King Diary

秩父で今日も季節を感じながら珈琲豆を焼いている

『ピース』読了

2011年12月23日 15時05分50秒 | 読書


この本を読むきっかけは日経夕刊の書評でした。

ヒット作の背景などを取り上げるコラムで、秩父を
舞台にしているとしってからでした。

ただ、それだけでは本を注文しなかったでしょう。

アマゾンでみてみるとそのレビューが散々な評判
だったから安心して買いました。

というのもご当地小説の類で秩父を舞台にしたもの
は今までもいくつもありました。

秩父夜祭殺人事件とかそんな感じの二時間ドラマ風の
やつです。

しかし、この本の紹介でも触れられていましたが、
ヒットの背景には書店員が表紙が気持ち悪いという
感想からネットで評判になったとか本実力のものより
うわさからでた本の力のようなところが話題になって
いたのでした。

もともと推理小説とかサスペンスの範疇の『ピース』ですが、
やはり秩父がどのように扱われているかは気になります。

そして、夜な夜なバーに集まる人間模様から始まる
サスペンスとなれば、人間関係とか田舎が要素として
どう絡まっていくのかも気になります。

本自体は酷評されているアマゾンの書評のようなこと
より、やはりテーマとして明かされる最後の
どんでん返しやラザロの復活というテーマと重なる
示唆をどう読者が読み取るか、面白さも味わいも
人それぞれになるのも当然な構成だと思います。

しかし、秩父の位置からしてやはり絶妙だという
以外ないですね。

私自身昭和の大事件を秩父と色々考え合わせてみて
見えてくるものとか考えることはあるわけで、それを
良く気がついたな、発見したなと思いました。

これが、甲府だとか群馬だとかだとまるで違うし、
秩父の人がテーマのようでいて、事件はやはり違う
ところで動いていて、刑事の使う秩父弁が雰囲気を
だしていても、地勢的なものがやはり秩父で事件と
いう事になっているところと時代ということを考え
昔の黒沢映画のような展開を観るかのようでした。

こんな閉鎖的な田舎で事件が起きれば、地形的にも
人間関係的にもすぐに絡めとられてしまうという
短絡的な予測がありがちですが、実際秩父で過去
二度の銀行襲撃事件があり、大騒ぎになりましたが、
どちらも犯人はつかまっていません。

宝石店の盗難も確か犯人は捕まっていないはずです。

日本の警察は優秀であるとか、過剰とも言える車の
ナンバー読取装置があっても、以外と犯人は捕まって
いないのです。

秩父でもオレオレ詐欺や資産家を狙った取り込み詐欺
のようなものなど多くの経済犯罪があるといいます。

地方の闇というのはその夜と同様深いのかもしれません。

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