プレオの冬タイヤ交換を済ませ,買出しに出掛けたスーパー.鮮魚売り場でなめた鰈(ババガレイをなめたということも多いが,目の無いこちら側;無眼側の色にくすみの有るこれはヒレグロ.ババガレイの無眼側は真っ白である.一夜干のなめたはヒレグロの場合が多い)が目に留まった.ヒレグロとしてはやや小ぶりだが,我家の食い扶持と数も合ってリーズナブル.煮付け用に拵えてあるので手間要らずだ(尤も,尾頭が付いて居てくれた方が私好みではあるのだが…).迷わず購入.
煮付け方については,“青柳”主人,小山裕久さんの著“日本料理で晩ごはん”に範を採らせて頂く.なめたは粗方拵えてあるが,おまじない,表裏とも背骨に沿って包丁を入れておく.切目から骨に沿って熱や味が行きわたり,身離れも良くなると言うことだ.
小山さんのやり方は至ってシンプル.鍋に水を沸かし,煮立ち際に鰈を入れ,あくを引き,落し蓋をして中火でことこと20分.出汁の味を見て調味料(薄口・濃い口の醤油,味醂,酒)を加えて火を止める…
今回は素材がかなりあっさりした魚なので,私なりのアレンジ.水を張った鍋に昆布を敷いて鰈を並べ,少量の酒を加え生姜を散らしてとろ火に掛ける.昆布の塩気と酒の糖分に鰈と煮汁の濃度(浸透圧)差を緩和させて,素材に余計な水気を吸わせないのが狙いである.常温からゆっくり加熱することで均等に温度が入り,身に偏った収縮が起こらず煮崩れしにくい.あくも大して出ない.
くらくらと沸き,包丁目がふわっと開いてきたらさっとあくを取り,味醂と醤油で薄味に塩梅.キッチンペーパーの落し蓋をして10分ほどことこと炊いて火を止め,20分ほど休めておく.
出汁の出た煮汁.小山さんはこれでもう1品,玉葱の卵とじを作っておられたが,今回は取合せに若布をさっと炊き合わせることにする.
食べ時に鰈をさっと暖め,昆布とともに器に盛る.残りの煮汁に戻した塩若芽を加えてさっと一煮立ち.水溶き片栗粉(ほんのひと垂しの酒と醤油を加えておくと煮汁と馴染みやすい)で緩いとろみを付け,鰈に添えて煮汁もたっぷりと掛ける.煮汁に粘度を与え,絡み易くする手法も(別項だが)小山さんが紹介しておられる.
今晩の献立,鰈以外はつれあいの設え.青梗菜とエリンギ・豚小間の蠣油炒め,軽く炙った油揚げとえのき茸の味噌汁,さっと晒した千切大根には摺胡麻・揉海苔・おろし山わさびを添え,ぽん酢を掛けて頂く.磯つぶの醤油漬けは既成のもの.
ヒレグロの煮付けは,脂乗りではババガレイ(煮付けとしてのなめたは,こちらが本家かもしれない)に些か劣るものの,ほろほろと舌に解れる身肉のしなやかさ,そこはかとない甘味と風味は捨てがたい.ほかの鰈は時期を過ぎ,ババガレイなら倍額では到底下らないところ.得難い初冬の美味である.有難く,頂きました!
煮付け方については,“青柳”主人,小山裕久さんの著“日本料理で晩ごはん”に範を採らせて頂く.なめたは粗方拵えてあるが,おまじない,表裏とも背骨に沿って包丁を入れておく.切目から骨に沿って熱や味が行きわたり,身離れも良くなると言うことだ.
小山さんのやり方は至ってシンプル.鍋に水を沸かし,煮立ち際に鰈を入れ,あくを引き,落し蓋をして中火でことこと20分.出汁の味を見て調味料(薄口・濃い口の醤油,味醂,酒)を加えて火を止める…
今回は素材がかなりあっさりした魚なので,私なりのアレンジ.水を張った鍋に昆布を敷いて鰈を並べ,少量の酒を加え生姜を散らしてとろ火に掛ける.昆布の塩気と酒の糖分に鰈と煮汁の濃度(浸透圧)差を緩和させて,素材に余計な水気を吸わせないのが狙いである.常温からゆっくり加熱することで均等に温度が入り,身に偏った収縮が起こらず煮崩れしにくい.あくも大して出ない.
くらくらと沸き,包丁目がふわっと開いてきたらさっとあくを取り,味醂と醤油で薄味に塩梅.キッチンペーパーの落し蓋をして10分ほどことこと炊いて火を止め,20分ほど休めておく.
出汁の出た煮汁.小山さんはこれでもう1品,玉葱の卵とじを作っておられたが,今回は取合せに若布をさっと炊き合わせることにする.
食べ時に鰈をさっと暖め,昆布とともに器に盛る.残りの煮汁に戻した塩若芽を加えてさっと一煮立ち.水溶き片栗粉(ほんのひと垂しの酒と醤油を加えておくと煮汁と馴染みやすい)で緩いとろみを付け,鰈に添えて煮汁もたっぷりと掛ける.煮汁に粘度を与え,絡み易くする手法も(別項だが)小山さんが紹介しておられる.
今晩の献立,鰈以外はつれあいの設え.青梗菜とエリンギ・豚小間の蠣油炒め,軽く炙った油揚げとえのき茸の味噌汁,さっと晒した千切大根には摺胡麻・揉海苔・おろし山わさびを添え,ぽん酢を掛けて頂く.磯つぶの醤油漬けは既成のもの.
ヒレグロの煮付けは,脂乗りではババガレイ(煮付けとしてのなめたは,こちらが本家かもしれない)に些か劣るものの,ほろほろと舌に解れる身肉のしなやかさ,そこはかとない甘味と風味は捨てがたい.ほかの鰈は時期を過ぎ,ババガレイなら倍額では到底下らないところ.得難い初冬の美味である.有難く,頂きました!