烏合庵奇譚

Welcome to Raven's roost
渡烏の戯言など… お聞き流し下さい.

烏式ラーメン #05;ぶた肉蕎麦汁で“花巻らあめん”

2010-01-31 20:46:02 | 烏合庵の食卓
例によって休日の昼餉.先日“ぶた肉山菜蕎麦”を仕立てた折に,“この汁のやり方でラーメン作れるんじゃないか?”と書いたのだが,それを試す機会が訪れた.釧路流の極細縮麺が欲しいところだが,近間では手に入らない.西山麺に合わすなら…ということで補強に岩海苔を散らし,花巻風に仕立ててみることにする.3人前で麺4玉使用,スープの上りは 1.2L の予定.先ずは前夜,かえしと具材その1の仕込から.


冷凍ストックの豚三枚肉(200gほど)を解凍,5mm程にスライス.被るくらいの水から弱火で煮立て,とろ火で10分程炊く.豚っぽさを最大限貰いたいのでこの時点ではあくは引かない(ゆっくり炊けば端から然程出ないし,いずれ出汁と合せる時に漉す).


概ね火が通ったら酒と醤油(各 2/3カップ),おまじないの味醂(大匙1程)を加えてとろ火のまま更に10分程炊いて火を止める.

次は具材その2.味卵用に茹で始めたのは良かったが,実はゆで卵は私が最も苦手とする料理なのだ.普段滅多にやらないし,何たって途中経過が見えない.見えないモノはコントロール出来るハズなど無い(怒)! ポーチドエッグのほうがよっぽどラクである.


口惜しいが,“全熟なら煮立ってから10分,半熟なら7~8分だョ”と事も無げに宣うスーシェフ(つれあい)の進言を信じるほか無い.できれば黄身をとろとろに仕上げたかったので6分で上げ,殻を剥いてかえしに漬込んでおく.


出汁は昆布・煮干と鰹節.煮干を裂いて(田舎系の蕎麦汁の場合,私は頭もワタも取らない)昆布と共に1L見当の水に沈めておく.
 … ココまで仕込めば,あとは又,明日のココロだ~ァ!



さては当日.休めておいたかえしはこんな感じ.脂は充分だね.


出汁の鍋を中火に掛けてくらっと沸きかけたら花鰹一掴み投入.とろ火に落して2~3分くらくらと.火を止め粗熱が取れるまで落ち着かせたら昆布・煮干・節を漉上げ出汁の上り.



かえしを人肌に暖めて肉と卵をおか上げ,法蓮草を湯掻けば具材が上がる.出汁とかえしを合わせて中火に掛け,沸き端を丼に注ぐ.麺を堅め(今回は2分ちょっきり)に茹上げて泳がせ具材を付けて,岩海苔をたっぷりあしらえば,“花巻らあめん”出来上り (o^ ')b
 … どれどれ,いただきま~す!


うん,なかなか好いです.思ったよりもスープが強く出来て,海苔がなくても麺に負けていない(想定よりも麺の上りが軟目だったこともあるが).海苔を塗せば尚更美味い!
ただ,スープを仕上げる時に,より強くと生醤油(大匙1ほど)を足したのが裏目に出て,一寸だけカドが立ってしまった.方向性は間違いでは無いと思うので,すこし硬めに上がった味卵と共に次回の課題としよう.ともあれ美味しく,いただきました!

補追:
ほかの具材との兼合いで岩海苔を向こうにあしらったが,“花巻=花撒き”の外題からすれば一面に散らすのが元来の趣向だと思う.葱と法蓮草も入替えて,葱を鼻髭に見立てても良かったかも…
このラーメンは,基本的には傾倒する料理人,小山裕久さんの“日本ラーメン”に範を採ったもので,基本・崩しを含め何度も仕立てている.札幌に永いと,オリジナルのロースよりも三枚肉のこってりさが好ましいと感じる.
ちなみに,小山さんの現在のオフィシャルwebページはこちら.“青柳”・“basara”,一度は頂いてみたいなァ (^^;)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ベーコンと彩り野菜のスパゲティ

2010-01-24 21:25:27 | 烏合庵の食卓
日曜昼餉.常備のスパゲティで何か一皿…
冷凍庫漁れば半端に残った“石狩川ベーコン”発見.コレさえあれば百人力! あとは玉葱・人参・赤と青のピーマン.しめしめ,ブナシメジもあった! 久々にアレ,やってみるか.
下拵えのポイントは玉葱.厚めと薄め,2種にスライスしておく.


強めの塩でパスタを湯掻き始めたら(茹時間10分)間髪入れず具材にかかる.普通の2皿程度ならテフロンのフライパンがやりやすいのだが,大喰いの拙庵住人.3人分,500gのパスタに対応するため北京鍋登場.イタメシには何ともミスマッチな画ヅラ…
粗微塵の大蒜(勿論生が良いが今日は冷凍)・鷹の爪を少量のオリーブオイルで湿し,ベーコンを入れて中火にかける.


