも深海魚然とした雰囲気を感じさせる.
滴る油の焦げるにおいに,エビなどを殻ごと焼いたときのような
香りが僅かに混じる.はじけた腹の中に赤いものが見えるから,
餌として食った甲殻類プランクトンによるものか?

焼き上がって皿にのせれば,頭が異様に黒くは見えるが,
身のほうはそれなりにウマそうな見栄えではある.
とりあえず頭だけ外し,目刺しの要領でかぶりつく.


面構えと裏腹,身は思っていたよりも緻密かつ繊細な感じ.
しっとりと乗った脂には,甘味と旨味があり,小さな魚ながら
どこか,より大きなギンダラなどと通じる風味を感じる.
骨は目刺しよりやや硬いが,なかなか旨い魚だ.結局,頭まで食
べてしまった。身近で手に入るなら,たまには食べたい魚である.

帰札して,ぼうずコンニャクさんのサイトを開いてみると,
三重県辺りではハダカイワシの干物は比較的ポピュラーで
あるらしい.そういえば,今回求めたものは,三河湾をはさんだ
愛知県産であった.下手物呼ばわりの浅学にはご容赦あれ.

でも,札幌あたりまでは,なかなか入って来ないだろうなぁ.
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一蘭 @東京/上野 のラーメン

2008-05-08 19:01:26 | そとめし;ラーメン
静岡に帰省の帰り.つれあいと坊主二人を伴って浅草に
一泊.下町の散策と寄席を楽しんだ.

ほとんど正午にホテル到着,荷物をデポ.
アメ横辺りに向かう道すがら,昨春就職した長男坊が,
美味しいラーメン屋を知っているというので案内を請うた.
長男坊の勤務先は三島だが,本社は五反田界隈.大学時代
の友人も都内に就職しているので,何かと来ているらしい.

広小路からJRのガードをくぐり,公園口に向かう小路を
辿ると,山手線のガード下に貼付くようにその店はあった.
かの特許出願“味集中カウンター”の,上野山下口店である.


少し暗めの店内.券売機で食券を買うとオーダーシート
を渡される.ボックスもあるが,郷に入れば….
4人はてんでバラバラに,衝立付きカウンターへ.

先程のシートにスープ・味・油の濃さ,麺の具合などを
チェック.私のオーダーは殆どデフォだが,トッピングだけ,
デフォには入っていない木耳を追加した.
ボタンでスタッフをコールして,カウンター前の小窓から渡す.
ここまで,無言でことが足りる.

暫時,小窓からラーメン登場.丼中央に“秘伝のたれ”.


たれを混ぜずにまず一啜り.白濁豚骨ながら,癖のない仕上り.
比較的さらりとした,ほんのり甘みを感じる仕立てとなっている.
ストレートの細麺は,程良いしこしこ感の中にほんのりと小麦の
味わいがあり,スープの絡みも良い.

たれを混ぜると,柔らかなスープにキレが加わり,えぐみの無い,
爽やかな唐辛子の風味も相まって,これもまた美味い.
チャーシューは柔らかい中に適度な歯触りを残し,私好みの少し
甘めな味付け.木耳(千切り)の戻し具合も良い.小葱も瑞々しく,
香りがよい.博多の本店とは違うのかもしれないが,なかなかの
完成度を感じさせる一杯だ.
ただ,私個人はもう少し“ブタ臭い”仕立てのほうがハマるクチ
ではある.また,秘伝のたれは普通量で辛すぎるほどの利きでは
ないが,スープ自体の柔らかな味をより味わうには,少なめで
オーダーした方が良いかもしれない.

替え玉を頼もうかとも思ったが,このあと,もんじゃなど小腹の
楽しみも残しておきたいので思い止まり,あっさり完食.


丼に黙礼して,さて,と席を立つが,ウマいモノを喰ったあとは
作り手と目を合わせ“ご馳走さん”の一言を残して辞したい,と
思う私は,すでに古い人間なのだろうか.

ちなみに,“替玉プレート”の引き替えを忘れた次男坊,コール
ボタンで呼び出したスタッフは腰を落とし,小窓からひょっこりと
顔を出して応対してくれたそうだ.

⇒http://tabelog.com/tokyo/A1311/A131101/13005552/
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