※『白夫人の妖恋』Madame White Snake(1956、日本・香港)豊田四郎監督
※許仙(池部良)、白娘(山口淑子)、小青(八千草薫)、[女交]容(清川虹子)、李公甫、王明、茅山(チザン)道人、仙翁、法海禅師、
※原作は林房雄『白夫人の妖術』。中国の民話「白蛇伝」にもとづく。
(1)西湖のほとりに住む貧しい若者・許仙。ある雨の日に傘を貸し与えたことから、美しい白娘(パイニャン)(侍女「小青」を伴う)に結婚を申し込まれ、銀二包の支度金まで手渡された。
(2)喜んだ許仙が、姉の[女交]容と李公甫の夫婦と共に支度金の包みを開くと、それは県の倉庫から盗まれた「火」印の銀だった。犯人とされ許仙は、蘇州へ流された。しかし金を渡して牢から出され、宿屋の番頭となる。
(3)許仙を慕う白娘は、蘇州まで追ってきた。身に覚えのない罪に問われて、彼女を憎んでいた許仙も、小青のとりなしもあり、美しい白娘と向い合ううちに、恨みは影を潜め、二人は幸福な愛の生活を送ることとなった。2人は薬屋を開く。
(4)ある日、呂祖廟の祭りに出向いた許仙は、茅山(チザン)道人という道士に「妖魔に魅入られている」と警告される。3枚の護符を貰う。それを小青が見ていた。
(5)小青の報告で、白娘(パイニャン)は許仙が「護符」を受け取ったことを知り、茅山道士を憎む。白娘は小青に毒を井戸に撒かせ、病人を増やし薬屋の売り上げを増やし許仙を喜ばそうとする。だが許仙は、白娘を疑い、護符の1枚を貼る。さらに護符の1枚を燃やそうとするが、白娘の嘆願に疑いを解く。
(6)薬屋の許仙は流行り病いで病人が増え、儲かる。許仙が喜ぶので、白娘も嬉しい。茅山は白娘と対決するが、白娘の妖力は、茅山を遥かに上回っていた。かくて茅山道士を白娘が妖術で倒す。
(7)知人の王明(借金取り)の宴で、邪気を掃う酒を飲まされる白娘と小青。白娘と小青は蛇となる。妻の正体は白蛇だと許仙は目撃し知り、そのショックで許仙は死ぬ。
(8)白娘は、死んだ許仙を蘇らせようと天界にいる仙翁の元へ行き蘇生の術(回生草)を深く望み授かる。その間に茅山道士が許仙を蘇生させる。許仙は、恐怖を感じ、救いを仏門に求め、法海禅師の住む金山寺に姿を隠す。
(9)許仙をあきらめきれぬ白娘は、小青とともに、金山寺に赴いて「夫を返して下さい」と懇願したが、聞き入れられない。すると怒った白娘は、金山寺を妖術で水攻めにする。法海禅師や、許仙を守る茅山道人の努力にも拘らず水かさは刻々増し、金山寺は破壊される。許仙は今にも溺れそうになる。
(10)これに気付いた白娘は呪文を止め、自らは濁流に呑まれ、姿を没した。小青は白娘に怒り去ってしまう。
(11)秋になり、許仙は許され、西湖のほとりの故郷に向った。その途中、突然白娘(白蛇)の幻が現われた。許仙は驚きのあまり、白蛇を棒で叩き潰そうとする。「あなたが私を迷わせた」と白娘の幻が言う。だがふと気付くと、その場には白い真珠があるばかりだった。許仙は今や、彼女の深い愛情を悟り白娘の名を呼び、号泣した。
(12)許仙は死を選び霊となり、蛇の白娘(パイニャン)の霊とともに蓬莱の島へ向かった。
《感想1》人間の許仙と、白蛇の精の白娘(パイニャン)は、この世で結ばれることができなかった。2人は、ともに霊となり、彼岸(蓬莱の島)で結ばれる。
《感想2》許仙は、人間世界の常識を捨て、白蛇の精である白娘の「愛」を選んだ。白娘は自分を拒否する許仙を呪い殺すことができず、妖術の力を捨て許仙を生かした。つまり白娘も「愛」を選んだ。純愛物語だ。
《感想3》エドガー・アラン・ポー(Edger Allan Poe)(1809-1849)の詩「アナベル・リー(Annabel Lee)」を思い出させる。「だから天上の天使たちだろうと/海の底の悪魔たちだろうと/裂くことはできない、ぼくの魂とあの美しい/アナベル・リーの魂を――」(And neither angels in Heaven above/ Nor the demons down under the sea/ Can ever dissever my soul from the soul/ Of the beautiful Annabel Lee: ―― )
