King Diary

秩父で今日も季節を感じながら珈琲豆を焼いている

『シンゴジラ』TVでみた

2017年11月12日 23時56分36秒 | 映画
この映画は公開当初から言われていた色々を聞くだけでどんな
感じか解ってしまってあえて劇場で見ずに過ごした映画でした。

現職の国会議員が用いられている用語にコメントしたり、元官房長官が
取材協力して作られたとか出てくる用語やゴジラの攻撃方法に話題が
集中していました。

話題や賛歌的発言が募れば募るほどそれじゃあわざわざ見るまでも
ないかと思いました。

というのは、そもそもゴジラ映画が提起した環境問題や文明批判に
2014年の米製渡辺謙が博士役で出たゴジラは自分たちの水爆実験ですら
正当化するひどいものでゴジラは神であり、救世主のような作り方に
もはや作る意味がなくなったかのような感もありました。

そこに作られたシンゴジラは評判通り、福島原発事故と重なるそれに
日本政府がどう立ち向かい正統的に対処したかのように描かれている
のにものすごく違和感がありました。

ファンとしてはエヴァンゲリオン的な描写や軍事オタク的視点などが
たまらないという賛歌論はうなずけますが、いまだ収束しているとは
言い難い原発事故に原発再稼働が動かしがたい実効策としてあり、核燃料
リサイクル事業とか現実には実現不可能なメルトダウンした燃料の取り出し
など真実を言わずに続けている事故処理の言ってしまったら終わりという
できなくてもやっている以上は指摘はされないという現行の現実を
暴きたてることはなく、何の解決もされないのは明らかでそれを
肯定的に見るようなゴジラが最後凍結して収束という終わりに全く
不満なのです。

これはよくあるNHKスペシャルやスクープ的ドキュメンタリーの手法で
とにかく特別で迅速な対応でやり遂げましたと立て続けに打ち出した
ものを並べ立てたもので、それで何が解決されたとか、何の解決に
なったかという結論は述べないのです。

こういうものを出されたときに、あえてここはおかしいという批判を
してこその評論家も世の評価が好調なものにケチをつけることは自身の
評論家声明を危険にさらすばかりかそもそも発言の機会をなくすとして
誰ももはや何も言えないような状態です。

もともとゴジラは水爆実験で突然変異したクジラということで
哺乳類のはずです。

シンゴジラでは突如現れた巨大生物はすごい勢いで進化する生物で
最初は手もなく鰓で呼吸している魚のようなナメクジのようなのが
突如足で二足歩行を始めるという全く生命の進化を無視したものであり、
体中から光線を出したり凍結したしっぽの映像にはエイリアンのような
脊椎動物が苦しみもがき這い上がるような彫刻のような姿がみられ
象徴的に人類の成れの果てのような暗示があります。

人はエヴァンゲリオンの使徒のような出現に驚喜し、それに敢然と
立ち向かう日本政府の政治的やり取りにリアリティを感じ喜びました。

東京湾の浅さから発見が上陸してからというのは不自然で他の映画
同様、フィリピン沖から発見されているというのがSF的です。

でもそうすると米軍がいち早く発見して攻撃して終わりになって
しまい、そもそも日本に上陸する意味も目的もつくりづらいので
迷ってクジラが日本の浜に打ち上げられてしまったような形に
するしかないのですが、そうしたらそれが二足歩行で放射能の火を
吹くなんてのはもうどう理屈をつけようと無理なのです。

でも、この映画でどうして福島原発事故を想起させるような処理と
対応をとることにしたのかの方が気になります。

現実的にはミサイルを発射して死なない巨大生物というのはエバの
使徒のようにATフィールドでもないと無理です。

高い放射能で電磁パルスのようなものが常に起きて電子機器はすべて
使用不能で電波誘導などもすべて使用できないというのなら話は
解ります。

そればかりか未知の素粒子の流れが起きてダークエネジーやダークマター
など時間と空間までゆがませて進むというのなら普通の物理攻撃も
ままならないでしょう。

それを世界中のコンピューターで解析して歪みの特異点を計算して
そこから攻撃して倒すというのなら現実味も出てきます。

まあ批判やこうすべきというのは見たからこそできることで、指摘
すべき点やメッセージ性にはメッセージで答えるのも正当であると
思います。

ただ、それはあまりに賛歌する意見で埋め尽くさればからしいと
いう意見もあっていいのです。それが言えない空気など作っては
いけないし、福島原発は凍土壁で収束などしていないという現実を
もっとまともに我々は受け止めなければならないでしょう。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« トランプアジア歴訪で見えたもの | トップ | 新聞を読んで »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

映画」カテゴリの最新記事