墨汁日記

墨汁Aイッテキ!公式ブログ

徒然草 弟二百三十七段

2006-03-04 21:21:13 | 徒然草

 柳筥に据うる物は、縦様・横様、物によるべきにや。「巻物などは。縦様に置きて、木の間より紙ひねりを通して、結い附く。硯も、縦様に置きたる、筆転ばず、よし」と、三条右大臣殿仰せられき。
 勘解由小路の家の能書の人々は、仮にも縦様に置かるる事なし。必ず、横様に据ゑられ侍りき。

<口語訳>
『柳箱』
(やないばこ)=柳の木を細長く三角に削り、白木のまま幾つも(すのこのように)寄せ並べ、生糸または紙撚(こより)で二か所ずつ編んで仕立てた蓋つきのもの。硯、墨、筆、短冊、冠、鞠、経巻などを納めるのに用いた。後世、蓋の足を高くして台として用い、冠、経巻、装束などを載せた。(日本国語大辞典)
 やないばこは「ヤナギバコ」の音便。(新訂 徒然草)
 「筥」は「箱」に同じ。(徒然草 全訳注)

 (補足)細く削った柳を材料として組み合わせて造った箱が「柳箱」です。ようするに丸木を組みあわせて造ったイカダみたいなかんじの箱で、その上に、スノコみたいなふたを置いて硯や筆などを置きました。
 この段で問題になる「縦様」とか「横様」は、丸太船で言うなら木材を組み合わせた方向にどう物を置くかを問題にしています。組んだ木材と同じ向きに物を置くのが「縦様」で、組んだ木材の方向とは90度横向きに置くのが「横様」です。

Tate

 柳箱に据える物は、たてよこ、物によるべきか。「巻物などは。たてに置いて、木の間よりこよりを通して、結びつける。硯も、たてに置いてやる、筆転ばない、よい」と、三条右大臣殿仰られた。
 勘解由小路の家の能書の人々は、仮にもたてに置かれる事ない。必ず、横にすえられました。

<意訳>
 柳箱に物を置く時のたてよこは、物によるかな。

「巻物なんかは。たてに置けば木の間から、こよりを通して結びつけられる。硯もたてに置いてやれば筆が転ばなくてよい」

 と、三条の右大臣殿は仰られた。

 書道で有名な勘解由小路家の人々は、仮にもたてに置かない。必ず、硯は横にして置かれていた。

☆愛の感想☆
 おはようございます。
 マダムです。

 うっかり寝てしまいましたが、この段を完成させるべくキーボードを叩きます。

 ところで、寝ている間に変な夢を見ました。

 今夜は大事なお客さんが尋ねてくる。
 お客にビーフシチューを食わせねば。
 なぜビーフシチューなのか? そこらへんは夢なんで理由は不明。お客が誰なのかも分からない。ただ、お客にビーフシチューを食わせねばの一念。

 私が住むアパートの、みみちい流し台じゃマトモな料理なんて出来っこないので、実家に帰り、朝から、実家の台所でビーフシチューをつくります。
 肉と野菜をいためて、デミグラスゾースをベースに赤ワインとブイヨンをブヨヨンと入れこんで、後は、

 じっくりコトコト

 じっくりコトコト

 じっくりコトコト。

 出来あがりました。やった~! かんせい。

 次に、自分のアパートへのビーフシチューの搬入です。大事なビーフシチューをかかえてウロウロはできませんから、父の車を借りましょう。
 なにげに、ビーフシチューの鍋をかかえたまま玄関まで出てきてしまいました、おっと、先に車をまわしとかなきゃいけなかったな。
 さらに、なにげに、ビーフシチューを、玄関の横に置いてある傘立ての上に置いて、近所の駐車場まで車をとりにいきました。

 車に乗って玄関の前にもどると。

 ビーフシチューの鍋がひっくり返って、庭の水道の前に中身が捨ててありました。

 え?

 鍋がジャンプして庭まで飛ぶはずはない。誰かが鍋を庭に捨てたんだ。誰だ、誰がそんな事を? たちまち私の頭の中は怒りでいっぱいになります。
(実家の玄関は通りに直面しているから、傘立ての鍋は、誰でも簡単にいじれるのです。)

 ダレじゃーい! こんな事したのは!

 どこかに犯人はいないかと、周囲を探します。
 家の横の路地をのぞくと、小学生ぐらいの女の子が3人モソモソとなんかして遊んでおります。

「あんた達、この傘立ての上に置いてあった鍋、どうなったか知らない?」

 と、私が聞くと女の子が答えます。

「へんな気持ち悪いのが入ってたから、捨てた」

 捨てるな! ボケー!!

 チョー逆上です!

「な、なんで、人んちの前にある鍋の中身をかってに捨てる? お客様に食べさせる大事なものだったのに。今からつくり直すから、あんたら手伝いなさい!」

 玄関を開けて子供達を中に押し込もうとします。私はマジで子供らに手伝わせるつもりです。
 子供達はひどく迷惑げな顔。

「ごめんなさーい、おばさん!」

「おばさんゆーな!」

 嫌がる女の子達を、玄関内に拉致監禁しようと押し込んでいるうちに、少し冷静になりました。
 こんな事をして、後で子供らの親から「児童虐待」で訴えられたらまずいな。

「ウソ。もういいよ、二度とこんな事すんなよ!」

 解放された女の子たちは、てんでばらばらの方向に逃げ去って行きました。

 さて、私は泣き叫びたい気分。

 朝から丹精こめてじっくりコトコトしたビーフシチューが庭の肥やしです。今からまたあの手順を繰り返す事を考えたら、もううんざりです。だいたい、もはや材料がありません。
 すっかり、落ち込んでうなだれる私を両親が心配してくれますが、もうふて寝でもしたい気分です。

 アレ?

 これって、もしかして夢なんじゃないの?
 そうだ、私は寝てたんだ。
 コレは夢だ。
 ならガッカリする必要はないな。

 あー。夢で良かった!

 そう思ったら目が覚めました。

 それでは皆さん、良い休日をお過ごしください。

原作 兼好法師
意訳 マダムprotozoa


土曜の朝

2006-03-04 05:55:55 | 携帯から
出勤の時、電車の中でのヒマつぶしに携帯メールで、この「日記」に投稿している。ところが、昨日は間違えてメールのタイトルを入力するところへ本文を長々と入力して送信してしまった。

入力しながらも、改行できないから、なんか変だなとは思っていたのだ。確認しないで、思い込みで行動するのは俺の悪いクセだ。

今朝は良く晴れた。すでに空は明けかかっている。