コラ！

『コラッ！』

　背後で声がしたので振り向くとダーガーが立っていた。

『お前の夢は何だ？』

　平成のヘンリーダーガーになること。

『今のお前に、その名を語る資格はあるのか！？』

　いや、ない。

　妄想。
　そう、天国の白いベンチに座りながら、ダーガーと互いの妄想を語り合うのが俺の夢だ。
　忘れていた。
　リアルなんかクソ食らえだ。クソでも食ってろ！

　この疲れ切った身体などいらぬリアルだ。
　妄想に生きるとあの日あの時に約束したのだ。
　疲れているなんてリアルな言い訳をしてはいけない。するなら、妄想にのっとった言い訳をしなければならない。
　妄想こそ我が支えであり、妄想が現実。

　心のアクセルをフルスロットルにせよ。
　心のアクセル全開だ！

　そう俺は、平成のヘンリー・ダーガーになる男だ。
　天国の白いベンチでダーガーと５万年ぐらい、互いの妄想を披露しあう。

　そのためには、今から英会話の勉強をしておかないとな。

弱音

　今朝は朝の４時１５分に起きて、いつもより３０分早く出勤。
　立川駅を５時発の中央線に乗って、５時３０分にパン屋に到着。
　５時４５分から始業。昼の１２時半までぶっ続けで立ち仕事。
　２０分の休憩時間で、あまりモンの菓子パンを２個食べて、ハイライトを３本吸う。
　３時５０分に終業。すぐに、次のバイト先に急ぐ。
　夕方の４時過ぎに新聞屋に到着。新聞を積んで配達をはじめたのが４時半。
　本来なら、２時半には開始しなければいけない夕刊配達を２時間ちかく遅れて開始。
　急がねばならないが、連日の激務でもはや足は壊れかかっているし、走る気力も無い。
　気がつくと土砂降りの雨で、濡れたスニーカーが冷たい。
　配達終了は５時半過ぎ。新聞屋に戻ったのは６時前。
　立川の駅前でラーメンを食って、帰宅は７時過ぎ。

　今日は７時間連続で立ち続けた。
　朝にバナナ１本、昼に菓子パン２個。
　休憩２０分。
　常にノルマ（生産個数）に追われ、時間に追われ、急ぎ続ける。

　今日は少しハードではあったが、このような生活が月曜から土曜まで続く。祝日もゴールデン・ウィークも関係なく続けられる。連休は、１月の年始と８月の盆休みだけ。

　少し疲れた。
　体がボロボロで走れない。走ると足が壊れそうになる。
　とにかく早く辞めたい。　

もう

　書くのが辛くなってきた。
　仕事の疲れで、クタクタで、文章を書く気にならない。

　イヤもうマジで、もう何も書けん。
　一文字だってタイピングできない。
　文章を書く気力が無い。
　何も書けない。

　書けないぞぉ！
　書くものかぁ！

水曜の朝

　今朝はいつもより３０分ほど早く家を出たので、まだ外は暗い。 雲が多く風は弱い。やや寒いような気がするのは時間が早いせいか？何となく静かだ。