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米国における「エリート対庶民」の分断&「米国人を一つにまとめる絆」が必要だ(J. クライン)

2017-11-29 22:19:29 | 日記
J. クライン氏は大統領選挙でトランプ氏支援の言論活動を展開。「知的応援団長」と注目された。

(1)冷戦後の米国政治の失敗を臆さず批判:トランプ氏
トランプ氏は、二大政党の主流派が直視してこなかった冷戦後の米国政治の失敗を、臆さず批判した。
放漫な通商と移民政策、すなわち野放図な資本と雇用の自由移動、また介入主義的外交政策の果てに、いま米国は、低成長、生産性の低迷、格差、社会分断に苦しむ。
(1)-2 潤うのは、資本を持っている人や、ほんの一部のエリート層だけ
確かに株価は高騰し、失業率も低い。
しかし伝統的製造業(労働者)の雇用は、人件費の安いサービス業に置き換わり、賃金は伸びていない。
企業は、技術革新や新たな雇用を生むような価値ある投資でなく、コスト削減や株価対策に血道を上げている。
経済が成長しても、潤うのは、資本を持っている人や、ほんの一部のエリート層だけ。
置き去りにされているのは。労働者層だけでない。
弁護士、銀行員、学者、ジャーナリストといった職業でも、親の時代と比べ、かなり落ち目だ。
(1)-3 米国の国力低下
外交についても、米国には、アフガニスタンやイラクで単独で国造りまで担う力は、もはやない。
《感想》
「経済が成長しても、潤うのは、資本を持っている人や、ほんの一部のエリート層だけ」という状況は日本も同じ。日本は、企業が内部留保を積み上げるばかりで、それらを賃金として労働者に分配しない。
しかも非正規雇用の割合を拡大し、国民相互の分断・嫉み・悪意が深まる。ナショナリズムにマイナスだ。
「政府に反対しない」ことが、ナショナリズムだと、政府は騙そうとする。

(2)臆面もなく国益を追求した中国
中国は、なぜ著しく成長しているのか?それは、臆面もなく国益を追求したからだ。
いかなる国も、自国の産業を効率的に育む権利がある。
中国、日本、仏独は、国民国家として自然体で国益を追求してきた。
(2)-2 市場至上主義や実力主義で、「共同体の価値を重んじる風土」が失われた
米国ではレーガン政権時代(1981-89)以来、市場至上主義や実力主義が浸透し、「富裕が善」「貧困は自己責任」と考える風潮が蔓延した。
他の市民を思いやるという「共同体の価値を重んじる風土」が失われた。
(2)-3 強く健全な国民国家の必要
強く健全な国民国家があればこそ、経済や市場に政治的な制御を及ばすことが出来る。
左派も、「国際主義」を志向する立場に足をとられた。
《感想》
他の市民を思いやるという「共同体の価値を重んじる風土」は、ナショナリズムの根本だ。
他方で、実力主義・能力主義は、社会の活力の源泉だ。これと「共同体の価値」を両立させねばならない。
公平・公正は、国家の理念の一つだ。公平・公正と、実力主義・能力主義を両立させねばならない。
非正規雇用は、〈同じ仕事をするものに、不公平な待遇を強制する〉点で、フェア(公正)でない。

(3)「米国人を一つにまとめる絆」が必要だ
「米国人を一つにまとめる絆」が失われた。
それぞれが、小さなアイデンティティに閉じこもり、互いに対抗。
今は、「米国を一つにまとめるもの」を見出さねばならない。
(3)-2 オバマ前大統領のナショナリズム
オバマ前大統領は、ナショナリズムによって輝いた政治家だった。
「黒いアメリカも白いアメリカもない。あるのはアメリカ合衆国だけだ。」
今、必要なのはこのアプローチだ。
(3)-3 「エリート対庶民」の分断
しかし、オバマ氏は「民主党対共和党」という党派的分断しか見なかった。
「エリート対庶民」の分断を見なかった。
《感想》
大統領選挙でトランプ氏支援の言論活動を展開し、「知的応援団長」と注目されたJ. クライン氏。
この人が、オバマ前大統領を、「ナショナリズムによって輝いた政治家」と評価する点に、驚いた。

