ポリ袋ブログ

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夜汽車紀行を読む

2020年03月16日 09時38分41秒 | 書評
新型コロナウィルスのなんと憎いことか。あちこちでイベントが中止になるし、お店にも人が来ない。
人の往来を制限するから経済も停滞する。
中でも春の選抜高校野球が中止になったことはやるせない。
多くの球児は人生で一度きりの経験が奪われることになる。
彼らの人生でとてつもなく大きな体験になったことは間違いないが、努力が報われなかった点は経験させたくなかった。


そして、新型コロナウィルスの報道が過激さを増し、感染者のプライバシーが守れないように思う。
感染者のケアが必要なのに、感染者が悪人のような扱いを受けているように思える。


自分が勤めている会社でも感染者が出たら会社を営業停止にしなくてはならないと、半ば脅しのようなことを言ってくる。
大切なのは会社か、それとも人なのか。


このところ休日になると自宅に篭って過ごす。
最初は出かけられない閉塞感から嫌だな、と思っていたが、金曜日の仕事が終わり二日分の食料を買い込むと、自宅にピクニックに行く妙な感覚に陥り、ワクワクする気持ちが芽生えてきた。
さらに、一歩も自宅から出ないという奇妙な目標もでき、このところは楽しむことができるようになった。


料理をし、動画を観て、書道を学ぶ。
夕方になれば酒を飲む。


今まで何かをしなければいけない、という強迫観念に追われて生きてきたが、その考えが間違っていたのではないか、と思うようになってきた。
そう考えられるようなって生きるのがほんの少し楽になった。
無駄な経験はひとつも無い、と言われるが、今回のコロナウィルス流行の体験も、自分の糧にしなければいけない。
ただし、やはり本音は早急に収束し、自由に出かけらるようになり、世界経済も上向きになって欲しい。


自宅に篭るようになって読書する機会が増えた。


週末夜汽車紀行
西村健太郎著
アルファポリス出版


自宅に篭りながら旅気分を味わうのも悪くないと思い購入した。
金曜日、仕事を終えて、そのまま夜行列車に飛び乗る「週末夜汽車紀行」
会社が早く終わった夜。帰り道をほんの少しだけ遠回りする「七つの鉄道夜旅」
から構成される。


七つの鉄道夜旅に書いてあることは、田舎に住んでいると真似できないことが多いが、週末夜汽車紀行は実行できそうだ。
私が住んでいるのは新潟県だから金曜の仕事終わりに新幹線に乗れば東京まで行くことができる。
すると、翌朝からの行動範囲がグンと広がる。
コロナウイルスが収束したらこの本に倣って金曜日に出発したい。


題名に「汽車」とあるように鉄道を使った旅の話が連なっているから、文章の大半はどこそこの駅に何時何分出発、ということが羅列されている。
正直、うんざりすることもある。
それでも最後まで読み通せたのはなぜかと考えた。
一つ目は著者の文章力。
車窓が細かく繊細に書いてあり、自分が列車に乗り車窓を眺めているように擬似体験ができる。
二つ目は自分も旅といえば主に鉄道を使うこと。
そして三つ目は旅が予定通り進まないこと。
乗り遅れたり、予定を変更する意外性。
今日中に帰らなければ明日出社できない。
それでも自分の気持ちの赴くままに予定を変更する。
人生全て予定通りに進めなければいけないとと思って過ごしてきた。
それは旅行でも同じこと。
だが、自分の気持ちの赴くままに行動する。
そんな著者に嫉妬する。


この時期だからこそ読みたい本。

書店はレジ袋有料化にどう対応するのか。
やはり紙袋にするのだろうか



 
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