ベーコンの脂がじくじくと染み出し軽く焦げ色が付いてきたところに,厚いほうの玉葱(薄い飴色)→シメジ(しんなりと)→人参とピーマン(軽く油を纏う程度)の順に加えて炒め,塩で調え胡椒を利かす.


ほぼちょっきりのタイミングで茹上がったパスタを加え,少量の酒と茹で汁をふって和える程度に炒め合わせる.


皿に盛り,薄いほうの玉葱をトッピングして出来上り!


独身時代の定番品(ベーコンはフツーのだったケド).スモーキーな石狩川ベーコンの香り,炒めた玉葱の甘さとスライスオニオンの辛味が利いて,シンプルながら美味いです.
具材を炒める時に,(ピーマンなどと同じタイミングで)半切りのミニトマト(一皿分2~3個ほど)を加えればまた一味の違いが楽しめる.好みでパルミジャーノを卸して振るも良し.
なんてコト無い料理だけど取り上げたのはその昔,付き合い始めた頃のつれあいに初めて喰わせた一皿だからだったりして (^^;)ゞ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

鮭筍缶をサラダ仕立でいただく

2010-01-24 13:18:13 | 烏合庵の食卓
少し遅めに帰庵した週日.風呂から上がりビール(と間違えちゃいましたぁ!)で喉を潤していると,つれあいが夕餉(晩酌?)の膳を調えてくれた.その中の一品.


伝のツテからの頂き物である.昨年5月,うちの坊主が専門学校の実習店舗で扱った小樽水産高校の秋刀魚味付缶(坊主が2缶自費購入)を喰ったがなかなか美味かった… と言うようなことを友人に話したのだが,その友人の御友人に伝が有ったらしい.ありがたい事だ.


原材料をみると,グルタミン酸が使われているものの,“糖類”やら“憎粘剤”やらの文字が無いところが潔い(それらの闇雲な否定派ではないけれど).

レシピはつれあい.オリジナルは秋刀魚味付缶を使い,軽く水に晒した千切大根とスライスオニオン(色合いとしては紫玉葱)の上に煮汁ごとドバっとぶち開ける.それだけ.でも美味い!


今回は,それを鮭筍缶に応用したわけだが,甘辛いタレの味が大根には好く合う.若布は撮影上の色合い(貝割菜がストックに無かった)で添えたのだが,これがなかなかの相性だった.2日間の休肝日明け,焼酎(甲類;拙庵愛用は大雪の水を使用しているそうな)のロックが,進むこと!!   シメはやっぱり,ホネだよね (^^)b



いやぁ,ウマかった.缶詰とはなかなか侮りがたきモノである.今度はコイツで試してみよう!

余談:
“さけ筍缶”なのにカラフトマス? というツッコミは長くなるので入れない.“サケ”とカタカナ書きしなければ問題ないと思う.
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ほぼ一年ぶり,“爐(いろり)”@札幌/北5西6で,5年ぶりかな?の“醤油らーめん”

2010-01-15 23:52:08 | そとめし;ラーメン

午前中,中央区で用務.職場への帰りがけ,迷わずコチラ.偶さか来る身としては,フラッグシップの“スペシャルらーめん”をオーダーしたいところだが,今回はそこを敢えて堪え,初心の“醤油らーめん(¥750-)”をお願いする.
思えば路面店であった頃の此方では,スペシャルを頂く贅沢は十回に一度も無かっただろう.釜前のカウンター,茹上げた麺を中華鍋に沸かした出汁に潜らす二代目の手際を眺めつつ暫し.供された“醤油ラーメン”の面構え.


移転して暫くの頃,“スペシャル”の黒さは圧倒的になったが,反面ノーマル(私は此方では醤油味以外を頂く事は稀だが)の“焦がしラード”コーティングがやや薄くなった時期があって,若気であった私のオーダーはよりインパクトの強いスペシャルに傾いていた.
今回の醤油.流石にスペシャルほど黒くは無いが,白濁した淡い褐色の豚骨醤油スープとマーブルの対比を為す“焦がしラード”のテクスチャは,風味は異なるものの旭川“蜂屋”を彷彿する.
今日ビの造り込んだ味に馴れた舌には呆気ないだろうほどさらりとした豚骨出汁.札幌に於ける濁り豚骨出汁の萌芽の様を今更にして顧る想いがする.“何モ彼モ皆,懐カシイ…”(自爆).
旧知に馴染み,“カレーライスのスプーン(事実,此方では今もカレーライスを供している)”はレンゲに置き換えられていた.スープをたっぷり啜るには確かにこちらが良いのだが,味噌やスペシャルに添えられる挽肉を残らず掬い上げるにはスプーンの方が向いている.残す事に頓着の無い世代には関係無かろうし,基本,丼持ち上げて啜り切る私にもまた,ドーデモイイことなのだが…

堪能しました.ご馳走様!
思えば,見てくれでは3味の区別が付かないラーメンに,私は惹かれ続けて来たのではなかったか?
“富公”に始まり“爐”に“蜂屋五条支店(もともと正味のみで味噌は最近だが,裏メニューで塩は随分前から有った)”etc.…  冠した調味料故の色合いや味を凌駕する,その店固有の一本気な意匠.
各味ごとに出汁を変え麺を変え,手管尽して供される美味しい一品には及びもつかぬかも知れないが,そんな愚直なラーメンが,私はやっぱり好きなのである.