※許仙(池部良)、白娘(山口淑子)、小青(八千草薫)、[女交]容(清川虹子)、李公甫、王明、茅山(チザン)道人、仙翁、法海禅師、
※原作は林房雄『白夫人の妖術』。中国の民話「白蛇伝」にもとづく。
(1)西湖のほとりに住む貧しい若者・許仙。ある雨の日に傘を貸し与えたことから、美しい白娘(パイニャン)(侍女「小青」を伴う)に結婚を申し込まれ、銀二包の支度金まで手渡された。
(2)喜んだ許仙が、姉の[女交]容と李公甫の夫婦と共に支度金の包みを開くと、それは県の倉庫から盗まれた「火」印の銀だった。犯人とされ許仙は、蘇州へ流された。しかし金を渡して牢から出され、宿屋の番頭となる。
(3)許仙を慕う白娘は、蘇州まで追ってきた。身に覚えのない罪に問われて、彼女を憎んでいた許仙も、小青のとりなしもあり、美しい白娘と向い合ううちに、恨みは影を潜め、二人は幸福な愛の生活を送ることとなった。2人は薬屋を開く。
(4)ある日、呂祖廟の祭りに出向いた許仙は、茅山(チザン)道人という道士に「妖魔に魅入られている」と警告される。3枚の護符を貰う。それを小青が見ていた。
(5)小青の報告で、白娘(パイニャン)は許仙が「護符」を受け取ったことを知り、茅山道士を憎む。白娘は小青に毒を井戸に撒かせ、病人を増やし薬屋の売り上げを増やし許仙を喜ばそうとする。だが許仙は、白娘を疑い、護符の1枚を貼る。さらに護符の1枚を燃やそうとするが、白娘の嘆願に疑いを解く。
(6)薬屋の許仙は流行り病いで病人が増え、儲かる。許仙が喜ぶので、白娘も嬉しい。茅山は白娘と対決するが、白娘の妖力は、茅山を遥かに上回っていた。かくて茅山道士を白娘が妖術で倒す。
(7)知人の王明(借金取り)の宴で、邪気を掃う酒を飲まされる白娘と小青。白娘と小青は蛇となる。妻の正体は白蛇だと許仙は目撃し知り、そのショックで許仙は死ぬ。
(8)白娘は、死んだ許仙を蘇らせようと天界にいる仙翁の元へ行き蘇生の術(回生草)を深く望み授かる。その間に茅山道士が許仙を蘇生させる。許仙は、恐怖を感じ、救いを仏門に求め、法海禅師の住む金山寺に姿を隠す。
(9)許仙をあきらめきれぬ白娘は、小青とともに、金山寺に赴いて「夫を返して下さい」と懇願したが、聞き入れられない。すると怒った白娘は、金山寺を妖術で水攻めにする。法海禅師や、許仙を守る茅山道人の努力にも拘らず水かさは刻々増し、金山寺は破壊される。許仙は今にも溺れそうになる。
(10)これに気付いた白娘は呪文を止め、自らは濁流に呑まれ、姿を没した。小青は白娘に怒り去ってしまう。
(11)秋になり、許仙は許され、西湖のほとりの故郷に向った。その途中、突然白娘(白蛇)の幻が現われた。許仙は驚きのあまり、白蛇を棒で叩き潰そうとする。「あなたが私を迷わせた」と白娘の幻が言う。だがふと気付くと、その場には白い真珠があるばかりだった。許仙は今や、彼女の深い愛情を悟り白娘の名を呼び、号泣した。
(12)許仙は死を選び霊となり、蛇の白娘(パイニャン)の霊とともに蓬莱の島へ向かった。
《感想1》人間の許仙と、白蛇の精の白娘(パイニャン)は、この世で結ばれることができなかった。2人は、ともに霊となり、彼岸(蓬莱の島)で結ばれる。
《感想2》許仙は、人間世界の常識を捨て、白蛇の精である白娘の「愛」を選んだ。白娘は自分を拒否する許仙を呪い殺すことができず、妖術の力を捨て許仙を生かした。つまり白娘も「愛」を選んだ。純愛物語だ。
《感想3》エドガー・アラン・ポー(Edger Allan Poe)(1809-1849)の詩「アナベル・リー(Annabel Lee)」を思い出させる。「だから天上の天使たちだろうと/海の底の悪魔たちだろうと/裂くことはできない、ぼくの魂とあの美しい/アナベル・リーの魂を――」(And neither angels in Heaven above/ Nor the demons down under the sea/ Can ever dissever my soul from the soul/ Of the beautiful Annabel Lee: ―― )
