King Diary

秩父で今日も季節を感じながら珈琲豆を焼いている

『東京タワー』読了

2007年05月18日 23時05分55秒 | 日々のこと
昨日一日ジョギングは休みましたが、まだ
腰の辺りとふくらはぎに違和感が残ります。
それでも今週のタイムは、06分07分08分と結構
いいタイムで終わっています。しかし、それはここのところの
気温が余りあがらないせいだというのも気がついていました。
ロードレースでの他の人の圧倒的な速さはまだ脳裏に
焼きついています。それもみんな私のように毎日走って
いる人ばかりではありません。

それはウェアから出た足が真っ白な人が半分以上なの
を見ても明らかです。しかし、私も昨年一昨年とタイムは
伸びているので、あせることはないでしょう。もともとタイムを
求めて走ったわけじゃないんだから。

というわけで、今週は走り出す前の踏ん切りが付く前の読書
として、『東京タワー』を読んでいました。
この本は、前の職場の人に借りてなかなか読み出せないままになり
ここに来てやっと色々な事が片付き読書時間もできて本を読み出して、
今週はこの借りっぱなしの気になっていた本を読み終えたのです。
私は、先に映画になったりドラマになった江國香織の方を貸して
くれたのかと思いましたが、リリーフランキーの今映画になって話題の
方を勧めてくれていたわけですね。

私の身の周りにもガンで死んでいく人が多くいて、最近ガンの告知を
受けたという発表もいろんな人がしています。私も父親を中学の時に
亡くしていてこういう本でよかったとか感動したという人はだいたい
どんな人生を送っているのか想像できます。

人間自分の周りに満ち溢れていると、それが当たり前だと思い、
なくなった時にあわてるものです。
そして、人間の成長として自分が大人になり、子供を持つと
いろんな意味で感動を味わうのですが、それは未経験者には
なかなか解らないもので、子供が親を亡くして思うことや
子供が生まれてそれを育てて感じることもまた人生の醍醐味
であり、人生を深くする要因です。

だから実際に両親を持ち、その愛に満ちた人生を送っている人には
またぐれている子供やいじめられている子供の気持ちまで解らないのです。
このリリーフランキーの小説もこれだけ読んで、親の愛のすばらしさとか
人を思う心などと軽々しく言わないでもらいたいと思います。
誰にでも親がいて、それが誰にでも同じようなドラマがあるという
当たり前の事をまず自身に確認してもらいたいと思います。
これは本の中だらかじゃなくて、当たり前のことです。

普通に学校を出て普通に育てられて、普通に就職した人でも
親は愛情を持ってしっかりあなたを育てたのですよ。
そういう意味でこの本もこの本の中の世界はそれはすばらしい
物ですが、それはけっして著者だけの物でなくて、共感できる
世界というのでもないと思います。人は人それぞれに誇れる
物や自信を持って生きるアイデンティティがあるのです。

赤裸々な部分が全て事実で、そんなプライバシィーの安売り
のようなもので楽しめる人はそれでいいでしょう。
それはでも文学とか芸術とかとはまた違うものです。芸能とか
軽薄なマスコミとかスポーツ新聞の世界です。
それでも世に出て受けてしまえばなんでもokみたいなところが
今はありますから、これでよいのでしょう。私も楽しめたことは
楽しめましたから。

気になったのは、定職にも付かずにイラストやらフリーの作家
みたいのでも都会にいればある程度仕事があって、それも
住所不定で家賃は踏み倒すは、電気ガス水道も止められて
も生きていけるというのは余程何か才能があったか運がよかったか
景気もよかったかなんでしょうか。それに本人は重要な仕事でも
すっぽかしや遅刻は常習と言いますし、名前のリリーフランキー
というのもなんやら正体不明すぎです。この本のお陰で
東京タワーのリリーフランキーということになったからよかったけど。
コメント
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