(4)トランプ大統領は派手な言動で社会を分断するばかりだ:J. クライン氏
「トランプ大統領には愛想が尽きた」とJ. クライン氏が述べる。(2017年8月に決別した。)
バージニア州で白人至上主義と反対派が衝突して死者が出た事件で、トランプ大統領は白人至上主義への非難をためらい、社会の分断を広げた。
〈停滞した二大政党の政治にくさびを打ち込む〉には、左派の一部も巻き込んだ幅広い国民の結集が必要。
しかしトランプ氏は、派手な言動で社会を分断するばかりだ。
《感想》
「エリート対庶民」の分断に注目する限りで、J. クライン氏の立場は、正しい。

《参考文献》米政治誌『アメリカン・アフェアーズ』編集長Julius Krein(ジュリアス・クライン)(1986-)「トランピズムの潮流:市民の結束・国家の価値を問う」(『朝日新聞』2017/11/7朝刊)
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米国外交の伝統の4分類:対外的関与積極派①理想主義的ウィルソン流と②経済的観点のハミルトン流;国内重視派③軍事行動をためらわないジャクソン流(Ex. トランプ大統領)と④自制的なジェファーソン流

2017-11-29 15:57:07 | 日記
(1)戦後の米国外交は対外的関与に積極的だった:①理想主義的ウィルソン流と②経済的観点のハミルトン流
米国には、対外的関与に積極的な伝統が2つある。
①人権、民主主義、法の支配といった理想主義的理念を掲げ対外的に積極的に関わるウィルソン流。
②経済的な観点から世界秩序に関与することが米国の利益になると考えるハミルトン流。
戦後の米国外交は対外的関与に積極的で、理想主義的ウィルソン流と経済的観点のハミルトン流の2つの大きな外交思想に規定されていた。

(1)-2 (a)国連重視と、(b)米国の単独行動主義(ネオコン)
対外的関与に積極的な戦後の米国外交において、(a)国連などの国際機構を重視する姿勢と、(b)米国の単独行動主義で世界に民主主義を広めようとする姿勢(ネオコン)がある。

(2)国内重視の伝統:③国内重視かつ軍事行動をためらわないジャクソン流と④国内重視かつ軍事行動に自制的なジェファーソン流
米国には、国内重視の伝統が2つある。
③国内を重視するナショナリストで、米国を守るために対外的軍事行動をためらわないジャクソン流の伝統。
④国内重視だが、軍事行動を含め対外的関与に自制的なジェファーソン流の伝統。
トランプ氏は、国内重視かつ軍事行動をためらわないジャクソン流の政治思想を、戦後、体現した初めての大統領だ。

(3)ジャクソン流の米国人(Ex. トランプ大統領)の北朝鮮問題の考え方
日本だけでなく、韓国、台湾が独自の核兵器を持つことを容認する。
それによって、米国の経済的負担が減る。
アジア太平洋地域で米国の軍事的関与を減らし、他国の予算で中国を牽制できる。

(3)-2  ただし、これが実際の米国の態度にならない
ジャクソン流米国人(Ex. トランプ大統領)の最大の難点は、エリートや政策的決定を行うグループの人材不足。
現在、大統領を除き、ホワイトハウスや、実際の政策決定に携わる各省庁の幹部たちは、トルーマンからオバマまでどの政権でも働ける人々だ。
彼らは、「米軍の存在を含め、アジア太平洋地域での現状維持が、極端な不安定化を防ぎ、米国の国益にかなう」との考え方だ。

(4)経済的軍事的な中国の台頭&米国衰退論
「米国第一」、「再び米国を偉大に」との選挙戦の主張は、広く受け入れられた。
経済的軍事的な中国の台頭と米国衰退論が語られる。
しかし米国衰退論は、真新しいものでない。
戦後、ソ連、日本などに対し、米国は常に変化をとげ、対応してきた。
米国は、今後、米国外交の4つの伝統を上手に使いこなす必要がある。

