通勤や買い物などに利用している自転車のブレーキが壊れた。
俺の人格のブレーキはとっくに崩壊しているが、チャリのブレーキがきかないのは純粋に危険だ。
とくに下り坂は、このままノンストップなのかと不安にさえなる。
最初に壊れたのは、後輪ブレーキだった。
ブレーキ・パッドやワイヤーがどうした、なんていう生やさしい壊れ方でなく、ブレーキそのものが壊れた。かけたブレーキが戻らなくなってしまったのだ。
常に後輪のブレーキが半分きいている状態で無理矢理にこぎ続けているうちに、ブレーキ・パッドはすぐすり減って、やがて後輪ブレーキは沈黙した。
もう、ブレーキ・レバーを引いてもスースー言うだけで、後輪ブレーキに自転車を止める意思は無い。
だが、自転車という乗り物は良く出来た乗り物で、ブレーキは後ろだけではない。前ブレーキもある。
きっと、自転車の前ブレーキは後ろが壊れた時の為にあるのだろうと、前ブレーキだけで自転車を乗り回していたら、1週間で前ブレーキのパッドもすり切れてしまった。
帰り道の長い下り坂が前ブレーキを消耗させたのだと思う。やはり、ブレーキは前後あわせてのブレーキ。前だけで止まるのは大変な事だったのだろう。
もともと、俺はあまり自転車を飛ばす方ではない。
てか、 E・T を前カゴに乗っけてるワケじゃないから空は飛べない。
えーと、あまり自転車の速度を上げて走るタイプじゃない。
チンタラ走るタイプだ。
けっこうチンタラ走っているのに、もうブレーキをかけても自転車はすぐに止まらない。前ブレーキのレバーをいっぱいに握って、数メートルぐらい慣性の法則でズルズル走りながら、ヌターって止まる。
平地ならそれでも良いが、下り坂が怖い。
とくに坂を下り切った所の交差点が怖い。
この交差点に、毎回、下りの勢いがついたままの自転車で突っ込んで行くのなら、2回に1回は車にひかれて死ぬだろう。3回に1回はガキか老人と衝突する。4回に1回はお散歩中の犬に吠えられる。間違いない。
仕方なく、現在、坂道では『第3のブレーキ』を併用している。足のことだ。第3のブレーキは靴底が減るのでもったいない。
そこで昨日は仕事帰りに自転車のブレーキを直してもらう為、自転車屋に自転車を預けてきた。
その自転車は立川駅の近くにある。
場所が良い事もあるが腕も良く、いつも繁盛している。父と子の親子で営業していて、いつ行っても親父か息子のどちらかが店の前で自転車の修理をしている。修理待ちの自転車もたまっていて、修理を頼んでもすぐには直してもらえない。
いつも待たされるので昨夜は預けてきたのだ。
今日は、今から預けてきた自転車をとりに行く。ブレーキを修理してもらい、ピタッと止まる自転車はきっと気分が良いだろう。
俺の心のブレーキも誰か直してくれないかな。