魅惑のワインと出会う100の方法

デイリーからカルトワインまで、日々探し求めては飲んだくれているワイン屋のおはなし。

ラーメンとワインの味わいの共通点考察

2013年05月12日 | 美味しいもの
本日は独断と偏見による味わいの構造を考えてみます。

大上段の構えから~の・・・偏見!



さて、私はワインバカだ。

それはお読みの皆さんご存じ。

しきゃ~し、トンコツラーメンも結構バカなのか???


昨日は長崎市鍛冶屋町の「エイジヤ」さんへ行ってまいりました。


お店にも面は割れていて(女性店員の方に)、もしかしたら素性もばれている
かもしれません。

さてと、オーダーは麺カタの油少なめ。
本来のスープの味がごまかしようがないオーダーだ。

やってきたのはこちら。





目を引いたのは、ネギが美しい。


さて味ですが、スープをひとすすりしたところで・・・・・


女性店員さん「今日はいかがでしょうか? 前回は軽いと仰っていましたけど」

私「・・・・・」固まる! もう誤魔化しようもないほどマークされている。
もはや研究されたかもしれない。



ひとすすりしてこう答えました。

私「タレが強いですね」

店員「まだまだですか?」

私「まだですね」

そんな恐ろしい会話のキャッチボール。


その後、食べて思ったことを書きましょう。

本日のスープは塩辛すぎです。トンコツのエキスや味わいがまだ軽めなので
それを補おうと塩をとても足しているか、タレを多く入れているかでしょう。
“ラード少なめ”のオーダーでなければラードももっと足されていたかもしれ
ませんね。


さらに食べている途中で、はたと止まってしまいました。塩分が多過ぎてスープ
が吸えません。いつも最後まで飲むのですが、昨日は無理でした。つらいんです。

お店には上の会話以外は何も言わずに出ました。恐くて言えません。



スープが軽くても、そのバランス上でラードもタレや塩分も軽く仕上げてもらう
方が潔いし、真っ向から受け止められます。
しかし、バランスを壊してまで味を強くするのは違う気がするんです。

偉そうだったら謝ります。でもそう思うんです。



ラーメンの場合「基本のトンコツスープ」、それに「ラード」(油分)そして
「タレ」(塩分)。あとはトッピングで変わってくるでしょう。例えばチャー
シューは肉ですので塩分が足される、野菜類は水分が足される等です。



ここで赤ワインを例にとりましょう。

基本は「果実味」。ブドウ果実の濃厚さ、エキスです。薄いと水っぽくなります。
私の大好きな「ピノ・ノワール種」の場合、色も薄く味も軽めですが、エキス分
となるとまったく薄くありません。香りや余韻はフルにきます。他の濃い品種
でしたらもっと分かりやすく舌や脳を直撃してきます。

その果実味にタンニン(美味しい渋み、そして骨格を与える)や酸味(フレッシュ
さやスタイリッシュ感を与える)がサブとして、メインの果実味を支えます。



トンコツスープの場合、骨や髄から出たエキス、思わずがっつきたくなる獣の
風味こそが美味しさの元でしょう。トンコツたる所以です。メインです。

そこにラード(油分)やタレ(塩分)が加わります。さらには麺やトッピングの
味わいもプラスされてきます。しかしそれらはサブなのです。

サブがメインを上回っては成り立ちません。

そう考えるとワインだってラーメンだって、もしかしたら他の食べ物の味わい
だって共通点があると思われます。


メインとサブは上手にバランスしあって料理やその「もの」の味を作っていくの
です。ステーキは肉質(メイン)が大切ですが、味付け(サブ)も大切です。
サブが強く出るとメインの味を壊しますし、結局ソース(タレ)の味で、「あの
食感のするもの」を食べているだけ、という構図になりますよね。


そんなわけで本論に戻りますが、エイジヤさんは迷走中です。
それは真面目にスープを作っているからこそなのです。安定して美味しいスープ
作りはとても大変な作業なのでしょう。素人が言えるのはこの辺りが限界です。

でもしばらくしてまた食べに行きます。
期待しているからこそ要求や思いは増してしまうのです。本来の久留米スタイル
の呼び戻しを使った味が戻ってくれると良いのですけどねえ。


コメント
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