《感想》
トランプ大統領は、結局は「米軍の存在を含め、アジア太平洋地域での現状維持が、極端な不安定化を防ぎ、米国の国益にかなう」との考え方を取るだろう。
これは、「②経済的な観点から、世界秩序に関与することが米国の利益になると考えるハミルトン流の立場」だ。
日本、韓国、台湾の核武装は、中国・ロシアが認めない。
現在の核不拡散条約(核保有国を米ロ英仏中に限る)の体制が、原則であり続けるだろう。

《参考文献》米バード大学教授Walter Russell Mead(ウォルター・ラッセル・ミード)(1952-)「トランピズムの潮流:米国第1外交、実際は柔軟に」(『朝日新聞』2017/11/7朝刊)
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「官僚主義」(前例にとらわれる)、「サラリーマン化」(地位とカネにしがみつく)、「大衆社会化」(正しさ・論理・理想を見失い、損得だけで動く)をくいとめる:吉原毅(ツヨシ)「原発事故と私たち」

2017-11-29 12:25:07 | 日記
2011年3.11東電福島第1原発事故から6年半。
(1)原発をやめない理由
電力会社、大株主、大手金融の3者の反対で原発をやめられない。
《感想》
東電を会社として解体し、国が原発部門だけでも引き継いで(人員はそのままで国有化し)、廃炉処理をしてもよかったのだ。原発は国策だったのだから。
ところがそれは、電力会社、大株主、大手金融の3者が、大損になると、反対した。

(2)「官僚主義」(前例にとらわれる)、「サラリーマン化」(地位とカネにしがみつく)、「大衆社会化」(正しさ・論理・理想を見失い、損得だけで動く)
原発事故は、日本社会が抱える「官僚主義」「サラリーマン化」「大衆社会化」を浮き彫りにした。
①前例にとらわれ方向転換できない「官僚主義」。
②地位とカネにしがみつく「サラリーマン化」。
③正しさ(論理・理想)を見失い、誰もが損得だけで動いてしまう「大衆社会化」。
③-2 日本人は、《人がよい》が論理を軽視する。周囲に流されやすく、「大衆社会化」が進みやすい。その中で原発も忘れられていく。
③-3 「大衆社会化」は明治維新以降、昭和にかけて進んだ。

(3)陸海軍の「官僚主義」(前例にとらわれ方向転換できない)
戦争を招いたのは、「官僚主義」だ。
前例にとらわれ方向転換できず、陸海軍は、戦争に負けることを知りながら、止めようとせず、開戦に突入した。

(4)「周囲に流されない」ための防波堤
(ア)一人ひとりが社会全体を引き受け、自分の頭で考え抜き、行動する。
(イ)意見が違う人を排除せず、話し合い、共有できる理想を見つける。
《感想(ア)》
「一人ひとりが社会全体を引き受け、自分の頭で考え抜き、行動する。」これは、極めて重要だ。
あらゆる出来事に、自分の意見が表明できるよう、怠けずに考える。
時間が無ければ、大雑把でもいいので、方向性だけでも自分で決める。
「人任せ」、「政府(お上)任せ」、「専門家任せ」にしない。
自分で調べ考えて、暫定的でいいから、自分の意見を明確にしておく。
《感想(イ)》
「意見が違う人を排除せず、話し合い、共有できる理想を見つける」。
初めから、意見が違う者を嫌って、議論をしないのは、よくない。
相手が暴力的で、議論をさせない場合は、仕方ないが、意見が違っても、「共有できる理想」が同一なことは多い。その理想についての具体的内容に関して、また、その理想へいたる方法の差違をめぐる議論は、可能だ。

(5)吉原毅(ツヨシ)氏の個人史:「金融業界で何が起こっているか徹底的に考える」
(a)40年前、オイルショック後の就職難で、他社に受からず、祖父の勤めていた信金に入った。後ろめたさがあり、頭を下げてばかりだった。
(b)しかし、自分にも得意な領域があると思いついた。(1)哲学・宗教学を、経営に応用した。(2)数学を、外国為替や投資に応用した。
(c)折しも金融自由化・国際化の時代だった。当時、信金業界のドンだった3代目理事長小原鉄五郎の金融制度調査会での原稿を、書くようになった。
(c)-2 そのため「金融業界で何が起こっているか徹底的に考える」ようになった。
(c)-3 「今起きているのは、お金の暴走だ」と、私自身の結論に至った。

