住職の独り言

~ご縁に触れて~

樹木希林さんと仏典

2018年09月19日 | 独り言

~2018.9.18産経抄より~

40年以上も別居していたロックミュージシャンの夫、内田裕也さんと、なぜ別れないのか。女優の樹木希林さんは、これまで何度も聞かれた。樹木さんは若い頃から、仏典に親しんできた。

▼不登校の情報紙、「不登校新聞」のインタビューで、いきなりお釈迦(しゃか)様の話を始めている。ダイバダッタという、師に背き命まで狙う弟子がいた。困り果てたお釈迦様は、ある日気づく。「ダイバダッタは、自分が悟りを得るために難を与えてくれる存在なんだ」。

▼樹木さんにとって内田さんは、そんな「有難(ありがた)い」存在だった。左目の失明や全身に転移したがんもまた、自分を成熟に導いてくれる難ととらえた。樹木さん自身も、かつてはダイバダッタだった。文学座時代は、大先輩の名優、杉村春子さんに盾突いた。盟友だったテレビプロデューサーと出演女優の不倫を暴露して、大騒動に発展したこともある。
… 
▼冒頭のインタビューは、『学校に行きたくない君へ』(ポプラ社)に収録されている。もう一つ、樹木さんが子供たちに残した、とっておきの言葉を紹介したい。「お釈迦さんがね『人間として生まれることはきわめて稀(まれ)なことだ』と言ってるの。だったらね、生き続けなきゃ、もったいないじゃない」

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