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エマニュエル・トッド:「権威主義的な中国で人々が決起する」ことはありうる!①平等主義の価値観&②高等教育を受けた人々がやがて人口の25%を占めるだろう!(「東洋経済オンライン」2023/04/04)

2023-04-04 18:46:17 | 日記
※エマニュエル・トッド(Emmanuel Todd)(1951生、72歳)
(1)
中国という国家、つまり共産党と警察部門(※暴力装置)は、中国が強い「平等主義の価値観」に基づいて、共産主義革命を起こしたことを覚えている。しかもこれらの「平等主義の価値観」がまだそこにあると知っている。中国の社会には「公正」を求める要素がある。中国の指導者たちは「人々の決起の可能性」を考慮に入れておかなければならない。これは、中国の統治が非常に難しい理由の1つだ。中国という国家は「内向きのもろさ」を持つ。
(2)
中国はすでに、人口の中に相当数の「高学歴層」がいる。この状況は西洋のどこにおいても、伝統的イデオロギーの解体をもたらした。私は「高等教育を受けた人々が人口の25%を占めた」ことが、ソ連で共産主義が崩壊した本当の理由だと考える。1988年、ソ連の国勢調査によると、高等教育を受けた者の割合が25%に達していた。そして、1990年にシステムが崩壊した。中国は、今のところまだこの水準(25%)には達していないが、やがて達するだろう。
(3)
要するに一方には①中国の文化と革命の伝統として「平等主義」の要素がある。もう一方で②「高等教育を受けた人々」が増えている。「中産階級」と呼ばれる層だ。中国では今や、この階層の比率が、共産主義崩壊直前のソ連と同じ水準(25%)に達しようとしている。「権威主義的な中国で人々が決起する」ことはありうる。

《感想1》エマニュエル・トッドが言うところの「高等教育を受けた者の割合」は、社会全体での人口比だ。
《感想2》これに対し「大学進学率」は、当該世代での大学進学の比率だ。OECDの資料によると2019年、「大学進学率」の上位22カ国は①オーストリア76.8%、②ベルギー69.7%、③ポーランド63.8%、・・・・⑥韓国58.8%、・・・・⑪日本49.8%、・・・・⑮ロシア46.1%、・・・・⑱メキシコ44.7%、・・・・㉒スウェーデン31.1%だ。
《感想3》社会全体での「高等教育を受けた者の割合」は、上記の当該世代での「大学進学率」の半分程度と考えればよいだろう。
《感想3-2》中国教育部発表データによると2017年の中国大学進学率は46.2%だ。
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