(5)-2 「懸賞金付き定期預金」1994年:「前例がない」と反発する官僚主義と闘う
(d)金融自由化が進む中、1994年、私は「懸賞金付き定期預金」を業界で初めて開発した。今までにない夢のある金融商品を目指した。大ブームとなった。
(d)-2 大蔵省と護送船団業界に守られた業界は「前例がない」(官僚主義!)、「秩序が乱れる」と猛反発。
(d)-3 私は、「法的に正しい」ことを示し、「業界こそ独占禁止法違反だ」と反論し、「国民の強い人気」に支えられ乗り切った。
(d)-4 行政のほうばかり向いていた大手銀行は、その後、一斉に、不良債権問題に苦しんだ。

(5)-3 信用金庫の「脱原発宣言」2011年
(e)福島第1原発事故の影響で、営業区域の半分が立ち入り禁止区域になり、店舗の半数を閉めざるを得なくなった信金があることを知り、地域の人々の生活や企業の活動をそこまで変えてしまう原発の恐ろしさに気づき、2011年4.1、信用金庫として「脱原発宣言」をした。

(6)「サラリーマン化」(地位とカネにしがみつく)をくい止める
やっかいなのは大企業の経営者、官僚、政治家の「サラリーマン化」だ。
人は地位とカネに恵まれると、それにしがみつき、理想を失う。

(6)-2 「脱原発宣言」をする勇気:「地位とカネにとらわれない」
私が理事長になった時、役員を60歳定年とし、自分の年収を支店長以下に引き下げた。
地位とカネにとらわれないと、自由な発想で仕事ができる。
「脱原発宣言」をする勇気も生まれた。
《感想》
すでに年収は、支店長以下なので、理事長を辞めさせられても、年収の激減はないだろうから、行動する勇気が生れたのだ。守るべき地位・カネがなければ、強い。

(7)「大衆社会化」(正しさ・論理・理想を見失い、損得だけで動く)を止める
意見の違う相手とも議論をし、共通の理想を探り、現代社会の病理である大衆社会化(正しさ・論理・理想を見失い、損得だけで動く)を止める。

(8)電力会社、行政、政治の努力とともに、私達にも努力が必要
電力会社、行政、政治の努力とともに、私達にも努力が必要だ。
つまり「官僚主義」(前例にとらわれる)、「サラリーマン化」(地位とカネにしがみつく)、「大衆社会化」(正しさ・論理・理想を見失い、損得だけで動く)をくい止めるため、私達自身が努力すること。
そうした姿勢が原発事故に学ぶということだ。(参照(4)「周囲に流されない」ための防波堤)

《参考文献》城南信用金庫元理事長・吉原毅(ツヨシ)(1955-)「原発事故と私たち:流されない個人、自ら行動を」(『朝日新聞』2017/11/3朝刊)
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物の領域:①他者たちが物の領域に出現する;②君自身が物の領域に出現する;③言葉さえ物の領域に出現する

2017-11-29 09:07:27 | 日記
この辛さを言葉で慰めても、言葉は言葉にすぎない。
君が何か書いても、君一人の領分(世界)にとどまるだけだ。

行動しないと、解決しないことがほとんどだ。
行動とは、抵抗する(=質量をもつ)物の領域での出来事だ。
①他者たちが身体として、物の領域に出現する。
②君の身体も、物の領域に属し、君自身が物の領域に出現する。
③言葉さえ、文字・音声として、物の領域に出現する。

《自分の身体が物の領域に属して存在する》という形式でしか存在しえない自分に、うんざりする。
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黄泉(ヨミ)の国に、君はいる

2017-11-29 08:40:12 | 日記
暗い道だ。憂鬱だ。気分が沈む。
正気は保っている。よかった。
生活していけるか心配だ。
「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」だ。
君は同じことばかり言っている。
気分が変化しない。
楽しい気分にならない。
重苦しく不安。
表情が最悪だ。眉根の皺。自信なさそう。気弱。
黄泉(ヨミ)の国に、君はいる。
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