食べログ⇒http://tabelog.com/hokkaido/A0101/A010101/1000319/
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2010 初ラー,“麺や けせらせら”@札幌/太平で“塩らぁめん”

2010-01-10 23:03:57 | そとめし;ラーメン

休日,スーパーへの買い物ついで.'10 初ラーにして初訪のこちら.気鋭のお店として夙に名高いが,太平ではついつい5-3に足が向いてしまいがちで懸案のまま.拙庵初ラーには相応しいだろう.
気負いすぎてのシャッター前(駐車場が少ないとの情報で確実を期した故もあるが… 後続の諸兄,御免 ^^;)ゞ
カウンターに着き,殆ど決め打ちの注文.私とつれあいで“塩二つ,おねが…”言う間有らばこそ,品書筆頭の味噌に気を奪われたかと思った坊主が“もう一つ,大盛りで!” …散らなかった (--;)

丁寧・確実なご店主の手際眺めつつ暫し.供された“塩らぁめん”,何とも柔和な御顔立.


見た目のとおり,味わいもまた限りなく穏やかだ.浅学にして“鶏白湯”なる仕立のラーメン自体が初見ゆえ比較対象を持たないが,丁寧に取られた出汁だと言う事だけは直感的にわかる.塩気もまた一切のカドが無い.
そしてこの粘度.対流が抑制されるためか,火傷する程でない適度な熱さが持続する.予想よりやや柔目に茹でられた麺も粘度の高いスープのおかげでタレが少ない.バラチャーシューをはじめとする具材も控えめの味付ながら気の配られたもので,丼一杯,調和の乱れが無い.

美味しかった.ご馳走様.正直なところを言わせて頂くなら,私はもう一寸だけ,“引っかかり”のある味が好みかな.その意味では,醤油のほうがより私好みでありそうな予感がある.一寸やそっとで崩れる出汁では無さそうなので,味噌も是非試してみたい.つけ麺を頂くのは,それからでも遅くは無いだろう.

お店の名前,ショップカードに配された“知足”の落款.意気や好し!
雪が溶けたらチャリでお邪魔したいお店が,また一つ増えた (^^)b

食べログ⇒http://tabelog.com/hokkaido/A0102/A010201/1009525/
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

松納め

2010-01-07 07:50:05 | 徒然
七日朝.いつもより少し早く起き,注連飾を外す.昨年の破魔矢と併せて纏め,近所の神社の歳徳焼きまで床の間でお休み頂く.


卓に着けば,つれあいが七草粥の朝餉を仕立ててくれた.
前夜刻んで(七草囃子は唄っていなかったようだが…)軽く湯掻いておいた七草を,炊き上がった白粥に混ぜる.名残の田作りも添えて頂けば,若草の香と共に拙庵の松が明けた.
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Mission o’Zoni 2010

2010-01-04 21:39:21 | 烏合庵の食卓
三ヶ日の恒例;元旦の初詣・二日三日の箱根駅伝テレビ観戦・雑煮の仕立.残念ながら,箱根では我が母校は今二歩(一歩で無いのが更にツラい)のところで又してもシードに届かなかった.

と,ゆーことで,2010年正月,雑煮総括.

元旦;鶏と三ッ葉 / 塩と鶏の煮汁で仕立


元日夕;海老塩煮と小松菜 / 海老(アルゼンチンアカエビ)の煮汁で仕立


二日朝昼兼;新巻鮭と馬鈴薯・菜之花 / 昆布出汁と新巻の塩で三平風に


三日朝昼兼;鶏と芹 / 鶏の煮汁醤油強めの仕立


手前味噌だが今春一番の出来は新巻かな.暮に出掛けた札幌駅前.“佐藤水産”,安かったので何気に掴んだ切落し.しょっぱいけれど,塩が好~く熟れている.この“塩気”が欲しいんだよね.昆布出汁の他は酒(紙パックの一応純米)だけの塩梅.十二分(塩が七分,気(熟れ)が五分)でした.ご馳走様!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

恭賀新年

2010-01-01 10:01:01 | 徒然
みなさま,明けましておめでとうございます.
おかげさまで穏やかな元旦を迎える事ができました.



2010年も変らずゆるゆると更新してまいります.
本年も,どうぞよろしくお願い致します m(_ _)m
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする