もらい泣きする俺

　一人で生きようという意志や信念は美しい。
　最近、俺がファンなネットのサイトの人達の文章が元気いい。
　自分がいま一人である事を嘆きつつも、それでも生きようとあがいている。
　一人な事は結果的にそうなったと本人達は言うんだろうが、彼らの報告はあまりに健気で可愛すぎる。男の子ってマジに純粋で可愛いよなと思う。

　もちろん。
　別に男なんぞに性欲はわかないし、悩みなんか打ち明けられても迷惑なだけなんで、俺にはかかわりのない事なんだけれど、若い男の子は可愛い。

　一人で生きてくのも、家族がいっしょで生きてるのも、同じようなまったくの幻想だ。
　この世には自分がこさえたまやかししか存在しない。

　あるのは、その場だけ。今だけ。
　しかし十分な今を得るには過去の積み重ねが必要だ。
　
　ちなみの俺は積み重ねゼロ。これから積み重ねる予定もない。
　
　一人で生きていく事なんか、実は一番簡単でかなりにらくちんだ。他人と接点をもって生きる方がやや難しい。
　でもなにもかもまやかしでこのよはおれをちゅうしんにしかまわらない。

ワードプロセッサでない俺

　今日は気が向いたんで、コンピュータを立ち上げて表なんぞこしらえてみる。

　実は俺は内緒なんだが、パソコンやる人の定番なワープロソフトというものを所有していない。あるのは、MacOSに標準装備のシンプルテキストだけ。シンプルテキストはWinな人が言うところのノートパッドだと思ってみていただいてもいいかもしれない。ただし、ノートパッドの方が使いやすいし日本語能力はウインドウズの方が高い。
　しょせんMacはことえりっすから。

　しかし、シンプルテキストで表をつくろうとすると、とたんに能力不足の役立たずになる。別にラインを引いて見やすくとか、そんな欲ははじめからない。そんな事は出来ないのは知ってるし。

　ただ、頭そろえて単語と数字を三列に並べたかっただけなのだ。それすらシンプルテキストは満足にこなしてくれない。
　仕方がないので、リターンとスペースのキーを連打しまくり、自力で頭あわせをした。

　本来の俺はシンプルテキストにことえりで十分な作文しか創作していないので、てゆーか、所詮俺の作文はことえりでシンプルテキストだしさ。
　しかし、たてに三列並んだ単語と数字ぐらいは楽にこなして欲しいもんだよと思う。

　実はこっそりないしょでワープロソフト欲しいなぁとか思っている。どうせ、使いこなせやしないんだけどね。

ふられた俺

　俺は夕刊配達のバイトをしている
　仕事内容は夕刊の配達。
　詳しく言うと「街で良く見かける原付バイクに乗って新聞を配る汚い格好をした人。（近寄られると汗臭い）」が仕事内容だ。

　今日は雨。
　雨は嫌いだ。新聞が配りにくい。

　カッパは本来、上下フル装備で着こなさないと意味がないしろものだ。しかし、今日は暑い。とてもじゃないが、カッパの上着なんか着ていられる状況じゃない。カッパの上着なんか着て配達なんかしようものなら汗みどろで、汗だくになり、汗で雨に濡れたのと大差ない状況になる。
　仕方がなく、カッパのズボンだけ履いて配達に出る。
　
　幸い、今朝は半袖の上着を着用してきた。
　下に着てきたTシャツで配達して、Tシャツが雨で濡れたなら、半袖の上着をじかに着て帰りゃいいだけの話しだ。ちょっぴりセクシーッてなもんなのだ。

　そんなで、雨ん中を配達して小平から電車で立川に帰ってみたら。
　立川では雨は一滴もふってないでやんの。

　雨がふってないだけでなく地面が乾いている。昼頃まではふっていたらしいが、この数時間は立川では雨がやんでいたらしい。
　なんか。責任者を呼べと言う気持ちになる。
　
　雨の責任者は誰なのだろう？

またやってしまった俺

　またやってしまった。また、生地出しで間違えてしまった。

　俺はパン屋のバイト君。
　パン屋での主な仕事は成形と分割。
　パン生地をそれぞれのパンのかたちに成形する前に、冷蔵してある「生地玉」を冷蔵庫から出して生地を成形できるやわらかさにまで解凍してやらなければならない。この作業を「生地出し」と言う。
　「生地玉」とは、パン生地を分割して丸めてあるもの。
　生地をそれぞれのパンの重さに切り分けて、だんごみたいに丸めたものを「生地玉」と言う。この生地玉が昨日のうちに切り分けられ丸められて冷蔵庫に保管してある。
　生地出しがきちんとできないと、成形をする事ができない。

　先週は「生地玉」を出す数を間違えて、指示数より足らなく成形してしまった。
　今日はまるまる一種類。生地玉を出し忘れていて、成形時間に成形する事ができなかった。

　あぁ。せっかく今週は、今日まで、とりあえず出し間違いとか出し忘れはしなかったのに。今日はやや疲れ気味でかなり気がゆるんでいた。
　俺は必死の覚悟で覚えていないと、すぐになんでも忘れるのだ。

　これでまた俺の信用は地の底に転落。
　もう、俺ですら俺を信用出来ない。
　なんでこんな簡単にすぐになにもかも忘れちゃうんだ。
　俺なんかサル以下だ。いや。俺なんかとおサルさんを比べたら賢いおサルさんに失礼ってものだ。もはや、俺は俺としてワーストワンなのだ。誰と比べるでなく、俺こそが最低ちゅうの最低。俺は最低大王なのだ。
　嫌だ、最低大王。自分で俺が情けない。

　店長に言われた。

「そんなに忘れるんなら紙にでも書いてはっておいたら。」

　ナニを何個出すとかはホワイトボードに書いてある。
　しかし、成形の順番や、どのタイミングで生地玉を出すのかなんてことはどこにも書いてない。ただ、俺のたよりない脳みそに刻み込んでいるだけだったのだ。
　それは良い手かもしれない。
　成形の順番や、生地玉を出すタイミングを紙に書いて表にしてみるか。
　紙を見ながらやるやらないは別として、俺のたよりない脳ミソにあるおぼろな記憶が、紙に書く事である程度は固定化してくれるかもしれない。

　さっそく、今日うちに帰ったら自分がやるべきことの時間表を書いてみよう。

眠い俺

いくら寝ても眠い。 今日は予報では雨だったが、まだ雨がふりだしそうな天気ではない。 空の東から雲が広がっているが、南はまだ青空が見える。

今朝はなんとなく眠い。いま、俺が乗っている中央線の車内では、前の座席の人達がみんな寝ている。みんなじゃないか、一人だけ本を読んでいる。