朝のウグイス

　ベランダの鉢植えに水をやりに外へ出ると、鳥が騒がしくさえずっている。

　今朝はくもり。空では、薄い雲を透かし太陽がぼんやりと日光を滲みだしている。
　今朝は薄明るいなぁ。とぼんやり思う。

　ピーチクパーチク。

　小鳥のさえずりが騒がしい。
　それにまじって、

　ホーホケキョ！

　あぁ、ウグイスだ。ウグイスだよ！
　ウグイスの鳴き声が聞こえる。

　ついにウグイスまでが鳴くような季節になったんだなぁ。
　もう春じゃん。
　シミジミ。
　などと、思っていたら、このウグイスはしつこい。
　風情も風流も侘び寂びも情緒も無視して、早口でホーホケキョと連続で鳴き続ける。

　ホーホケキョ
　ホーホケキョ
　ホーホケキョ
　ホーホケキョ
　ホーホケキョ
　ホーホケキョ
　ホーホケキョ

　うるさい。しつこい。
　
　お前なんだ。ホーホケキョの『ウグイス嬢』か？
　清き一票でもホーホケキョに入れて欲しいのか？
　
　このウグイスは、ホーホケキョの練習中らしい。
　ウグイスだから風流だとはかぎらない。