King Diary

秩父で今日も季節を感じながら珈琲豆を焼いている

完ぺきな夏の午後を感じて

2020年08月27日 17時55分53秒 | 珈琲

次々と何かの課題のようになすべきことは現れ、それを

あたふたと片付け、ずっと気になっていた手続きやらも

終えて、また月末というあたふたとやらなければならないことの

押し寄せる時期となりました。

 

この八月の終わりというのは幼少期には憂鬱な時で、これは大人になり

それなりに楽しみと夏の終わりの今の時期しか現れない空のことなどに触れ

過ごしていましたが、大人になっても幼少期に多くの苦しみを感じた記憶は

時としてよみがえり今しか現れない空とトンボなどが飛び交う空とともに

それをみるとまた今になっても憂鬱な気分にさせたり苦しみを思い出したりします。

 

ふと読んだブッテンブローク家の没落の物語もそんなことなのかという感じを

ふと思いました。

 

しかし、この小説を読みだしてなんといっても一番季節的に合うのは今の夏の終わり

だというのは今日強く思いました。下巻を残すだけとなり引越しのごたごたでその下巻が

どこにあるのか暫し読書も中断していましたが、なんと奇跡のように今日その本が見つかり

午後の休憩時間に読みだしてその時間がなんとも贅沢で普段コロナとその終息で出かける

ところなどをあれこれ思ってテレビのニュースなどを見て過ごすだけの日々でしたが、

とても貴重な時間となりました。

 

この小説の魅力についてはおいおい書いていくとして、今日の午後はなぜかマンデリンのテストも

あり、その珈琲と小麦胚芽のビスケットとこの小説の織り成す世界が数日前に考えた熱海の海と

何かリンクしたようで特別な感じもいや増したのでした。

 

もともとトーマス・マンの文学はトニオクレーゲルの世界観であり、最初の長編のこのブッテン

ブローク家の人々も基調は裕厳と続く海原への語り掛けであり、海原からの人生への答えで

あるのです。本人は何と戦い、何に対しての正義と怒りなのかも理解できずエヴァに乗り込み

戦う碇シンジの中二病のような世界観と通じる大きな謎の前にたたずみ何もできないちっぼけな

人類の悲哀を描きそれを堪能する完璧な午後となりました。

 

マンデリンは思うより絶妙に今飲むべき味に仕上がり、これからのラインナップにも寄与する

味です。ただ、ご注意願いたいのはこの絶妙さは試飲がコロナで自粛中には容易に理解できる

術がなく、ご興味湧いた向きにも実はこういうことなんですよと簡単に説明もできません。

なにしろ人々のマンデリンの認識がそれほどこの豆を理解していないばかりか、魅力といえば

強い苦みとガツンと来る力強さだと信じている人が実に多いことです。

 

それを打ち砕くのに当店の豆を試飲いただくのは実に有効で簡単なことなのですが、まあどうしても

試飲したいという方は予約していただければ整えますのでご連絡ください。試飲されなくても購入は

できますのでご指名いただければ在庫しています。

 

 

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