烏合庵奇譚

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渡烏の戯言など… お聞き流し下さい.

“おそば 枯淡”@札幌/西野で“もりそば”を手繰る

2013-03-17 15:00:49 | そとめし;いろいろ
暫く“そとめし”カテゴリーの記事を上げていなかったが久々に.
口コミサイトで気に掛かっていた“生粉打ちの江戸蕎麦”を謳う西野の蕎麦屋さん.土曜日の中食;つれあいの女子!?会いーコトに,Impを駆って一人いそいそ (^^;)


弥生も半ばと言うのに今年の山之手はまだ雪多く,案内では3台分の駐車場は路側の雪山にも阻まれ2台が精々.傾斜地なので二駆では辛いだろう.こじんまりとしたお店は御亭主夫妻お二人の切盛りと伺っていたが,口切りの店内には未だ奥様はお見えでは無かった.

種物も中々好いようだが確めたい事が二つほど有って初心の“もりそば(¥750-),お願い”…(給料(小遣い)前とて些か懐が寒かった為では断じて無い!…こともない ^^;)ゞ
まあ,お江戸の蕎麦と言えば“並木”しか知らない自分が“確める”なんざ甚だ僭越なのだけれど.


5分程で運ばれた“もりそば”の設えに,一つ目の答えは既に出た.
角盆の右奥に汁徳利,手前右に蕎麦猪口,左に箸置きを兼ねた薬味の小皿.そして…
真ン中に据えられた丸笊は膨みが上,籖目は縦.さらりと拡げた蕎麦の淡い鶯茶.“藪”,ですねぇ(嬉).

猪口に汁を少し採り,強い酒を啜るようにツと一啜り.辛い!けれど尖らない.芯にずんと重い旨味.“藪”の常道;香を飛ばすように長く煮出した強い枯節出汁に生かえし,と思う.
蕎麦はこれまで頂いた生粉のなかでも出色の細打ち.手繰った長さの四分一に猪口の辛汁をちょんと付けて,ずッと啜ればするりと喉に落ち,越し端に淡い香がふっと抜ける.      …美味ぇ蕎麦,だねェ


江戸蕎麦の常とて盛りは控え目.さらりと手繰り切る頃合に土瓶たっぷりの蕎麦湯.汁を展ばせば二つ目の答え;鰹の出汁がぐんと立つ.江戸前の蕎麦ならば,私はさらりとした釜湯で一向構わないのだけれど,此方では態々の仕立てのようだ.されど有りがちに重過ぎず,汁展びの好い素直な誂えが嬉しい.

蕎麦湯まで頂きおえて腹は七分,というのが正直なところだが,満足度は高い.もし近所ならば,“そば前に天抜き,〆にもり”と行きたいお店なのだけれど…

終始私一人だったのを好い事に,勘定掛に御亭主と二言三言お話をさせて頂いた.“上野藪”で勉強されたとのことで,“並木”を引合いは野暮天かも知れないけれど,品書きの“のりかけ”などには並木への想いも込められていると拝察する.“札幌では一番辛いと思います”と含羞む様に仰る笑顔が印象的だった.
まだ(少なくとも私よりは)お若く,お店の名より御亭主の気負いが少し前に出勝ちな印象もあるけれど,蕎麦への想いの故とも思う.次は是非,“花巻”など頂きに上ります.美味しかった.御馳走様でした.
                       鶯や蝦夷地の藪の笹深く 鴉子

食べログ⇒http://u.tabelog.com/ravenatspk/r/rvwdtl/5030607/


2013/07/12 追記;蕎麦屋から中華そば屋へ
2013/05/27 に蕎麦屋としての営業を終了され,07/07 に中華そば屋として再出発されたようです.近々お邪魔したいと思っています.

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