雨
夜通し雨の音が
何度も戻ってきたが、
またも
この静かで執拗な雨が降る。
何度も思い出され、
自己主張されねばならない
私とは、
私にとって何なのか?
降る雨の
癒し、
また激しささえが、
私にとっては、
この私以外のもの、
この自己主張的私でないものを、持ちえないのか?
私は、この決定的な不安に
閉じ込められ続けるのか。
恋人よ、君が私を愛するなら、
私のそばに横たわってほしい。
私のため、雨のように、
君は、
私の故意の対他的無関心の
疲労感・馬鹿さ加減・脆弱な自発性からの、脱出であってほしい。
慎み深い幸せに、
君は、浸ってほしい。
《感想》
雨が、一晩中、音を立てて降り、今朝もまだ激しく降る。
だが私は、私の存在にしか関心がない。
雨の癒しも、激しさも、私の存在への私のこだわりを、中断できない。
私は、私の存在への不安に、囚われ続ける。
恋人よ、君が私を愛するなら、私のそばに横たわってほしい。
私が、私の存在に囚われ、他者に関心を向けられないこと、
それゆえの疲労感、馬鹿さ加減、そして脆弱な他者・他物への関心、
そこから君が脱出させてくれたらいいのに!
そのようにして、私たちは、慎み深い幸せに至ることが出来る。
The Rain
All night the sound had
come back again,
and again falls
this quiet, persistent rain.
What am I to myself
that must be remembered,
insisted upon
so often? Is it
that never the ease,
even the hardness,
of rain falling
will have for me
something other than this,
something not so insistent—
am I to be locked in this
final uneasiness.
Love, if you love me,
lie next to me.
Be for me, like rain,
the getting out
of the tiredness, the fatuousness, the semi-
lust of intentional indifference.
Be wet
with a decent happiness.
夜通し雨の音が
何度も戻ってきたが、
またも
この静かで執拗な雨が降る。
何度も思い出され、
自己主張されねばならない
私とは、
私にとって何なのか?
降る雨の
癒し、
また激しささえが、
私にとっては、
この私以外のもの、
この自己主張的私でないものを、持ちえないのか?
私は、この決定的な不安に
閉じ込められ続けるのか。
恋人よ、君が私を愛するなら、
私のそばに横たわってほしい。
私のため、雨のように、
君は、
私の故意の対他的無関心の
疲労感・馬鹿さ加減・脆弱な自発性からの、脱出であってほしい。
慎み深い幸せに、
君は、浸ってほしい。
《感想》
雨が、一晩中、音を立てて降り、今朝もまだ激しく降る。
だが私は、私の存在にしか関心がない。
雨の癒しも、激しさも、私の存在への私のこだわりを、中断できない。
私は、私の存在への不安に、囚われ続ける。
恋人よ、君が私を愛するなら、私のそばに横たわってほしい。
私が、私の存在に囚われ、他者に関心を向けられないこと、
それゆえの疲労感、馬鹿さ加減、そして脆弱な他者・他物への関心、
そこから君が脱出させてくれたらいいのに!
そのようにして、私たちは、慎み深い幸せに至ることが出来る。
The Rain
All night the sound had
come back again,
and again falls
this quiet, persistent rain.
What am I to myself
that must be remembered,
insisted upon
so often? Is it
that never the ease,
even the hardness,
of rain falling
will have for me
something other than this,
something not so insistent—
am I to be locked in this
final uneasiness.
Love, if you love me,
lie next to me.
Be for me, like rain,
the getting out
of the tiredness, the fatuousness, the semi-
lust of intentional indifference.
Be wet
with a decent happiness.