近所のスーパーに出向いたら,地場の春鰊を見かけた.
なかなか,鮮度も良さそうである.
子持ちの雌のパックもあって,塩振り焼きも魅力だったが,
ちょっと刺身気分だったので,雄(2尾 ¥480-)を買い求めた.
帰宅してパックを解いてみると,残った鱗はまだピッとしている.
シメシメである.いそいそと下ごしらえに取りかかる.
頭を落として三枚におろし,腹骨を厚めに削いでおく.
キッチンペーパーを拡げ,皮目を下にして片身を置き,
酒で湿らせた昆布を載せ,身を下にしたもう片身で挟み,
ペーパーで巻いてゆく.
一重巻いたら,ペーパーの上から両面に軽く塩をして,
残りのペーパーで巻き上げ,きっちりラップして
冷蔵庫に2時間ほど寝かせておく.
残った頭・中落ち・白子,削いだ腹須は三平にして,
余すことなく頂くこととしよう.
頭を割り,鰓を取ってよく洗う.ぶつ切りの中落ち,腹須とともに
べた塩をして,白子にも塩を当てたら,これも冷蔵庫に寝かせる.
鍋に水を張って,昆布を水出ししておく.
馬鈴薯・人参を乱切りして昆布を浸してある鍋に入れ,
弱めの中火で水から炊いてゆく.
煮立つ間際で弱火に落とし,昆布を一度取り出して,細めの
短冊に切って戻し,馬鈴薯・人参に七分ほど火がはいるまで
弱火でくらくらと炊く.
取り置いた鰊のあらと白子に熱湯を廻し掛け,
冷水に取って水気を切り,鍋に加えてそのまま弱火で炊いてゆく.
野菜に火が通ったら,酒少々を加え,足りなければ塩を補って,
薄めの笹切りにした白ねぎを加え,さっと煮立てて出来上がり.
三平が整ったら,いよいよ刺身を引こう.
ラップとペーパータオルを外し,薄皮をむいた身は,
血合いの紅に皮目の銀白も艶やかだ.
皮目を上にして,頭のほうから尾に向けて,
小骨を絶つように斜めに削いでゆく.
千六本の大根と,もどした若布をつまにして盛り付ける.
漬け汁はわさび醤油も良いが,今日は,かぼすポン酢.
常備のものは少し強いので,昆布の水出汁で割っておく.
薬味はやげん堀の七味をあててみた.
今日の夕餉.春鰊のこぶ〆メと三平に加え,
つれあいは肩ロースの叉焼を焼いてくれた.
焼酎のお湯割りが,いやが上にもすすみそうな献立である.
それでは,頂きます.
まずは刺身を一片.しこしこの身を噛みしめると,
ほのかな脂の甘みが追いかけてくる.
今度は,大根と若布を巻き込んでもう一片.
大根の甘みで脂がさらに解け,若布の磯の香が心地好い.
七味に配された珍皮が,ポン酢の柑橘感を際立てる.
ああ,美味い…
次は,三平.
潮でもいけるかと思えるほど,すっきりとしている.
馬鈴薯の素直な甘みと,白子のコクも好対照だ.
削いだ腹須の小骨が煩いのもご愛嬌か.
つれあいの叉焼は,八丁味噌を主に漬け込んで,
レア気味に焼き上げてある.
切り口をさっと炙ってあるので,香ばしさもひとしおだ.
付合せのオニオンスライスやレッドベル,グリーン
アスパラを巻き込めば,肉の風味がさらに拡がる.
ああ,美味かった.ご馳走さま.
夢中になって食べて飲み,ふと気がついて窓を覗けば,
深々と降っていた重たげな雪が,門先の松の枝を曲めていた.
けれどそれは,きっと春の兆しなのだろう.
明日の雪除けの重さを煩いつつ,鰊がくれた春の予感に,
それでも心の解ける夕餉であった.多謝.
なかなか,鮮度も良さそうである.
子持ちの雌のパックもあって,塩振り焼きも魅力だったが,
ちょっと刺身気分だったので,雄(2尾 ¥480-)を買い求めた.
帰宅してパックを解いてみると,残った鱗はまだピッとしている.
シメシメである.いそいそと下ごしらえに取りかかる.
頭を落として三枚におろし,腹骨を厚めに削いでおく.
キッチンペーパーを拡げ,皮目を下にして片身を置き,
酒で湿らせた昆布を載せ,身を下にしたもう片身で挟み,
ペーパーで巻いてゆく.
一重巻いたら,ペーパーの上から両面に軽く塩をして,
残りのペーパーで巻き上げ,きっちりラップして
冷蔵庫に2時間ほど寝かせておく.
残った頭・中落ち・白子,削いだ腹須は三平にして,
余すことなく頂くこととしよう.
頭を割り,鰓を取ってよく洗う.ぶつ切りの中落ち,腹須とともに
べた塩をして,白子にも塩を当てたら,これも冷蔵庫に寝かせる.
鍋に水を張って,昆布を水出ししておく.
馬鈴薯・人参を乱切りして昆布を浸してある鍋に入れ,
弱めの中火で水から炊いてゆく.
煮立つ間際で弱火に落とし,昆布を一度取り出して,細めの
短冊に切って戻し,馬鈴薯・人参に七分ほど火がはいるまで
弱火でくらくらと炊く.
取り置いた鰊のあらと白子に熱湯を廻し掛け,
冷水に取って水気を切り,鍋に加えてそのまま弱火で炊いてゆく.
野菜に火が通ったら,酒少々を加え,足りなければ塩を補って,
薄めの笹切りにした白ねぎを加え,さっと煮立てて出来上がり.
三平が整ったら,いよいよ刺身を引こう.
ラップとペーパータオルを外し,薄皮をむいた身は,
血合いの紅に皮目の銀白も艶やかだ.
皮目を上にして,頭のほうから尾に向けて,
小骨を絶つように斜めに削いでゆく.
千六本の大根と,もどした若布をつまにして盛り付ける.
漬け汁はわさび醤油も良いが,今日は,かぼすポン酢.
常備のものは少し強いので,昆布の水出汁で割っておく.
薬味はやげん堀の七味をあててみた.
今日の夕餉.春鰊のこぶ〆メと三平に加え,
つれあいは肩ロースの叉焼を焼いてくれた.
焼酎のお湯割りが,いやが上にもすすみそうな献立である.
それでは,頂きます.
まずは刺身を一片.しこしこの身を噛みしめると,
ほのかな脂の甘みが追いかけてくる.
今度は,大根と若布を巻き込んでもう一片.
大根の甘みで脂がさらに解け,若布の磯の香が心地好い.
七味に配された珍皮が,ポン酢の柑橘感を際立てる.
ああ,美味い…
次は,三平.
潮でもいけるかと思えるほど,すっきりとしている.
馬鈴薯の素直な甘みと,白子のコクも好対照だ.
削いだ腹須の小骨が煩いのもご愛嬌か.
つれあいの叉焼は,八丁味噌を主に漬け込んで,
レア気味に焼き上げてある.
切り口をさっと炙ってあるので,香ばしさもひとしおだ.
付合せのオニオンスライスやレッドベル,グリーン
アスパラを巻き込めば,肉の風味がさらに拡がる.
ああ,美味かった.ご馳走さま.
夢中になって食べて飲み,ふと気がついて窓を覗けば,
深々と降っていた重たげな雪が,門先の松の枝を曲めていた.
けれどそれは,きっと春の兆しなのだろう.
明日の雪除けの重さを煩いつつ,鰊がくれた春の予感に,
それでも心の解ける夕餉であった.多謝.